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3月の宇都宮を最後に沈黙を守ってきましたが、4月・5月と二ヶ月の間に3回もイベントに参加した詩唄いさんと、その詳細なイベントレポートを電話で聞いているうちに、イベントに参加したい病にかかり、勢い余って参加することに決めたのが、この高崎です。
もともと、7月の前橋に参加する予定で、7月の前橋で夏コミ前の最後の修正、8月に夏コミ本番、という構成を狙っていました。しかし、6月に参加するにあたり、6月の高崎で夏コミで試そうと思っていることを実験、7月の前橋で高崎の反省点を踏まえた最終確認、8月の夏コミが本番という流れにすれば何とも自然! と言い聞かせ、申込用紙を記入していました。
結構唐突なイベント参加でしたけど、5月の青森(Song*Bird)にて先行導入した新しい帯の採用、及びお品書きへの修正、サークルカットの全面見直しなど、色々なところで夏コミや7月の前橋を意識した作りになっています。
しかし、そのわりには、三ヶ月間の休養やSong*Birdで先に実験していたと言うこともあり、完全に新しいものというのはサークルカットぐらいしか存在せず、準備量としてはそれほど多くありません。
以下、簡単に変更点などを明記していこうかなと思います。
まずは、サークルカット。サークルカットに関しては日記でも触れたとおり、隣に配置される傾向のあるサークルや、スタジオYOU独特の暗黙のルールなどと逆に位置するデザインを導入しています。黒背景と言うだけでも大分少ないのですが、文字中心で、その文字が縦書き、というのは極めて珍しく、高崎では私のサークルだけでした。
続いてお品書き。これはスペース上の文字を減らそうキャンペーンというそのまんまなキャンペーン活動の一つです。旧来のお品書き(リンク先は3月の宇都宮で使ったお品書き)と、文字数を限界まで排除した実験的お品書き(Song*Birdで使用)を組み合わせ、適度に文字が少なく、しかも読みやすいお品書きを目指しました。そのお品書きに、雪待終夜の兵器の中では最新兵器の方に分類されるスペース表記(リンク先は2月の高崎で使ったもの)を統合して完成したのが、今回のイベントで使った新しいお品書きです。背景写真が暗い関係でデザイン的にも今後採用する予定のない処理を行っていますが、今までのお品書きよりもよりわかりやすくなっているはずです。しかし、また新しい課題が見つかったのでそれを修整したバージョンは7月の前橋にて導入することになるでしょう。
とまあ、こういった形で色々な準備を行った上で参加した、おでかけライブ in 高崎のイベントレポート、はじまります(CV. 田村ゆかり)。
電車移動の伴うイベントは現地で朝食を取ると言う新しい方針に基づき、三回連続(高崎、宇都宮、今回)で現地調達。そのおかげで、起きる時間を一時間半も遅くできるのは疲れが溜まって居がちなイベント前夜にはとても優しいのです。
駅前の松屋で朝食をいつもよりゆっくり、よく噛んで頂きます。自動ドアの向こう、朝9時のはずなのに、キャリーカートにネットを突っ込んだ女性がぱらぱらと歩いていく理由がよくわかりませんでした。サークル入場が10時、一般入場は11時なのに何を意図しているのでしょうか。スタッフにしては遅いような気もしますし。
そう言った疑問を持ちつつも一人落ち着いてご飯を食べ、開場20分前に店を出ます。
相変わらず一般参加とサークル参加の列が分かりづらい列整理に困惑しつつもサークル入場開始をしばらく待ちます。やがてサークル入場が始まり、パンフ代を支払っていよいよ戦闘開始。開場はエアコンが効いているらしく予想より大分涼しいという印象。北国生活が長い私にはこのぐらいが丁度いいのですが、同時に会場に入った人の大半は「寒っ!」と言っていました。
パンフレットを見ながら自分のスペースを確認。同時にサークルカットが予想以上に綺麗に印刷されているのに感動しました。そして、自画自賛。
華やかかどうかは分かりませんが、見た目以上に素早く設置の終わるスペースは事実上20分ぐらいで準備が終了。(私はイベント開始直前まで本を裏返した状態でおいておくので、実際に準備が完了するのは開場数分前です。)10時30分から次回以降のイベントの申し込みを本部で出来るので、一般入場が始まる前に申し込みを済ませてしまいました。
途中、左隣のサークルさんとお話をする機会があったのですが、スペース上を見る限りは本中心の創作サークルで、お話しによると今回が初参加とのことでした。この初参加が高崎初参加なのか、イベント初参加なのかまでは伺っていない上に、不徳の致すところ、目立った会話がそれだけだったために、イベントが終わってからもっと話をすればよかったともの凄く後悔。今後のイベント、少なくとも次の前橋に私は参加するのでその時にお話が出来ればいいなと考える次第です。
その後は同じく準備が終わった、今回は向かい側の列に配置されているサークル『こねこねこ』の中の人とお話をしていました。話題は専ら、私の隣のサークルが遅刻せずにやってくるかと言うことと、コミケの事でした。
なお、今回のスペース配置は久しぶりに創作サークル同士が向かい合う形に配置されていました。F列全部とG列の一部が創作なのでそのような形になっていましたが、その中でも文章中心のサークルが向かい合う形に、アクセサリー系のサークルは向かい合わない形にと言うようになっていました。
向かい合うというのは非常に親切な配置だと思います。サークル側としても凄くやりやすいんですよ、この配置。それと、サークルの傾向を把握し始めたのか、申込用紙の「本中心、グッズ中心のいずれかに丸を」という欄が有効活用されたのかは分かりませんが、本中心のサークルとグッズ中心のサークルが、少なくとも創作ブースに限っては完全に分離され、本中心のサークルが連続で並んでいる姿は壮観でした。スタッフさんに「ありがとうございます」と褒め言葉を。
11時になり特に遅れることもなく一般入場開始。そう言えば一般入場が遅れたのは私が経験した中では『おでかけライブ
in 前橋 52』だけですから、イベント運営はかなりスムーズに進んでいるようです。
午前の早い時間に一冊目が売れると、その後誰も来ないかその後も来客が絶えないのどちらかになるのですが、今回の一人目の読者さんは11時30分でした。
全体のお客さんの傾向は男性も若干多めで、割合だけを見れば前橋より多いような気がします。もしかして絶対的に男性客数が決まっていて、後は女性客の数で男女の割合が変化しているのかも知れません。誰か卒論で研究してみて。
次の方は先に述べた隣のサークルの中の人の片割れで、本へのお褒めの言葉を頂きました。ああ、これだけ機会がありながら、会話のタイミングを逃すのが売り子としての限界。
今回の参加は前回の宇都宮を教訓として、今まで通り『光になりたい』を上下巻とも見やすいところに置くという配置でしたが、やはり通りすがりの方に「凄く綺麗」だとか、場合によっては二人組ぐらいの方が指を指した上で「これ見てごらん。凄いよ」と相方に言って下さります。これは、表紙の持つ力が大きいと言うことを今更ながらに実感する光景ですね。
『光になりたい』の表紙は素材と公開している作品の高解像度版を作者にお願いして送ってもらい、それを表紙として活用しているので、私の作品というわけではないのですが、それを褒められても嬉しい気分になるのは心に余裕のある幸せな証拠だと思います。それに、表紙と作品の中身が合致しているという自信がありますから、表紙を褒めて貰えるというのは同時に作品を褒めて貰えることだと思います。
他にも執事のコスプレ(見たときは、モーリス・ルブランの怪盗紳士ルパンシリーズのルパンにイメージが似ていた(片メガネが特に)ので、それだと思った)の方を始め、沢山の方に声をかけていただけたイベントでした。一つ反省は、「以前も本を買ったことがあるのですが覚えていますか」という声に、「覚えています」と自信を持って答えられなかったこと。
元々人の顔と名前を覚えるのが苦手で(アニメのキャラを覚えるのに処理を使いすぎ?)、それを補うために即売会ノートというなの、水商売さながらの客帳を付けているのですが、それも役に立たずじまい。(昔の方のイベントは純粋に売上げ記録だったので、数の記録しか残っていないのも痛い。)かなり古い本も持って頂けているようなので、そのことも含め非常に残念なことでした。もう少し、努力・改善が必要ですね、この辺については。
一番面白いと思ったのが、平積みにしている『巫女のスヽメ』と、同じく平積みにしているけど(表紙が単色だし)たぶん興味を持って貰えないんだろうなという『ショコラ』を二冊セットで選んで下さる方が多いと言うことです。両者とも短編や中編と私の作品の中では短く、値段もお手頃なので、「試しに」という方が多いのかも知れません。ショコラは個人的に完成度の高い作品なのでお楽しみ頂けたら幸いです。
とまあ、新しい出会いと再会があった今回の即売会。後から記録を確認してみると、前橋・高崎地区でのおでかけライブの中では、最大タイ記録となる訪客となりました。
新しい帯なのか、お品書きなのか、お品書きに思いついたように付け加えた「立ち読み歓迎!」という文字なのか、それを含めたディスプレイなのか、それとも、今回の裏テーマである「声掛けを一切行わない寡黙な店主作戦」が上手くいったのか、一生に一度はあるモテ期なのか、偶然なのか、私の作品を気に留めて下さった方が沢山いたのかはよく分かりませんが、私の書いた作品をより多くの方に手に取っていただけたというのは一つの事実でしょう。
作品というのは売ることが目標ではありません。作品を読んでいただき、何らかの形でその人の形に残るのが作品の持つ使命だと思って活動しています。ですから、あの作品達の中の一冊でも、または、あの作品を買って下さった方の誰か一人でも、心を揺れ動かされた方がいますようにと願うばかりです。