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コミックマーケット70

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無料配布

栞 (雪待終夜)
 毎度恒例の栞です。鈴響雪冬の同人誌を買って下さった方に一冊あたり一枚、同人誌に添付しました。
ペーパー
 何時もと少し違うペーパーです。時間が無くて通常バージョンが用意できなかったとも言います。

記録

即売会報告 (サークル参加の日まで)

 東京のイベントには何回か出つつも、これほど大規模なイベントとなると初めてです。ただ、季節風の中で東京のイベントにサークル参加したことがあるのが私だけということや、東京の路線に比較的詳しいと言うこともあって、イベント期間中は私の裁量に任せられる部分もあり、恐ろしいほど緊張しました。
 それでは、そんな鈴響雪冬の超主観的な即売会報告という名の行動録。

10日(コミケ前日)

 サークル参加を予定している二日目(12日)の三日前、すなわち9日に、本業である学業での期末考査が終了という初っ端からハードなスケジュールに落ち込みつつも、この程度の修羅場は毎回のことと自分に言い聞かせて準備を開始。そもそもこのような事態は、年間スケジュールが渡された4月の段階で解っていたのですが、実際に立ち向かってみると、かなり厳しいスケジュールでした。
 そんな影響もあって、10日はひたすらReSin-ensの製本作業に追われていました。というのも、新刊である『ReSin-ens 遼なる風、彩りの音、降りしきる雪』の原稿を書き終わったのが9日の20時なのですよ。
 結局、10日中には準備が終わらず、徹夜をすることになるのでした。

11日(コミケ一日目当日)

 当日は余裕を持って東京に集合、ということで、午後3時に東京駅に集まるようにしていたのがここで効果を発揮! ほんと、当日に他の予定を入れていなくて正解でした。

 前日の夜20時から始まった製本作業(印刷機の都合上、印刷が終わってから12時間は紙を寝かせないといけない)も、11日の朝8時に終了。ここからが超大忙し。
 間に合わないからと作る予定の無かった希望風のペーパーを急遽作成し、自分用の名刺を印刷し、ディスプレイに使うPOPを印刷し、スペース場所表示に使うデータを作成・印刷し、お品書きを印刷し………と、まあ、同人誌以外の印刷物を参加前日に作成する展開。
 途中、詩唄いさんからの電話を受けつつ、お互いに持っていく荷物の最終確認。移動時間がそれぞれ三時間近く掛かるので、忘れ物があった場合は………。

 我が家のプリンターPM-870Cがうなりを上げながら印刷をする中、印刷の待ち時間の間に次に印刷するデータを作るという怒濤の展開。それでも時間に空きが出来たら、荷造りを進めていくという、今までにない修羅場展開。
 というのも、今回の搬入量は、ダンボール3箱に上るため、キャリーカートを使って搬入できる2箱はともかく、残り1箱はリュックサックの中に入れての搬入になるため、印刷が終わってからでないと荷造りが出来なかったのです。
 無事に新刊ReSin-ensをダンボールに詰め、リュックサックに封印すると同時に、荷造りを開始。出発当日まで製本が終わっていないのですから、服の準備が終わっているはずもなく………前日に選択した服達を次々に鞄に詰め込んでいきます。この辺りは旅行慣れしていることが功をそうし、20分程度で準備完了。服にアイロンをかける余裕もありました。

 プリンターの出力が終わり、それらを荷物に詰め込み荷造り完了。ここで、出発時間20分前。

 タクシー → 最寄り駅 → 電車移動 → 東京駅の銀の鈴へ

 途中、電車が遅れるということもあり、遅れが出ていない路線を見計らって乗り換えを三回もしたのですが、超弩級の荷物を手に抱えた状態での移動に、筋肉痛を勃発させる展開。

 銀の鈴に詩唄いさんと霜月さん、私と全員揃ったところで、今回宿泊するホテルに移動。ちなみに、ホテルの予約など、東京関連は全て私が毎回担当しています。こうすることで楽天のポイントが―――。
 荷物を開封し、足りない物がないかを確認。足りない物は浅草の問屋街で調達しました。その足で秋葉原に向かうのですが、少しばかり寄り道。ガード下を見たことがないという二人の為にも、秋葉原のガード下の店を案内しながら秋葉原に向かいました。
 秋葉原からの帰り道、ガード下で夕食を食し、一路ホテルへ向かいます。

 当日は4時起きということもあり、0時前に布団に入るも、緊張で眠れず、最後に時計を見たのは…1時ぐらいだったような………。

12日 サークル参加当日

夜中〜早朝

 2時30分に詩唄いさんの携帯電話にメールが来るという展開に、二人でのっそりとベッドから起きあがり、メールに対してマジ切れ。でもすぐに就寝。
 そして、4時に携帯電話のアラームがなります。二台の携帯電話を駆使して4回にわけて鳴るアラームに強引に体を起こし、身支度。5時30分にホテルを出て朝食の場所に向かいます。

 私が初めてコミケに参加したときにお世話になった松屋で今度は3人で朝ご飯。あのときからもう4年が経つんだなと妙に感慨深い私でした。
 電車を乗り継いで秋葉原駅に到着。山手線と京浜東北線のどちらが先に来るかで、りんかい線に乗り換える駅を変えるつもりでしたので、先に着た山手線に乗車、同時に乗換駅は大崎に決定。早朝の電車にも拘わらず、私服姿の人がちらほら………ああ…みんな同胞だよ。

ディスプレイ準備

 国際展示場駅を降り、一般参加者が並ぶ中、キャリーカートを引いてサークル参加用の通路を悠々と通過。これ、もの凄く快感です。
 7時30分に予定されているサークル入場受付が、7時の段階で始まっていたのでそのまま入場。コミケスタッフと交わす「おはようございます。よろしくお願いします。」という挨拶がとても気持ちいいです。

 本日のディスプレイ担当は私、鈴響雪冬。『希望風』として参加するイベントでは初めて私がディスプレイを担当することになりました。もっとも、私が今の土地に引っ越してきてから修得したディスプレイは、希望風内の他のメンバーに一度も見せていないので、これもデビュー戦(ぉ 。グッズサークルに囲まれながら細々と運営する創作文芸サークルの意地を見せてやると言わんばかりに鍛えたディスプレイをスペース上に展開。
 ディスプレイも終わり、3人でのんびりまったりとしていると、場内に放送が………。
「本日予定されていた花火大会は中止になり、明日に順延となりました。」
 とたんに、西館内に響き渡る拍手。みんな…考えていることは同じなのね、と。その拍手の音に眠っていた詩唄いさんが起床。とりあえず、冬コミカタログのMRネタの一つはこれだな、と確信。
 そしていよいよ………。

イベント開催期間

 時間に超正確な準備会の放送により、コミックマーケット70二日目の開会が宣言されました。東館ではないので、婦女子の波に教われることなく、フェードインするかのように西館に人が訪れ始めます。
 地方のイベントと違うな、と実感するのは、午前中からスペースに人が来ること。私が何時も参加する地方のイベントは午前中はジャンプ系に人が群がるので、創作ブース(といっても1サークル………)に人が来るのは午後になってからなのですが、創作文芸で島を作れるコミケはやはり違うようです。どちらかというと、畑と似たような人の流れですね。
 そんな人の流れをのんびりと詩唄いさんと眺めていると、一人目の読者さん登場。取り置きを受け取りに来た方なのですが、数が多いので一番最後でもいいのにと思いつつ、初めて中の人と挨拶できた事もあり、嬉しかったです。会話の途中で、「ReSin-ensは何回か読みました」という言葉が出てきて更に嬉しくなりました。あの癖のある異様に読みづらい文章を最後まで読んでくださる方がいるのか、という驚きも含まれていますが。

 さて、一人ひとり書いていくと長さがあれなので、以下、要点を掻い摘んで。

 私は、地方のイベントと都心部のイベントにまんべんなく出ているので、それぞれのイベントの特性を掴んでいるつもりです。地方のイベントではジャンプ系が非常に強いので、創作文芸スペースに訪れる人はいわゆる「ジャンル外」の人なので、お試しという意味も含めて、低価格の本が手に取られる傾向が強くなります。
 それに比べ、都心部のイベント、言い換えて、創作文芸で島を形成できるイベントは、創作ブースに訪れる人の殆どが創作目当て出来ているので、安い本よりも高い本の方が売れるという、地方イベントとは逆の傾向が見られます。
 双方にいいところがあり、地方イベントでは創作に興味を持っていない人に創作の本を売り込むという楽しさ、都心部のイベントでは創作が好きな人に創作の本を売り込むという楽しさがあります。
 コミケは後者に当てはまるので、高額作品にも手を伸ばして貰える、という都心部イベントの特徴がもろに表れ、双方の『ReSin-ens』や『光になりたい』がかなり好評。『ReSin-ens』は私と詩唄いさんのが交互に売れ、『光になりたい』がその間を区切るようにぽつぽつと売れていきます。
 『ReSin-ens』については買いたいと申し出た方全てに、「未だ続編が完成していません」ということと「癖がある小説です」と伝えているのにも拘わらず、多くの方が手にしていく光景を見て、「ああ…創作文芸ってこういうジャンルなんだ」と、何故か再認識。そうさく畑カムバック!

 序盤の2時間をスペースで過ごし、私の休憩時間が巡ってきたので、西館という世界に飛び出します。コミケ準備期間中、あまりに忙しくてカタログはMRしか読んでいないという状況で、宝の地図を作成できるはずもなく。まずは知っているサークルを大海原で探して本を購入という流れ。あっという間に時間が過ぎて自分のスペースに戻ります。
 スペースに戻ると、詩唄いさんから「ReSin-ensと巫女のスヽメが一冊ずつ売れましたよ」という報告を聞いて驚きます。他の本とセットならまだしも、『巫女のスヽメ』だけをピンポイントで買うなんて………とここまで想像して、一つのことに気が付くのです。そう言えば、『巫女のスヽメ』はカタロムの紹介文に挿入していましたね。
 カタロムは検索が出来る仕様のはずなので、Aというジャンルを求めている人が、Aジャンル以外でAジャンルの本を取り扱っているスペースを探すときに便利と聞いてはいましたが、こういうところで役に立つのですね。

 巡り捲って二回目の休憩。本を買うサークルが何時もと同じという傾向が出てきているので、あえて知らないサークルの本を買ってみようと行動。改めて創作文芸の広さを認識。私は創作文芸の恋愛(学園)を中心に活動していますけど、恋愛小説を書いているのは雪解け水の頃からの惰性で、恋愛小説以外に自分の表現を出来るジャンルがあり、そちらの方が適切なら何時でもジャンルを替えようと思っているので、こういった多くのサークルが集まる機会は非常に大切だと認識しています。
 そんな中、幾つかのサークルを巡って、本を購入。その殆どがオフセットやオンデマンド印刷だと言うことには後から気が付き凄いと思ったと同時に、少しばかり寂しく思ってしまいました。

 3時を過ぎると回りのサークルがぽつぽつと撤退準備を始めていきます。この辺りは、地方も都会も変わらないようです。しかし、『希望風』や『雪待終夜(雪解け水)』のジンクス、「閉会前1時間が勝負」ということもあり、意地でも4時までスペースに居座ります。最後の1時間で全売り上げの半分とか、地方のイベントではざらなんですよ、本当に。
 案の定、3時を過ぎてからも最初の勢いは無くなりつつも、いくらか本が売れ、4時を迎えると同時に放送がかかり、コミックマーケット70二日目の閉会を告げます。
 会場の至る所で拍手が鳴り響き、西館1の中央で337拍子が。伝播速度の関係から多少遅れつつも、3人揃ってそれに参加。最後は拍手でそれぞれの健闘をたたえ、帰りの荷造りをして会場を後にするのです。

そして伝説へ

 ホテルに荷物を預け、私の案内で一路新宿の豚カツ屋、『さぼてん』へ。まずはお疲れ様をかねてトンカツをむさぼり、その足で『村さ来』へ。店内は混雑していたのですが、店員さんが素晴らしい席を確保してくださいました。
 あとはもう………三人で飲む飲む飲む食べる食べる食べる………。

 今後の打ち合わせをホテルでする予定だったのですが、詩唄いさんが酔っぱらって勝手に眠るので、話は自然消滅、三日目の夜に話し合いをすることになったのです。

まとめ
モラル

 即売会で、買い手のことを客と表現することがないように、即売会に訪れる人はサークル参加者と一般参加者に別れます。そう言った意味で、全ての人がイベントを盛り上げる役目を担っているといえ、それぞれのモラルがイベントの雰囲気を作っていきます。
 そう言った意味で、理由無しにイベント終了前にスペースを片づけるサークルは個人的に好きになれないのです。それよりも嫌なのは、スタジオYOUのイベントは午後3時に終わるのですが、さっさとスペースを片づけろと言わんばかりに机をもの凄い勢いで片づけていくので気分が悪くなりますが、それがないだけでもコミケは凄いなあと。二日目、という影響もあるのでしょうが。
 すくなくとも、そうさく畑では余り見られない光景なので、「おでかけライブ in 前橋」だけが異常なのだと信じています。

イベント参加に対する心づもり

 今回のイベントでは、スペースのディスプレイを私が担当したと言うこともあり、私自身がやりたいことをとにかく実現したディスプレイになりました。このページだからこそ明らかにするのですが、

などなど、とにかく新しいことづくしのイベントでした。というよりも、今回のコミケのために、全てを新しくした、という感じでしょうか。
 ReSin-ensは当初、B5サイズのインクジェット印刷で発行する予定でした。しかし、『夏コミ』という節目のイベントと言うこともあり、それらのいわゆる旧体制を全て払拭し、新しい…これからのイベント参加の基盤となるイベントにしたかったということもあり、あらゆる方向で新しいことに挑戦しました。

 当初10月に予定していたサイトの移転も、コミケ前に移転日をずらすことによって、全ての同人誌の奥付に収録するサイトURLを新しい物にする事も出来ました。
 ディスプレイだって、何時も使う布を使わず、新しい布を購入しました。前の形がそのまま残っているのは『お品書き』だけで、それ以外の物は全てコミケに向けて新しく考えた物です。
 コミケの前、7月22日の日記に書き表した、「聖戦」と「続きのような物」という文章には、こういった、「コミケを同人活動の節目と捉える」と考えが如実に表れているかと思います。

 一種の殺意。そう捉えられなくもない今回のイベントに対する私の姿勢をどれだけの人が理解できるかは解らないですし、極端なことを言えば、理解して欲しいとも思っていません。中途半端に理解されるよりだったら、無視されていた方がマシなのです。
 そう言った鬼気迫る状況で参加した今回のイベント、夏コミ。非常に有意義なイベントでしたし、次のイベントに対する新しいアイディアも浮かびつつあります。有意義ということは、反省点も多く現れたということであり、しばらくはその反省点を修正することに時間を割くことになりそうです。

初出: 2006年8月20日
更新: 2007年2月22日
著作: 鈴響雪冬
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