死。
それは別れの時である。
死。
それは人を強くする。
死。
それは歩むべき道を見えなくする。
死。
それは、三人の未来を変えた。
出会いがあるならば、別れがある。
知っていた。
分かっていた。
理解していた。
…していた、つもりだった。
全ての死の場面は、「つもり」だった心に現実を刻みつけ、同時に世界を変えた。
だから誓った。
私はもう、上辺だけの付き合いしかできないと。
俺はもう、恋なんてしちゃいけないんだと。
あたしはこれから―――。
出会い。
それはきっかけである。
出会い。
それは人を弱くする。
出会い。
それは歩むべき道を変える。
出会い。
それは、三人の運命を変えた。
生きることは出会うこと。
生きることは別れること。
だからこそ、三人は出会った。
そして、やがて別れる。
三人は知っていた。この出会いが、やがて別れに繋がると言うことを。
三人は分かっていた。この出会いが、やがて自分を傷つけると言うことを。
三人は理解していなかった。この出会いが、再び自分の世界を変えると言うことを。
一人の少年と一人の少女。
一人の少女と一人の少女。
少年と少女の前に、彼女は現れた。
彼女が笑った。
二人は混乱した。
彼女が笑った。
二人は迷った。
彼女が笑った。
二人は落ち着いた。
彼女が笑った。
二人も笑った。
気づいたときには遅かった。
気づいたときには側に居た。
例えればそれは風のような存在だった。
彼女はもう隣にいて、また、笑った。
目と目が互いを映し合い、心と心が互いにぶつかり合い、言葉と言葉が互いを傷つけていく。
表面上の拒絶を引き剥がされ、乗り越えたと思っていた過去を晒され、心深いところを抉られたとき、果たして人は強気でいられるのだろうか。それでも立っていられるのだろうか。それでも一人で生きていられるだろうか。
ある時から止まっていた月と太陽の巡りが音を立てて動き始める。
時間は過ぎ、空は巡り、季節は流れていく。
やがて訪れる「終わり」は、どのような形なのだろうか。
でもきっとそれは…予想可能な結末を迎えるだろう。何故なら人は、誰かと共にあるのだから。
どうしようもなく純真な心を持つ少年と少女の物語。
ReSin-ens 遼なる風、彩りの音。
ReSin-ensシリーズはほかの作品と毛色が違うため、イベントで「ここにあるのを全部ください」と指定した場合でも除外してお渡しするようにしています。ReSin-ensシリーズをお求めの場合は個別に指定してください。
また、「大槌町 ここは復興最前線」シリーズの作成にあたり、優先順位を後回しにしたため、4巻の発行および小説作品全体の発行が後回しになっていますが、完成させる意思は持ち続けていますので、3巻まで所有している方は今しばらくお待ち頂ければ幸いです。写真集は一段落したので、小説の勘を取り戻すために短編をいくつか発行した後、4巻の執筆に取りかかる予定です(2018年12月12日・鈴響雪冬)。