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去年の12月、およそ6年ぶりに個人サークルとして同人誌即売会に参加しましたが、「東京の」と範囲を絞り込むと12年ぶりの個人サークルでの参加となりました。最後に東京のイベントに個人サークルとして参加したのは、今は亡き武田さんが開催していた「そうさく畑
東京 18」ですので、なんと12年ぶりの出来事です。
早速脱線しますが、「そうさく畑FAINAL」への参加はいまだに判断できかねています。移動時間・移動方法・移動費用がネックになる事もあり、不参加の方向で考えていました。しかし、武田さんへ捧げる最後のそうさく畑ということ、過去の経験を活かし、大槌町や仙台市、石巻市などへへ職員を派遣して下さった神戸市のお膝元でのイベントである事とそこで新刊を頒布すること(もちろん小説も込みですが)の意味を考えると、神戸に遠征するのも悪くないと思いつつあります。
越えなければいけないハードルは高く、多く、心が折れそうというのが本音ですが、「悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段なら止めておけ」という言葉(出典は不明)もありますし、「やらずに後悔するよりやって後悔するほうがいい」というのも信条です。オンラインの申し込み締め切りである9月19日まで後二週間弱、もうしこし考えたいと思います。
同じく12年ぶりの同人誌印刷所の利用と人生初のデータ入稿ということで、いろいろありながらも予定より一日遅れた8月2日に入稿完了! ここから印刷物が手元に届くまで時間があくので、告知の準備などを本格的に始めます。今回は本の内容が内容ですので、できるだけ多くの人に知って欲しい(=頒布したい)という気持ちもあり、やる気があふれてきます。
といっても、普段から告知には力を入れている「つもり」ですので、これ以上何をどうすればいいのかさっぱりわからないままでの出発でした。ひとまず、コミケ直前という事もあり、多くのサークルが告知ページを作っているのでそこを参考にしながら、既存のCSSでできるレベルに落とし込んでいきます。本格的なサークルなら専用のデザインを作るでしょうけど、そこまで作り込む時間はありませんでした。
試行錯誤をしつつ、いつもよりもだいぶまともになった告知ページが無事に完成。イベント限りのページにこれだけ力を入れるのは初めてでしたし、新刊をこれだけプッシュする告知ページというのも初めてでしたけど、小説でもこういうスタイルを継承できそうなので、備忘録的にスクリーンショットを残しておくことにします。こういうことなら、専用のURLを用意しておけばよかったのですが、まさかここまでやるとは私自身も思っていなかったので…。
イベント前日は一関市で行われている地ビールフェスタに参加しました。実はこのとき、地ビールフェスタとは別に有志によってINGRESSのイベントが開催されていたのですが、何かと顔見知りが多いイベントになりそうだったので、新刊の事前頒布を予約制で行いました。
最終的に、一関で5人(6冊)の方に本をお渡しして事前頒布は終了。
イベント前日にINGRESSのイベントで2万歩歩き、地ビールフェスタでビールを大量に飲んだ私は、20時21分発のやまびこ58号(東京着22時56分)で東京に向かいます。
東京のイベントなので詩唄いの家に転がり込んでもよかったのですが、今回は東京入りの時間が遅いのと、火曜日まで東京にいる予定だったので新橋のビジネスホテルを取りました。(月曜の夜のみ神田のホテル。)新橋からビッグサイトはゆりかもめで一本なのと、山手線沿線にあり、東京駅から行きやすいというのは、今回凄く大きなメリットでした。一泊の料金が異様に高い(今回は二ヶ月前に取ったので安く取れた)ので、普段は使いづらいですが。
数ヶ月ぶりの東京の暑さにやられそうになりながらもビッグサイトに到着。
α6300(ILCE6300) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/125sec, F11, ISO1250, 28mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom
とりあえずいつもの構図で一枚…といいたいところですが、今回はゆりかもめを使っているので、正面ではなく右側から。
いつもはキャリーカートを引いて入場しますが、今日は大きめのトートバッグだけにもかかわらず、体力が削られているように感じるのは、東北の涼しい環境に慣れてしまったからでしょう。
それでも、コミティアは涼しいはず………そう思ってホールに入った瞬間、もわっとした空気が体を包みます。あまりの出来事に「えっ、なんで?」と思ってしまいました。Twitterのタイムラインを見ても、「湿度が高い」という意見は結構見かけました。
気を取り直して、ひとまず自分のスペースへと向かいます。両隣はまだ来ていませんでしたが、一つさらに向こうのサークルがすでに準備を始めていたので「今日はよろしくお願いします」とご挨拶。チラシを片付け、イスを出して鞄を乗せると、宅配搬入した本を受け取りに。宅配搬入は初めてでしたけど、無事に本が届いていて一安心でした。段ボールが多少つぶれていたのは、たくさんの本が載っていたからでしょうし、そもそも私の段ボールは上に隙間があったので当然のこととして受け入れます。
本とディスプレイ用品がそろえば、やることは同じで、いつもの調子でセッティング。
α6300(ILCE6300) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/30sec, F8.0, ISO1000, 30mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom
そんなこんなで、ディスプレイ完了。
と、いいたいところですが、何か物足りない。考えて見たら、自分のサークルで頒布物が一冊しかないイベントってこれが初めてですね(お手伝いやユニットでは14年前に何回かある)。どうしたものかと最初に思い浮かんだのが、以前に詩唄いがやっていた表紙を表にした山と裏表紙を表にした山を並べるという手法。表紙と裏表紙が繋がっているようなデザインのサークルではよくやっているイメージです。
しかし、今回の新刊は表紙と裏表紙は完全に別物ですし、裏表紙が重機の写真なので、重機本と誤解してしまう可能性もあり、この案は廃案に。代わりに、表紙を表にした山を二つ作ることにしました。
α6300(ILCE6300) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/30sec, F8.0, ISO1600, 30mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom
今度こそディスプレイ完了。
なんだか大手のサークルみたいですね!!
α6300(ILCE6300) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/30sec, F5.6, ISO640, 24mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom
自分のところのディスプレイが終わったのでTwitterでタイムラインを確認していると希望風も到着したようだったので挨拶に行きます。希望風の方は詩唄いとハルハルさんの二人体制のようです。ハルハルさんにはお世話になりっぱなしで助かります。どうもありがとうございます。
サークル連合としての希望風が終わって、希望風(本来は萌屋なんですけど)と雪待終夜に別れた場合、今回のような体制になるのではないかと思います。
自分のスペースに戻ったところでとある方が挨拶に。今日はよろしくお願いします。
両隣のサークルの設営も終わり、BGMが流れ始めると、いよいよCOMITIA117、開幕です。
今回の同人誌は、「作りたかった・書きたかった」というのはいつもの同人誌と同じですが、「伝えたかった」が強い同人誌だったと思います。とにかくいろんな人に見てもらいたい、知ってもらいたい、そんな思いもあって(あと印刷部数が過去最高なので在庫を出したくなかった(笑))、7月1日という極めて早いタイミング(普段なら夏コミや8月ティアの場合、8月上旬)で新刊情報を公表しました。
頒布価格は決まっていない、ページ数は変動中、原稿はもちろん途中、そんな段階ではありましたが、早めに情報を出すことで、できるだけ多くの人に本の情報を知ってもらいたかったのです。大手のサークルの告知ならまだしも、ピコ手未満の超絶弱小サークル(どうでもいい話ですが、「30部が完売しない人のスレ」の>>1の文章を考えたのは私です)の告知はなかなか広がりません。
ですが、早いタイミングから何度も繰り返すことで、どこかで何かのタイミングがかみ合うと信じていました。
結果的に、その考えは甘かったように思いますが、いつもよりも遠くまで情報が届いたという実感はあります。直接コメントを頂いたわけではありませんが、遠方で買いに行けないので通販して欲しい、貴重な情報なので国立国会図書館に納本して欲しい、そういった意見も見かけることもありました。(国立国会図書館への納本はまじめに検討中です。)
まず、新刊の情報を拡散していただき、誠にありがとうございます。おかげでいつもよりも遙かに多くの方に同人誌を手にとって頂くことができました。「知ってもらう」という目標はかなえられたと思います。
一方で、大槌のニュースを提供している方の元まで情報が伝わって、そこから広がりを見せる…といった展開にはなりませんでした。自主的な努力が足りてないのは重々承知ですし、本の内容的に自治体や工事関係者のところに問い合わせが行くのを恐れたが故に、あえてそういったルートを使わなかったというのが真相ですが、情報を集めていない事がわかってしまって寂しい気持ちになりました(集めた上であえて何もしなかったという事も考えられます)。
次に、興味を抱き、本を手にとって下さった方、かつて大槌に手を差しのばし、その後を知りたいと本を手にとって下さった方、本当にありがとうございます。その後の情報というのはなかなか伝わりませんし、知る機会も少ないかと思います。もし本書を読むことで、少しでも得るものがあったのであれば幸いです。
現場によって進捗は異なりますが、大槌町・町方地区は、まさに今がピークです。写真集は2016年3月までの範囲でしたが、3月以降、目に見張るペースで進んでいるように思います。
変わり続ける現場を、生み出される街を、復興を、これからも見守って頂ければと思います。
これまた人生初の宅配搬出を済ませて、詩唄いたちと合流。本日の宴の会場へと向かいます。
ということで、おつかれさまー!
本日のメンバーは、詩唄い、ハルハルさん、ヤスさん、黎羊さん、私の5人(50音順)。ちょっと前に(というか定期的に話題になる)、絵描きは絵描きとしか交流しないみたいな話がありましたけど、考えて見たらこの席で絵を描かない人って私だけですね(笑)。その他にも、神絵師は神絵師としか、とかありますけど、人の繋がりって偶発的な部分が多いと思うんですけど、それによって作られた輪の中に人工的に入り込もうとしても難しいのでは? と思うのです。
高崎とか前橋で活動していたときの仲のいいメンバーといえば、漫画描きが3人、字書きが2人、音楽が1人、みたいな感じで、超絶ハイブリッドでしたし、人の繋がりって、なにがどんなタイミングでおこるかわからないものです。
ただ、現時点で私が思うのは、「嫌いをアピールするより好きをアピールした方がいい」という事です。特定の作品を名指しで攻撃するより、この作品が好きと言っている方が、巡り巡っていいことがあると思うのです。たとえば私のビール好きは周知の事実だと思うのですが、これがきっかけでいろんな方からビール情報やビールそのものを頂いたりしています。
今回のイベントでも、Ingressのイベントが東京で開催されたときのレジスタンス陣営(私から見たら敵対陣営ですね)の広報キャラを好き好き言いまくっていたら、会場限定配布のグッズを頂いたり、制作者本人とお会いする機会が生まれたりなど、いい連鎖が続いているように思えます。
詩唄いと昔から話題にするのは、一つの作品(自分の作品ならなおよい)について、一緒にこたつに入って鍋でもつつきながら語りたいという理想の姿ですけど、それって結局、作品に対する好きがきっかけになっていると思うのです。
α6300(ILCE6300) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/40sec, F4.0, ISO4000, 70mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom
まじめな話が続いたので飯テロで閑話休題。
5人のうち3人がサークル参加(さらに1人は売り子)していたこともあり(全員新刊発行)、やはり原稿の話で盛り上がります。「今回ばかりはダメだと思った」「端から見ても無理だと思った」「やったことがないジャンルなので、原稿とは、という自問の日々だった」「魔王可愛い」とか、そんな話で酒が進みます。
活動ジャンルは全く違うので漫画とかアニメとか、全員が同じ物をということはなかなか無いのですが、3人なり4人が知っている話題というのはあるのでそういった話は面白いですよね。「ダンジョン飯」のあたりはみんな知っていたと思います。あと「酒」。
α6300(ILCE6300) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/30sec, F4.0, ISO1000, 78mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom
そんなこんなで3時間ほど話し込んで打ち上げは終了。それぞれ違う方向の電車に乗って帰路につくのでした。
今回ちょっと残念だったのは、いつも打ち上げ会場に使っている土風炉のメニューの質が全体的に落ちていることでした。一時期接客の質が落ちたのは持ち直したと思ったのですが、最近はそれも下降気味ですし、土風炉の醍醐味だと思っているメニューの魅力が落ちているように思います。あと、刺身の品切れが多いのが気になりました。味そのものは問題無いんですけどね。メニューが簡素化された気がします。
重ね重ねの言葉になりますが、まずは、本日は当サークルのスペースにお越し頂き、ありがとうございました。また、普段とは違うジャンルでボッチになるのが怖かったのですが、旧知の方はもちろん、初めましての方にも多くお越し頂きましたので、寂しくて泣くことがなくて助かりました。
そして思ったよりも多くの方に本を配ることができて本当に良かったと思います。在庫は何冊かありますが、今後も色々なイベントで配布して行ければと思います。