2022年2月の日記

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2022年2月5日(土曜日)

KANBI LIVRE(カンビリーブル・関西美術印刷)のハードカバーブックセットについて

 新刊はKANBI LIVRE(関西美術印刷のメニューの中でも、もっと簡単に本を作れる事に主眼を置いたブランド?)のハードカバーブックセットを使って作りましたが、おすすめポイントや気になったところをまとめておこうと思います。1冊あたりの値段が高いので、こういう情報を残しておくと後に続く人が楽だと思うので。
 元々は1月26日にTwitterに投稿した内容ですが、あちらは文字制限があるので、こちらではもう少し細かく取り上げようと思います。

作った本の仕様

 端的に言えば、箔押しオプション以外全て有効です。細かい話は作品紹介ページをご覧ください
 箔押しはカンビが提供するものであれば格安でできますが、オリジナルになると金型を作る必要があるので急に高くなりますのでご注意ください。

メリット

ハードカバーという物質的な存在感

 ハードカバーというのは本を作る上では憧れの存在だと思います。私の場合、小説ジャンルですから特にそう思っているところもあるでしょう。とにかくそんなハードカバーが手元にある、本棚にあるというだけでテンションが上がります。あと本として重いので、存在感もあります。Aタイプは一番小さいサイズ(四六判の小説程度)ですが、40ページで300gを越えます。これは「大槌町ここは復興最前線」2018と同じぐらいの重さです。

少部数でもデジタルオフセット

 デジタルオフセットは何だという話ですが、粉状のトナーを使うオンデマンド印刷、液体のインクを使うオフセットの中間で、液体のトナーを使うオフセット印刷になります。オンデマンドとオフセットのいいとこ取りをした印刷になります。
 以前も日記に書きましたが、ハードカバー印刷だけなら他社でもできるのですが、当時調べた印刷所、「印刷のウェーブ」の場合、少部数はオンデマンドになり色合いが心配ですし、「ビスタプリント」の場合、完全データーでの入稿ではなく、ブラウザで専用エディッタを使ってデーターを作る必要があるので、凝った編集ができません。
 その点関西美術印刷はEPSデータによる完全入稿に対応しつつ、オンデマンドではなくデジタルオフセットなので発色も安心できます。

RGB対応

 CMYKでの入稿にも当然対応していますが、RGBで入稿した場合、カレイドインキ(広色域印刷、通常はオプション扱いだがハードカバーブックセットはデフォルト)による広色域印刷になりますので、青色がとても綺麗になります。ブックカバーは通常のCMYK印刷でしたが、色の違いにびっくりしました。

合紙綴じなので全ページ真っ平らに開ける

 これもハードカバーだけなら他社でも刷れるに繋がるのですが、ハードカバーかつ合紙綴じ(フルフラット)はほとんどないんですよね。とにかく見開きで作品を見ることに特化していると思います。

デメリット

ページ数が多くなると負荷がかかるのか合紙綴じの一部が剥がれがち

 これは作品紹介ページにも記載していますが、厚みがあると貼り合わせた部分に力がかかるのか、貼り合わせした部分が少し剥がれてきます。最初に16ページで刷ったときは発生しなかったのですが、40ページになると背表紙の幅との兼ね合いでこういうことになるようです。
 普通の合紙綴じではない普通のハードカバー印刷(上製本)なら寒冷紗なり背表紙との接着によって補強されてる部分ですが、合紙綴じ+ハードカバーだとノドの部分が浮いてしまうのでそこが弱点になってしまうようです。もちろん、合紙綴じとして貼り合わせている部分、すなわちページの裏側なので読む分には支障はないのですが、少し気になってしまいますね。

相対的に安いとは言え、同人誌としてみれば単価は高い

 印刷費用ですが、一冊3200円から、です。流石に数百冊レベルになると多少単価は下がるでしょうが、私が100冊の値段を試して見たときは30万を超えていましたので、それだけ印刷しても1冊3000円は越えてきます。となると、頒布すると言うよりは、仲間内で記念誌的な作り方がメインになると思います。
 ポイント還元や半額など、いろいろフェアをやっていますので、それらを活用すればもう少し手頃な値段になってくると思います。私も50%ポイント還元時に注文したので、もらったポイントで増刷しようと考えています。ちょっと心苦しいですが(笑)。

 ただ、ここは声を大にして言いたいのですが、値段だけ見たら確かに高いのですが、ハードカバーというあっと言う的存在感によって、手に取った瞬間値段については完全に吹っ飛んでしまいます。頬ずりしたくなります。はいそこ、気持ち悪いとか言わない。

総論

 とにかく本としての満足感が段違いです。40ページなら厚さ14mmです。一番薄い16ページでも8mmもあります。背表紙をつけられるだけで満足度すごいですよ。
 個人的に要望をするなら、合紙綴じが剥がれてこないように対策して欲しいのと、これ専用のカバーのプランが欲しいところです。関西美術印刷にもカバーを作るプランがあるのですが、ハードカバーブックセットのサイズに対応したプランが存在しないので、今回は他社(グラフィック)にお願いしたのですが、やはり発色が異なってちょっと満足度が低いので、おなじ会社で作れればなあと思います。

コミティアWebカタログ

 少なくとも私は初めて今回触るのですが、最初の頃のテスト版よりだいぶ使い勝手が改善されていると思います。ジャンル毎、配置毎の表示もサクサクで、隣のサークルもワンクリックで表示できるのがいいですね。
 早速サークルカットをカラーの新刊情報入りに差し替えました。あとは画面上にあるメニューがスクロールしても動かないフロートメニューだと満足ですね。

2022年2月6日(日曜日)

COMITIA139

 相変わらずCOVID-19(新型コロナウイルス)が猛威を振るっていますが、今のところ主催から中止の予定はでていませんし、「蔓延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」が発令されたとしても、会場の来場者制限の上限が低くなるだけですので、このまま開催されると思います。
 個人的に参加するかどうかというところですが、職場としても特に禁止はされていませんし、イベントの特性上、会話をすると言うこともほとんどないですから、今のところ参加の方向です。

新刊の在庫について

 もとよりそんなに頒布規模が大きくないサークルですので、心配しすぎという自覚はあるのですが、BOOTHでの「入荷お知らせメールを受け取る」を設定している方が6人になりました。かねてよりお知らせしているとおり、BOOTHの初回在庫は10冊ですので、すでに過半数の枠が埋まっていることになります。BOOTHで購入予定の方はどうぞメールの設定をして忘れずにご注文をお願いします。
 今回はCOMITIA開催前から受付する関係上、上限が設定されていますが、COMITIAに持ち込んだ分が余った場合、BOOTHにそのまま移動しますので、最終的な受付冊数は10冊以上になるとは思います。

 仮にCOMITIAとBOOTHで確保している部数がなくなった場合、BOOTHでの次の頒布は6月の文フリ岩手が終わってからになります。2月から6月の間で頒布する予定はオンラインの同人誌即売会を含めても現在考えていません。岩手の本ですから岩手で頒布したいですし。
 ちなみに、頒布状況を見て10冊追加印刷する予定ですが、それも含めて6月の文フリ岩手以降の頒布となります。
 最初は追加印刷はやめてしまおうかと思ったのですが(やめたところでポイントが無駄になるだけなので刷るとは思いますが)、BOOTHでの登録数がじわじわ伸びてますので思いとどまりました。

 注文受付開始は2月11日、発送は19日または21日開始です。あと一週間弱ですがもう少々お待ちください。

新刊のおまけデーター配布

 おまけとして配布するデーターのJPEG書き出しが終わり、サイト内にもセット完了しました。もちろんリンクを辿っていける場所には置いていませんし、ディレクトリーを表示させようとしてもエラーを返す設定にしていますし、そもそも配布ページにはパスワードを設定していますので、購入者以外にはたどり着けない作りになっています。
 BOOTHで購入された方にはBOOTHのおまけデーターダウンロードのページーからダウンロードできる設定にしていますので、そちらをご利用ください。

 おまけと言えばBOOTHでBOOSTしてくださった場合、印刷した写真も1枚入れようかなと考えています。EPSONの最上級紙、クリスピアも買いましたのでお楽しみに。

大槌町立図書館

 新刊を大槌町立図書館に寄贈して借りられるようになったと以前日記で報告しましたが、その翌日貸し出し不可になりました。検索結果を見ると、2冊登録されていたのが、1冊になり、その1冊は閉架書庫の方にあるようです。残りの1冊がどこに行ったかということになるのですが、あくまで推測ですが、吉里吉里分館に移動したか、発売日が2月20日なのでそれを待っているかのどちらかだと思っています。
 少なくとも受領証は2冊とも受領したことになってますので、一時的なものだろうと思います。詳細は図書館におたずねください。

2022年2月11日(金曜日・建国記念日)

新刊の通販(予約)を開始しました

 8~10日にかけて泊まりがけの出張だったので、0時スタートは難しいかなと思っていたのですが、思った以上に元気だったので、無事に11日0時から受付を始めました。この日記を書いている現在、すでに通販用在庫が半分になっています。本当にありがとうございます。
 メールを受信するの設定をしている方の人数からみて、このあたりで一旦収まるかなと思っているのですが、BOOTHからのメールが届く度に感謝を捧げています。
 早いところでは20日に届くように、できるだけ19日の午前中に発送するつもりですので、到着まで今しばらくお待ちください。

 また、6日の日記でもふれましたが、今回、BOOSTをしてくださった方にはEPSONの最上質紙、クリスピアに写真を印刷して同封しますので、そちらもお楽しみください。
 2Lサイズです。無印のフォトフレームとかでも綺麗に飾れるとおもいます。

2022年2月13日(日曜日)

製本開始…のまえに製本道具作り

 COMITIA139での頒布と、在庫を増やすために増刷した本を製本しました。元々は12日に片付ける予定だったのですが、いろいろやっている間に夕方になってしまったので今日になってしまいました。
 そして、ただでさえ一日押しているのに、前々から作ろうと思っていた製本道具を作り始めてしまうあたり、私だなあと思います(苦笑)。

 製本をするに当たって一番大事なのが、小口を綺麗に揃え、揃えた状態を維持したままホッチキスで綴じる、という行程なのですが、これがものすごく大変で。綺麗にする事自体もそうですが、そのままホッチキスで綴じるというのが紙の束を動かす必要があるのでどうしても手間がかかってしまうのです。
 とはいえ、小口が揃っているかどうかは本のめくりやすさに直結するので、時間をかけてでも丁寧にする必要があり、仕方がないと割り切っていました。そして、それを改善するためにいろいろ思案していました。
 思案の結果、「こういうものを作ろう」というものは脳内にできあがっていたのですが、アクリル加工会社に発注する必要があるのと、そのほかにも欲しいものがあって、それらをまとめると軽く1万を超えてしまうので躊躇していました。

 そういった状況がいろいろ絡み合って、製本当日に思いつきで道具を自分で作るというわけのわからない行動に出てしまいました。

 ということでこれが完成品。万力でアクリル板を固定して糸鋸でゴリゴリ切り出しました。凸を二つ並べたような形ですが、この形が大事です。

 加工したアクリル板2倍で本文用紙を上下から挟むようにしてあげます。このアクリル板はA5より僅かに小さく作ってあるので、普通に紙を揃えるようにトントンとしてあげると、綺麗に揃います。その状態でアクリル坂毎クリップで挟んであげると、紙を揃えた状態で完全に固定することができます(写真参照)。

 紙を固定したらそのままホッチキスで綴じます。凸を二つ並べたような形、すなわち隙間を作ったのは、このホッチキス綴じを紙を固定したまま行うためでした。
 今まではブックエンドなどで紙を揃えて、クリップで紙の端を固定し、ホッチキスで綴じていました。ブックエンドは紙よりも小さいので、クリップで紙の橋を固定しても、その前段階の紙を揃えるところでゆがみがでてしまい、綺麗に固定することができませんでした。その上、端だけ固定した状態でホッチキスの前まで持って行くと、紙が垂れ下がってしまい、やはりゆがみの原因となっていたのです。
 今回、アクリル板で紙全体を包むように固定し、そのままホッチキスのところまで持って行けるようになったので、紙を揃える、固定する、ホッチキスで綴じるという三段階を踏む行程が大幅に簡略化され、なおかつ精度も上がりました。

 おかげさまで小口も天も地も綺麗に揃った状態でホッチキスで綴じることができました。もうこの道具無しでは製本は考えられませんね…。

2022年2月17日(木曜日)

作者特権

天の川、流星(ペルセウス座流星群)、風力発電の風車が写った写真

 いつもの風車と天の川と流星という要素多過ぎな写真を2Lサイズに印刷して無印良品のアクリルフォトスタンド(A5サイズ)に入れてみました。作者特権ですね。

2022年2月19日(土曜日)

新刊の発送が終わりました

 一日前倒しになりましたが、昨日、18日付で、それまで注文を頂いていた分の発送が完了しました。早いところでは今日から届き始めると思いますのでよろしくお願いします。

 また、6日の日記で、大槌町立図書館に納本した分が閉架扱いになっているとふれましたが、昨日のFacebookの記事で新刊図書の中の一つとして紹介されていましたので、発売日まで待って頂いたようです。すでに貸し出し可能になっていますので、どうぞご利用ください。

 さて、明日のCOMITIA139について。
 ちらほら欠席報告を見かけますが、雪待終夜は予定通り参加しますので、是非スペースに遊びに来てください。
 今のところ早退は考えていませんが、いつもは14時頃に設ける離席時間を13時頃に前倒しする可能性があります。他のサークルが早退する可能性はありますからね。

 それでは、感染対策を徹底してイベントを楽しみましょう。当日はスペースでお待ちしています。

ポスター販売開始

 個人的に欲しかったというのもあるのですが、写真を3枚ほどポスターとして購入できるようにBOOTHに登録しました
 別に小遣い稼ぎがしたいということではなく、今回、大槌町の星空写真集を作る上で、地元の人が部屋に飾ったりお店に飾ったりする写真があるといいかなあという思いに端を発しています。
 今回の写真集に収録した写真に限らず、他の写真集やサイト、Twitterに投稿した写真で、ポスターサイズで欲しいものがあればリクエストしてください。内容によってはBOOTHに登録する可能性があります。

 購入できるようにする前にまずは試してみようと1枚B2サイズで注文してみましたが、結構綺麗でしたよ。

2022年2月21日(月曜日)

COMITIA139を終えて

 イベントレポートのこぼれ話的な話をこっちで。むしろ一度向こうに書いたのですが、内容を鑑みてこっちに移しました。

 ここ数回、近隣に配置されたサークルに恵まれないことが多いのですが、今回もそのようなことが起こったのでちょっとした愚痴として書いておこうと思います。

  • サークルスペースからのアピールは声掛けではなく、ポスター等、なるべくディスプレイでの工夫をご検討ください。
  • 本の代金やおつりの受け渡しの際、コイントレイを使用するなどして、なるべく接触機会を減らしてください。

 これはサークル参加者向けに実行委員会から送付されてくる参加案内書に記載された一文です。少なくとも11月に開催されたCOMITIA138には記載されていますし、URL直打ちで確認した137の参加案内書にも記載されているので、確認できた範囲でこの注意書きは3回目となります。

 前回、COMITIA138にサークル参加するに当たってこの注意書きに気づいた私は、「スペースから無料配布のペーパーを渡そうとするサークルをちらほら見かけるけど、このご時世それもちょっと…という感じはしますよね。このやり方、文芸界隈で良く見る気がします。」とTwitterでつぶやいています
 文芸界隈で~と書いていますが、私の参加ジャンルが小説なので多分に偏っているのは自覚した上で、それでもなお、ぱっと見で中身がわからない小説ジャンルは無料配布のペーパーは小冊子でアピールすることが多いと感じますが、このご時世そういったやり方は変えて行かざるを得ないでしょう。ましてや声をかけつつ無料配布のペーパーを渡そうとする行為はサークル参加者として慎むべき行動であると思います。

 ………という風に書くと言うことは、近所にそういったサークルがあったと言うことなのですが、今回隣のサークルがもろにそれでした…。Oh…。開場してから延々と道行く人に声をかけながらペーパーを渡そうとしています。
 コロナに患わないように注意しないと、みたいなことをツイートしておきながら、自分がそれを広げる立場になる可能性を考慮できてないのを見て頭を抱えています。
 スペース内でマスクを外してお昼ご飯を食べているタイミングが静かで一番平和だったように思います(苦笑)。
 幸いだったのは、隣のサークルが離席したタイミングでこっちも昼ご飯と食べることができたこと。申し訳ないですが、サークルアンケートに記入させてもらいました。別に何かのペナルティを期待しているのではなく、実行委員会からの注意喚起がもう少し大きくなればいいなと思います。まあ、そもそもサークル参加者が参加者向けの案内をちゃんと読み込んでないのが一番悪いんですけどね。
 ちなみにそのお隣さんは15時前から片付けを始めて、15時を過ぎた頃には「お先に失礼します」と出て行ったのですが、イスはテーブルの上に畳んでおいていく、テーブルのシールは剥がさないと、そもそも注意書き一ミリも読んでないなという感じです(イスは畳んで床の上、テーブルのシールは剥がすと明記されている)。それを見た瞬間に「ああ…」と全てを理解して悟りの境地に到達しました。

プロモーションビデオ

 新刊のプロモーションビデオが好き過ぎて4K画質バージョンを作ってしまいました。タイムラプスからテキストまで全コマ4K素材で作り直しです。自分のためなら全力で。

 とはいえせっかく作ったので、購入者特典のファイルに追加しました。BOOTHとサイト、どちらでもダウンロードできるようになってますので、欲しい方はどうぞ。560MBあります(笑)

初出: 2022年02月05日
更新: 2022年02月20日
著作: 鈴響雪冬
Copyright © 2022 SUZUHIBIKI Yuki

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