丘の上の物語 -白川蓮ストーリー-

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白河蓮ストーリー 第四章

5月3日 月曜日 (憲法記念日)

ふぁ~あっと。
目覚し時計を止めてからきっかり5分後、オレは背伸びをしてベットから降りた。
さぁ~て、今日も1日、はりきって頑張りましょうかね。
いつもの用に朝の準備を整え家をでる。
「いってきま~す」
だれもいない家に言うと、オレ達は玄関を出て、鍵を締めた。
「いい天気だね」
横に並んでいる蓮が言った。
朝の陽射しに笑顔が眩しい。
「…そうだな」
夕べ小雨が降ったせいだろうか、坂道の緑がいつもより鮮やかに見える。
空気が澄んでいて気持ちがいい。
また一段と春が近づいた気がする。
毎日のように時間と季節は流れていく。
その流れに身を委ね、いつもの日常を送っている。
いつ頃だろうか、この日常が好きになったのは…。
「ねえ、修」
坂の中腹あたりで、不意に蓮が聞いてきた。
「いっつもパンだけじゃ、あきない?」
「まあな」
オレはうなずいた。
最近のオレの昼飯は、もっぱらパン食だ。
学食のメニューはほとんど食い尽くしてしまったので、蓮と一緒に購買でパンを買ってくっている。
サンドイッチとカレーパン、パックのカフェオレとしめて340円が最近の定番だ。
飽きないように、カレーパンをサラダパンや焼きそばパンに変えたり、工夫している。
うちらの学校は結構購買でのパンの種類が充実してはいるが、やっぱり毎日だと飽きてくる。
「それがどうしたんだ?」
「毎日パンだと、飽きてこない?」
「まーな、けど、学食のほうが飽きちまうしな」
「今日ね、お弁当作ってみたんだ」
「え?おまえが?」
「うん」
蓮は、コクンとうなずいた。
「…なんでまた急に?」
「それはね、今度お花見にいくでしょ。それでお弁当のメニューを研究しててね、それで食べてもらって、感想を聞かせてもらをうとおもって」
「練習相手ってわけか、…いやだな」
「いちおう、修の好きなものばかり選んだつもりなんだけど」
「選んでもねぇ…」
「お昼になったら、みんなでいっしょに食べようね」
オレは観念して、
「まぁ、いいか」
としぶしぶ言った。
蓮はうれしそうに笑った。
う~む、果たしてこれでよかったのだろうか。
午後が心配になってきた。
前回のサンドイッチの例もあるし…。
まぁいい。

11時50分
育ち盛りの高校男子にとって、この昼飯前の4時間目は苦に近いもんだ。
早く昼にならないかと考えながら授業を受ける。
体育じゃないのがせめてもの救いだ。
だが、蓮の料理だと話が違ってくる。
あ~っ、はらへった~。
でも、怖い~。
―――キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン―――
4時間目がおわり、やっと昼休み。
いつもならチャイムと同時にダッシュしてパンを買いに行くのだが、今日は違う。
オレは机にうつぶせになって、蓮が来るのを待った。
「修」
蓮がスポーツバックをもってこっちにきた。
「…ついにきたか」
「それじゃ、みんな誘って屋上にいこう」
「ああ」
オレは、蓮や薫、晶といっしょに屋上にやってきた。
この学校の屋上は学食になっていて、屋根がついている。
まぁ、校内にも学食の食べるスペースはあるのだが、暖かくなってくると皆は外で食べる。
それに、しっかりとしたフェンスもある。
丘の上に建てられている学校だからここからの眺めはかなりいい。
この時期は大通りのサクラ並木もだいぶ色づき始める。
見渡せば、金網の向こうには、俺たちの町が広がっている。
間違いなく、この高校の名所だろう。
ん?あそこにいるのは…。
屋上の片隅に男が立っていた。
そこだけ空気が違う気がした…。
誰だろう?
そこまで考えていると蓮がオレに話しかけてきた。
「いい天気だねー」
「そうだな」
オレはさっきまでの考えを中断するとフェンスの手前にある椅子に腰をおろした。
「今日は空気がすんでるね、遠くのほうまでよく見えるよ」
スポーツバックのファスナーを開けながら蓮が言った。
中から二つの弁当と、お茶の入ったボトルを取り出した。
「はい、修のぶん」
「…おう」
そのひとつの弁当をおそるおそる受け取った。
「へぇ~、修司、今日弁当なんだ」
晶が自分の弁当のふたを開けながら言ってきた。
「あ~本当だ。しーくん、よかったねぇ」
薫がニコニコしながら言った。
みんな蓮の料理の腕前を知らないから、そんな、のん気なこと言ってられるんだ。
オレは勇気を奮って、弁当のふたを開けた。
「…え」
なるほど、たしかにオレを好きな食べ物が取り揃えてあるが…。
「なんで、卵料理だけなんだ…」
オレの言葉を聞いた、晶や蓮が弁当の中身を見てきた。
「あ、本当だ。おいしそうだな、卵焼き」
晶が卵焼きを見ながら言う。
「ねぇ、ねぇ、しーくん。そのオムレツちょ~だい」
薫が袖をひっぱっていった。
「駄目」
「けち」
薫が口を尖らせていった。
「だって修、卵好きじゃん」
さっきの疑問に蓮が答えるように言った。
「まぁ、好きには好きなんだが、限度ってものが…」
弁当の中にはオムレツや厚焼き卵など、この世にある卵料理は全部入っているかのように盛り付けられている。
「食べて…くれないの?」
蓮が上目づかいで見てくる。
う…そんな目で見つめられてたら…
「…わかった。たべるよ」
けっっっっして、あの目に負けてんじゃないぞ。
食欲に勝てなかっただけだ、うん、そうだ、そうに決まってる。
「いっただきまーす」
―――ぱくっ…もぐもぐ―――
―――ぱくっ…もぐもぐ―――
ん?なんだ、結構うまく出来てるじゃん。
「どう、修?」
蓮がおずおずと聞いてくる。
オレはグッ!!っと右手の親指を立てた。
蓮はホッと胸を撫で下ろした。
「よかったね、れーちゃん」
薫が相変わらずのニコニコ顔で言った。
「うんっ♪」
蓮が微笑んで答えた。
そんな光景を晶はニコニコと笑いながら見ていた。

夜。
食事も終わってテレビを見ている蓮にオレは―――
「なぁ、頼むから花見のときはまともな弁当を作ってくれ」
蓮がこちらをふりむいて、
「まともなのって?」
「おまえが昼間食ってたやつ」
「あっ、あんなんでいいんだね」
蓮が手を叩いていった。
卵料理は確かに好きだが…1日で世界中の卵料理を食べつくそうとは思わない。
…心配だなぁ。

 

5月4日  火曜日(国民の祝日)

むう、トイレ…。
オレは、うとうとしながらベッドを抜け出した。
途中居間にいる蓮が、
「めずらし~、修が早起きするなんて」
と心底珍しそうに言った。
「…トイレだ」
オレは反撃したいのも山々だったが眠かったから、うつろな頭を横に振りながら言った。
オレがトイレから帰ってくると居間で蓮が何かを読んでいた。
「何読んでんだ?」
オレは近づきながら言った。
「えっとね、花見の場所どこがいいかなぁって」
そう言って蓮が見せたのが、
「これって、中学校の…」
…地図だった。
蓮が胸をはって、
「うん、社会科地図~初訂版~。結構載ってるんだよ」
…何がですか。
オレの記憶が正しければ、各地の平均気温とか、世界地図単位でしか載っていなかった気がする。
むしろこんな地元の詳細な地図なんて載っているはずが無い。
「ぼく的には、ここらへんかな」
そう言って蓮が地図を指で指し示した。
オレはそこを見る。
…うわぁ、テキトー………。
「どう?いいでしょ」
蓮が期待に満ちた目で見ていた。
オレがOKだしたら、今すぐに行きそうだ。
1日でいけるのか…ここ…。
「なぁ、蓮」
「なに?修」
オレは蓮の肩に手をおいて、
「こんなのはあてにならないんだ」
言いきった。
中学校の頃に渡された地図なんてたたが知れてる。
まだ、そこらへんの出版社が出してるガイドブックの方がはるかにましだ。
「え~、そうなの?」
「あぁ、それにな、案外近所にもあるもんなんだ。こういう所は」
「そーなんだ」
「あぁ、そうなんだ」
と、オレはうなずきながら言った。
蓮はしばらくうつむい何かを考えていた。
「…そうなんだ」
解決したみたいだ…。
さて、もう一眠りするかな。
オレが階段を上ろうと思ったとき、蓮が、
「そーだ!」
と大きな声で言った。
「ねえ、修。いまから探しに行こうよ」
…えっ?
「マジですか!?」

ということで、オレ達は花見の場所を探しに行くことになったのだが―――
「なんで走ってるんだー!!」
ちなみに、全速力だったりする…。
めちゃくちゃ元気そうな蓮が振り向いて、
「いいじゃん、いい運動になるし、それに花見の場所探すためじゃん」
とさわやかな笑顔で言いきる。
「だからって…」
もう、隣町まで来てるって…いえないよな~。
それからしばらく走った。
オレは息を切らしながら、
「なぁ、蓮…あそこの公園で休まないか?」
と前をいまだに走っている蓮にいった。
「そうだね、修も限界みたいだし。休もっか」
ふぅ~、やっっっっと休める…。
何時間走っていたんだ?
オレ達は公園に入っていった。
オレは飾り気の無い普通のベンチに座った。
「それにしても、このベンチなんで桜色になってるんだ」
「さぁ、なんでだろ」
蓮が周りを見ながら言った。
オレが丁度座ったベンチは回りの桜に合わせられていているのかは知らないが、ピンクになっている。
「それにしても、古いね。この公園」
「そうだな。…こうゆう場所に花見の穴場があるんじゃないか?」
そう言うとオレはベンチから立ち上がって、公園の奥のほうへ歩いていった。
「あっ、まってよ」
蓮は駆け足で、ついて来る。
しばらく歩いていると、池があり周りに一面の桜の木があった。
「うわぁ~、きれいだね」
蓮が両手を広げながらいった。
オレは頷いて、
「そうだな、誰もいないし。いい穴場だな、うん。ここにしよう」
と言った。
「そうだね、みんな気に入るよ。絶対!」
蓮も賛同する。
「…もう少し、休むか」
「うん」
桜の方を見ていた蓮がオレの方を振りかえって頷く。
そういう訳で、オレ達は夕日が沈むまでここにいた。

その帰り…。
「れ~ん、は~や~す~ぎ~」
「…暗いの嫌い…」
前を走っている蓮に叫ぶ。
そういいながら蓮に着いて行けるんだから、オレすごすぎ…。
朝の登校で鍛えられているから…かな。

結局、家に着いたのは12時ごろだった。
家に帰ってすぐ、オレはベッドにもぐりこむ。
さっき公園で休んだの意味無いし…。
明日筋肉痛になりそうだ。
ねばぁ~ぎぶあっぷ………ぐぅ~………。

 

5月5日  水曜日 (子供の日)

ふぁぁぁ~…
か、体が痛い…
全身筋肉痛の気分だ…いや本当にそうかもしれない。
しかも、体がいたくて、あんまり寝れなかったし。
…起きよ。
これ以上ベッドに入っていても眠れないし…。
オレは筋肉痛の体を引きずりながら居間にやってきた。
「あっ、おはよー。修」
う~む…さすが…だ。
昨日の疲れを感じさせない。
そこには、『筋肉痛なんて言葉知らないよ~』の蓮がチラシを見ていた。
「なんでチラシ見てんだ?」
オレは近づくと蓮に質問した。
蓮がチラシから目を離さずに、
「明日やる花見のお弁当の材料見てるの」
「ほぉ、そんでどこが安いんだ」
「全部」
「…はぁ!?」
思わず聞き返してしまった。
オレがあきれた顔をしていると蓮が、
「詳しく言うと、バラバラなんだよね。お肉は三浦精肉店で、野菜と果物は菊地八百屋…」
と店の名前を言い出す。
「ス―パーマーケットでまとめて買えよ」
言った瞬間、間髪いれずに、
「だめだよ。スーパーよりこっちのほうが安いし、おまけしてくれるもん」
といかにも、買い物なれしている、という感じのコメントをしてくれる。
「でも、この2つの店…離れすぎてるぞ。商店街の端っこ同士じゃないか」
蓮がため息交じりで、
「だから困ってるんだよ」
心底困った声である。
「そーですか」
オレは、いやぁ~な予感がした。
「はぁ~、だれか荷物持ってくれる人いないかな」
ほらきた。
予想道理だ。
「…しょうがないな、荷物持ちするよ」
「えっ、本当!?やったー!」
蓮が嬉しそうに飛び跳ねている。
…いやほんとに飛んでるかもしんない。
本当は二手に分かれて買うのが1番いいんだろうけど、オレには材料とかわからないし…。
………それにしてもオレって蓮にはあまいよな~。

そんなこんなでオレ達は朝飯を食べて、商店街に向かった。
オレ達が住んでいるこの鈴音町には大きな商店街がある。
前に、晶達とゲーセンで遊んだのもここの中にある。
活気もあり、地元での買い物には最適だ。
有名な店としては、「甘党」というお菓子屋もある。
いつもケーキとかはここで買っている。
まぁ、地元の人にとっては無くてはならない商店街ということだ。
確か名前は…「星屑商店街」と言ったはずだ。
七夕になると名前にあるようにこの商店街では祭りを行う。
オレ達はまず駅のほうにある三浦精肉店に行くことにした。
ここは結構人気があって、すぐ売り切れになってしまう。
特に牛肉がおいしいんで、開店前から並ぶ人までいる。
そこまでして買うのだからやっぱり美味しいのだろう。

20分かけて、オレ達は「三浦精肉店」に着いた。
蓮が、
「それじゃ、行ってくるから待ってて」
と言って店の中に入っていく。
オレは蓮に言われたとおりに店の前で待っていた。
オレが行っても混雑する店内では足手まといだ。
はたから見れば変な人に見えるかも知れないが、別にオレは気にしてない。
店の中を少し覗いてみると、蓮と店長の通称「三浦のあんちゃん」とが楽しそうに笑っていた。
「さすが…常連…だな」
蓮はここの店で肉を買う。
お母さんもここで買うので家族総出の常連さんだ。
しばらくして、蓮が店から袋を持って出てきた。
「はい、修」
と言って蓮が袋を渡してきた。
「おう」
オレはそう言うと袋を持った。
予想より重い。
ついでに、いつも通りの買い物も済ませたみたいだ。

オレ達は次に河の方にある「菊地八百屋」に向かった。
その途中で、
「三浦の店でなんかおまけしてくれたか?」
とオレが聞くと蓮は、
「うん、牛肉少し多めに入れてくれたんだ」
「なるほど」
行きつけの店があるのはいいことだ。
家計も浮くし…ってオレも珍しいことを考えているな。
そんなことを思っていると蓮が空を見ながら、
「それはそうと、なんか雲行きが怪しくなってきたね」
といった。
オレも同じように空を見ながら。
「あぁ、雨でも降るかな」
と相槌を打つ。
「それは勘弁してほしいね」
「そうだな」
そんなことを言いながら30分ほど歩くと、目的の場所が見えてきた。
「よう、蓮ちゃん!」
「あ、おじさん、おはようございます」
そう言ってきたのは、菊池八百屋のおじさんだ。
「さっそくチラシを見てきたな」
「はい♪ さっそくですけど、これとそれと………そうだ、なにかお奨めありますか?」
「そうだなぁ、今はこれがお奨めだな。今朝のセリで珍しく手に入った代物だ」
「あっ、それじゃあそれもください」
と蓮は手際よく欲しい物を頼んでいく。
「はい、1740円だ」
レジを打つまでも無くあっという間に計算を終わらせる。
さすが熟練…。
そういえば…
「う~ん、これだけ買ったのに安いな」
オレの予想していた値段より遥かに安かった。
「おや?」
オレの声に気が付いたのか、おじさんがこっちを見た。
「なんだい、兄ちゃんも一緒か」
「ええ。おはようございます」
「おはよう」
おじさんは俺たちをしばらく見て、
「それにしてもお前たちって、端から見ると恋人同士に見えるねぇ」
と豪快に笑いながら言う。
オレと蓮は真っ赤になって、
「「お、おじさん!!」」
と声を同時にしていった。
「なぁに、ちょっとしたジョークだ。気にすんな」
おじさんはさらに笑った。
「…ジョーク………、か」
蓮が小さい声で言ったが、気にしないで置こう。
オレ達はお金を渡して、そそくさと店を後にした。
商店街を抜けたとたん、雨が降ってきた。
「うわっ、降ってきやがった」
「天気予報だと晴れるっていってたのになぁ」
う~ん、ここから家まで結構あるぞ…傘、買う必要あるか…。
オレはどうするか悩んでいると蓮が、
「…力、使わなきゃいけないかな」
「いや、傘替えって」
とさっき考えていたことを言う。
「そんなお金持ってきてないよ、それに誰もいないし」
蓮は首を横に振っていう。
「…そっか」
たしかにその通りだ。
オレがそう言うと蓮がいきなり腕を組んで肩を寄せてきた。
オレは動揺しながら、
「な、なにすんだよ。蓮」
蓮はうつむきながら、
「こうしないと力届かないし…」
「そうなのか?」
「うん、それに………ううん…なんでもない」
そう言うと蓮が歩き始めたので、慌ててオレも一緒に歩き始める。
雨の中を歩いてるのに全然ぬれてない。
周りを何かで包まれているかのように暖かい気がした。
商店街を出てから家までオレ達は一言も口を聞かなかった。
もっとも蓮は力に集中して、しゃべれる状態じゃなかったし、オレは動揺してしゃべれる状態じゃなかった。
…なんで妹に動揺してるんだろ、ただの兄妹だろ。ただの…。

夜。
まだ雨が降っていた。
蓮は明日の下準備が出来たのか、キッチンか出てきた。
「明日も…振るのかな?」
「どうだろ、一応天気予報は晴れるっていってたぞ」
「う~ん………テルテル坊主、作ろうかな」
「それより休め。今日はいろいろあって疲れただろ」
「…そうだね、明日も早いしね。そういえばみんなに連絡した?」
「あぁ。晶と薫、オッケーだってさ」
おなじみのメンバーだな…。
「よかった、それじゃおやすみ」
「あぁ…」
そう言うとオレも部屋に行く。
今日は、ちょっと驚くことがいっぱいあったな…。
それから5分後、オレは寝ていた。
筋肉痛…大丈夫か?

初出: 2002年4月7日
更新: 2005年8月20日
企画: 二重影
原作: 二重影
著作: 二重影
制作: 鈴響 雪冬
Copyright © 2002-2005 Nijyue

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