丘の上の物語 -白川蓮ストーリー-

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白河蓮ストーリー プロローグ

春がすぐそこまで来ていた
街を覆っていた雪も解け
あたりは新緑の緑に包まれ
桜の木にもつぼみが芽吹き始めている

すべては春の訪れを感じさせている

俺達はそんな中学校までの坂道を歩いている
「また、少し暖かくなったんじゃない?」
隣を歩いていた蓮が俺の顔をのぞきこんだ
前髪がさらさらと風に揺れている
「もう春だね」
もう1度蓮が俺に尋ねる
「そうだな」
俺の反応に何がおかしいのか蓮がくすっと笑った
暖かい日溜りの中の見なれた景色…
いつもの朝がそこにあった

だけど…
ことしの春は…
何かが起こりそうな…
そんな気がしていた…

初出: 2002年
更新: 2005年8月20日
企画: 二重影
原作: 二重影
著作: 二重影
制作: 鈴響 雪冬
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