COMITIA145とNEOKET5を申し込みしました
9月のCOMITIAと10月のNEOKET5に申し込みを行いました。
どちらも抽選、特にCOMITIAは今回夏コミから3週間離れるので、いつもはほぼ落選なしですが今回はありそうですね。無料券を使って申し込んでいるので、返金処理をどうするかという問題があると思うので、正直無料券は問答無用で当選扱いになるのでは…なんてことを思っていたりします。
後者のNEOKET3・4に引き続きという感じです。アピールの場所を失った紙は在庫切れしたけど電子書籍があるという既刊をおいておくにはちょうどいいと思っているので、今回も大槌町の写真集を基本にします。
大槌町の写真集で大事なことを思い出しました。
詳細はイベント予定の方をご確認頂くとして、今回、COMITIAは評論・情報で申し込んでいます。頒布内容は星空写真集メインです。小説を持参する予定はありません。もし当選したら写真(星空写真集に収録していない写真も含めて)の単品販売も考えていますのでよろしくお願いします。
発行からそろそろ1年以上経って、通常頒布用の在庫もおかげさまでだいぶ減ってきたので、写真島の方で一度ぐらいお披露目しておこうと思います。
紙で発行する事に意味があると思っているので、よっぽどのことがない限りは再版も電子版の販売もありませんので、気になっている方はお早めに。なお、COMITIAの当選が確定したら、COMITIAが終わるまでの間、在庫をキープするためにBOOTHの在庫を一旦0にします。
岩手県大槌町 震災復興記録写真展示室を作ってみて
ワールドを制作中というような話は書いてきましたけど、どこにこだわったとかそういうところは触れてなかったと思いまして、日記に書いておくことにしました。とある方のワールド制作の顛末を書いた記事を見て私も書きたくなったとかそういうことではないです。そうです。
なぜ作ろうと思ったのか
素因、すなわち作ろうと思ったきっかけは完全に思いつきです。VR関係のニュースを読んでいて、大槌町の写真を展示したワールドを作れば面白いかもなあ、と思ったのが始まりです。
誘引としては、元になる写真集では、2017でそれまでの定点観測写真を載せているのですが、その後の2018では定点観測と言いつつ、2019年に撮った写真だけ掲載していたので、2014~2019までを一度に見ることができるものがなかったこと。2020年に撮影した写真は8ページの小冊子、2022年に撮影した写真はTwitterとこのサイトの日記など、完全に分散していて、せっかくたくさん撮影して、それぞれ公開しているものの、完全な時系列で1本の流れの中で見ることができないことが心残りだったことです。
展示内容検討
写真を時系列に展示するというのは絶対条件で、あとはやっぱり大槌の景色も入れてしまおうと。ついでに星空のアピールもして、という流れです。この辺は私の大槌町に関連する写真集と全く同じ構成ですね。
岩手県沿岸は「被災地」だけじゃない、というのは2018でも明言してますが、ここでもその意志は継いでいます
一応シリーズの紹介として、発行した同人誌の表紙を最後に展示しています。表紙の展示にとどめているのは、clusterやVRChatの商用利用が難しいからです。
ちなみに大々的に商用利用OKが謳われているVketCloud版では、電子書籍を購入できる案内文や、クリックするとBOOTHのページへ飛べるボタンが設置してあります。後発のサービスだけあってうまく差別化できてますね。
VketCloud版は大々的に作品紹介とリンクを展開
展示室設計
展示室は展示方法あるいは順路に応じていくつかのパターンに分かれると思いますが、今回は写真を時系列に並べるという事で、順路が固定されるように展示室の外周に沿って回るシンプルな形式にしました。また、定点観測ポイントとして5箇所を扱いますので、観測ポイントごとに展示室を分ける、ガレリア+複数の展示室、という形式にしました。
中央展示室からそれぞれの展示室にアクセスする形態
ここで手書きのラフスケッチとかをお見せできたらかっこいいのですが、そんなのはとっくの昔に処分しましたので、適当に妄想しておいてください。
展示する上でもう一つ重要な要素は、右回り・左回りのどちらにするかです。一般的に、横書きの文章を扱うときは右回り、縦書きの文章を扱うときは左回りにすると相場が決まっています。美術館は説明文のことを考えると右回りの方が向いているでしょうし、日本国内の歴史的な展示を行う施設は大体左回りになっていると思います。
今回はほとんど説明をするつもりはありませんでしたが、写真の下に日付を入れるのは確定なので、横書き主体として右回りの設計としました。
展示室の形状は、普通は正方形や長方形になりますし、コンセプトが合致してかつ土地や金銭的に余裕があれば円形も考えられます。とはいえ、円形の展示室は私の技術的に難しいので最初から候補にありません。
今の形状になったのは、
- VR空間における移動(方向転換)は少ない方がいい
- 最後の写真を見終わって振り返ると最初の写真が見える
という考えに基づいて、非常に細長い長方形となりました。
行って戻ってくるだけのシンプルな構成
展示室そのものは写真が主役ですのでシンプルな構成としました。もちろん私の能力の問題もありますが。
天井については、まずレイアウト中は天井があると邪魔ですし、後回しにしていました。作っているうちに「開放感もあるしこのままでいっか」となり、作らないまま終わりました。特に深い意味はありません。まあ、天井があると平行光源ではなく環境光になるので、その辺りも作り込みが面倒だったというのもあります。
何にせよ、これが初めてのワールド制作ですし、手間は少なくしたかったのが本音です。
と言っても星の展示室のところは暗くしたかったので、そこだけは天井を作りました。単に暗くするのではなく、天井の有無ということで雰囲気ががらりと変わるので、結果的に面白い演出になったなあと思います。
星空スペースだけは天井がある
導入部
先に右回り・左回りの話をしましたが、特にワールド内では順路の表示をしていません。とはいえ、多くの人は自然と右回りで進んでいくと思います。
このあたりは、ワールドに入った瞬間に壁に対して斜めを向いている(右側に開けている)、最初の文章が横書き、奥の方に展示室の名前が書いてあって写真が見える、という全体の流れの中で、自然に右の方に進むという構造になっていますし、それを狙ってこの演出になっています。また、一般的にはワールドの最後にある他のワールドへのワープポイントが左の方に置いてあるのも、その辺りを狙っています。
ただこの辺の導入方法はVRはともかくデスクトップでは効果が薄いかなと思っているので、将来的には矢印を設置するかもしれません。
VRモードでワールドに入ると最初の視界はこんな感じ。自然と右方向に進むような構成になっている(つもり)
展示室詳細設計
初制作なのでこだわりたくてもこだわれなかったと言うなかで、幅木、壁の折れ目の押さえ、展示室の見出しは少しこだわっています。
幅木は単純にあるだけでそれっぽく見えるので置いています。
幅木や展示室の見出しパネルに若干の厚みがある
壁の折れ目の押さえは、壁ひとつずつを四角のオブジェクトで作ってる関係で、グリッド上に乗せるとどうしても壁と壁の継ぎ目が不格好になるので、それを押さえるという意味でも別パーツで重ねています。
壁と壁の継ぎ目をごまかすための細いパーツ
展示室の見出しは作り替えた後の新要素ですが、これも今までに見た展示室なんかを参考に作っています。展示室より駅の表示とかの方が雰囲気が近いかもしれませんね。
写真展示
写真展示は基本的な作法に則ってます。
厚みのあるパネルに写真を貼り付け、さらに壁から少し離して展示をすることで、立体的でインパクトがある展示方法です。厚みのあるパネルをそのまま壁に貼る方法もありますが、浮かせた方が高級感があると思いますので、浮かせる方式にしました。
パネルにフローティング木枠加工を施した格好になっている
浮かせてあげて、なおかつちゃんと影が反映される設定にすると、重厚感が増しますね。
写真を展示する高さは、比較的低身長なアバターが好まれることを考慮して1.4mに中心点が来るようにしています。ただこれは平均身長が1.4m前後というところからの設定なので、視線の位置を考えるともう少し低い方が良かったかもしれません。まあ、みんなアバター複数種類持ってるのできっと大丈夫。
このあたりはギミックを構築してスイッチを押す度に床が10cmずつ前後するようにしてもいいですけど、そこまでの発想はこれを作った時点ではありませんでした…。
おわりに
ということで、人生で初めて作ったワールドである「岩手県大槌町 震災復興記録写真展示室」のお話でした。このワールドはリメイクを行っていますけど、写真の展示方法以外は当初から同じ発想なので、根っこの部分は何ら変わってないですね。
ガンガン記念撮影してもろて
同人誌の頃もそうですし、ワールドとして公開してからもそうですが、内容が内容だけにどう触れていいか悩みながらも、皆さんいろいろな声を届けてくださってありがたい限りです。個人的には知って頂ける、広めて頂ける、というだけでメチャクチャ価値があることだと思ってますので、ワールドに関しては気軽に写真を撮ってSNSとかにアップしてもらえればと思います。(同人誌についてはちゃんと引用のルールを守ってくださいね)