新刊「大槌町 ここは復興最前線 ~そして空と海と山に抱かれた街2018~」の値段を1500円に決定しました。決定の経緯は語り始めると長いのですが、1500円で決定です。
当初の目標的には1000円~1200円を想定していたのですが、これはページ数が50ページ未満の予定だった頃ですね。その後、原稿が進むにつれ、ページ数が60ページ後半、70ページ、72ページと増えていったとき、流石にこれは厳しいかなと思い始め、その時は1300円~1500円を考えていました。
しかし、ほぼ同じ頃、グラフィックから衝撃的アナウンスが流れます。
新サービス予告
6月上旬(予定)に、RGB入稿推奨の高色域印刷「スーパーリアル」をリリースします
通常のCMYKを超える高色域かつFMスクリーンによる高精細な仕上がりを同時に実現
もともと今回は風景写真も収録する関係で、印刷がきれいなオンデマンドを考えていたのですが、ここに来て最上位サービスの投入予告です。6月からWebで見積もりができると言うことで、その日を待って見積もりフォームに入力してみます。
すると推定印刷費、100冊で約36万円。
A4・170ページ・オールカラーという化け物スペックの2017の金額をあっさり超えてしまいました。1500円で頒布しても原価率200%越えです。しかし、今回は1500円が上限と思っているので、これ以上値段を上げたくない。仮に2000円にしてしまったら、100ページちょっとの2015と値段が同じになってしまいます。ならば当初予告していた価格帯でも最も高い価格である1500円が妥当だろうと落ち着いたのです。
1500円。
正直、最終巻という記念号という位置づけであっても相当厳しいです。でも今回はこれで最後、きれいな景色を見て欲しい、そういう思いもあって、オフセット・1500円はもう変えるつもりもありませんでした。私にできることは早割の8%割引を目標に早めに原稿を仕上げることだけです。
そして月命日である7月11日、1500円と書き入れた告知画像を作成。これにて1500円が確定しました。シリーズものの最終巻としてはいい値段ですが、単体で見たらバーゲンプライスだと思いますので、何卒よろしくお願いします。
昨日、値段を確定させましたが、再びグラフィックから衝撃的アナウンスが出ました。
【朗報】リリース以来ご好評の新サービス「スーパーリアル」の対応用紙を拡張しました
一部の高級紙のみの対応でしたが、今回新たに汎用紙であるコート、マットコートが採用よりお試しいただきやすくなりました
なんと標準的な紙であるコート紙、マットコート紙がスーパーリアルの対応用紙に追加されました!!
今まではハイマッキンレーピュアダルアート/ポスト、ヴァンヌーボVGという超高級紙だけの対応でしたが、これが一気に手頃な紙に適応になります。早速見積もりをしてみると、マットコートの場合は110kgからということで、ピュアダルのときに想定していた90kgから1段階厚くする必要があるのですが(90kg→110kg)、それでも印刷費は20万円台後半まで落ちてきました。一気に10万円、1/3減です。これなら1500円で頒布しても抵抗が薄いです(苦笑)。
ということで右往左往がありましたが、心置きなく1500円で頒布しようと思います。
印刷の都合により、2018は2017と同様の本文90kg、表紙180kgの紙を想定していましたが、2015や2016と同様に、本文90kg、表紙220kgとちょっと厚めの仕様に戻ります。考えてみたらページ数が減っているので紙の厚みを戻すのは当然でしたね…。ハイマッキンレーピュアダルアート/ポストの110kgの値段は見てなかったのですが(見積もりは90kgだった)、怖いので試しません(笑)。
なお、せっかくなので表紙は元々の予定通り、ハイマッキンレーピュアダルアート/ポストにしてみようと思いますので、グラフィックの本気の印刷をご覧いただければと思います。写真のデータからモニターまでsRGBで統一している関係上、CMYKの色域をフル活用しているわけではないので本気とは言い切れないかもしれませんが、表紙の青や三鉄の赤がきれいに出ていればいいなと思います。
山本寛監督の最新作にして最終作、「薄暮」を見てきました。
描かれる風景なのか、声優の演技なのか、ほとばしる弦楽なのか、監督の気迫なのかは分かりませんけど、画面全体からビリビリ伝わってくる緊張感に圧倒された60分だった気がします。風景の美しさ、動物の鳴き声、草木の揺れる音、下校シーンで一瞬だけ解説なしで背景に写り込む放射線量計。なかなか疲れる60分でした(褒めてる)。
実はWUGは見てないのですが、山本監督は人物をこうやって描くんだなあ、とちょっと感心した部分もあったり。特にあの表現は他のアニメではまず見ないよなあ、とか。
結構後ろの方で見たので、もう少し前の方でもう一回見てもいいかなという感じです。
京都アニメーション第一スタジオにガソリンをまいて放火するというとても痛ましい事件が発生しました。これを書いている時点で33人の死亡と伝えられています。被害に遭われた方々のご冥福を祈るばかりです。
真っ先に思い出したのは武富士弘前支店への放火事件。2001年ですから私がまた青森に居た頃に発生した事件で、執念の調査による逮捕劇も含めて連日報道されていた記憶がありました。人数で語られることは致し方がないとは言え、放火が原因の事件としては平成以降最悪の事件ということでとても痛ましいです…。
先ほど全てのページの最終チェックが終わり、EPSへの書き出しまで終了しました。グラフィックさんのCOMITIA129の早割入稿が19日から始まるので土日に入稿用ファイルを準備して(ZIPに圧縮したりとか)入稿を済ませようと思います。それが終わったらすぐに2017の電子化を行い、配信申請を行う予定です。
72ページ、12GBと相変わらずの原稿ですが、京都アニメーションの件もあり、まだ素直に喜べない私が居ます。
ひとまず、すでに予約を入れた「天気の子」を見て気持ちが落ち着いたら入稿祝いをしたいですね。
「君の名は。」が空前の大ヒットとなり、その次の作品ということで、新海監督自身も緊張したでしょうし、見る方も緊張したのですが、ちゃんと新海さんの作品らしさが出ていてよかったなあ、と。むしろ、「君の名は。」で得たものを混ぜつつ、持ち味が発揮されていたような気がします。
こういう言い方は失礼なのですが、新海さんの作品は毎回どこかに「一皮むけた」と思える場所があるのですが、今作はそれが最も多かった印象です。
「言の葉の庭で」得た描写の美しさ、「君の名は。」での男女や友人同士ののやりとり、そういったものが混ざり合って「天気の子」が生まれたんだなあ、と。
インタビューにも語っていたとおり、前作よりも人を選ぶというか、もっと怒らせる作品に仕上がっていると思いますが、私自身はこういうテイストの作品が好きなのです。
「君の名は。」以外の新海さんの作品と言えば「こんな終わり方もあると思うんですけど、どうでしょう………」という感じでしたが、「こんな終わり方でいいよね!」という力強さがあったように思いますし、ファンとしては「それな!」と頷けるものだったのでよかったです。
「天気の子」というかわいらしいタイトルですが、結末はその印象を吹っ飛ばすものなので是非とも見て頂きたく。
私の周りの新海監督のファンはほぼ全員「君の名は。」より好きと言ってるので、新海監督ファンなら安心してみられると思いますよ。
ちょこちょこ手直しして今度こそ完成しました。このまま入稿しようと思ったのですが、COMITIA実行委員会のほうからサークル参加のお知らせを発送したという連絡があったので、スペース番号が判明する火曜日に入稿しようと思います。直接搬入の場合、スペース番号が分かってから申し込んだ方が後からスペース番号を申請する手間も省けますしね。2月は評論島の島角でしたけど今度はどういう配置になるでしょうか。
2017の電子版配信準備が整いました。BOOTHとBOOK☆WALKERは日曜日に、BCCKS他10ストアの配信準備はつい先ほど整いました。
8月3日0時スタートはBOOTHとBOOK☆WALKERの2ストア。BCCKSも同時スタートかもしれません。残りの10ストアは3日以降、順次配信です。電子版をお求めの方は今しばらくお待ちください。
いろいろ準備もそろいましたし、2017と2018が重複するのでまとめ画像を作ってみました。こうやって並べてみると4年がかりでここまで作ったんだなあ、と感慨深くなります。4年、4冊、合計468ページ、のべ1840枚収録という大ボリュームのシリーズになりましたが、よろしくお願いします。
株式会社グラフィック テクニカルサポート データチェック担当です。
このたびは当社をご利用いただき誠にありがとうございます。
下記注文のデータチェックが完了しましたのでご報告いたします。
ご入稿データに印刷工程へすすむ上での問題点はありませんでした。
入稿完了!!!!
話は変わってタイトルの話。
今回はタイトルは結構悩んだのですが、最終的にはこの見出しのようになりました。音やリズムなどいろいろ考えて、最初の頃はこんな感じのタイトルが候補にありました。
じつは「大槌町 ここは復興最前線」というタイトルを使うつもりはなかったのです。今までのシリーズとは毛色が違う作品だよ、シリーズの続きとは言いがたいよ、そういうイメージでした。ですが、雰囲気が違うと言うだけで、作品としては「大槌町
ここは復興最前線」シリーズの一員である事は間違いないです。それに、図書館のデータベースに登録するときも、主題が「大槌町 ここは復興最前線」でまとまっていると、一つのシリーズとして登録することになります。もし主題が違ったら作者の頭の中でどう考えているかはさておき、別のシリーズという扱いになってしまいます。
ですので、主題は「大槌町 ここは復興最前線」に戻し、副題の方を作品の中身を表すタイトルにしようと思いました。
結果、こういったタイトルが思い浮かびました。ですがこのタイトルは使われることなく、最終的な副題は「そして空と海と山に抱かれた街2018」になりました。今となってはどうしてこのタイトルが思い浮かんだかは正確に思い出せないのですが、前書きか後書き、あるいは冊子紹介で使うためにいろいろ文章を考えている中で、こんな文章をメモしています。
「いつまでここは「被災地」と呼ばれ続けなければならないのか。「震災後」と一括りにされなければならないのか。ここは「大槌町」であり、「岩手県の沿岸部」であり、「三陸」の町である。」
このあたりの心情が端的にまとまって「そして空と海と山に抱かれた街2018」という言葉に置き換わったのだと思います。
大槌町は確かに震災復興の最前線である。そして(しかし・だが)空と海と山に抱かれた街でもある。
たぶんそんな意味が込められているのでしょう。
復興はもちろん大事。だけど、復興だけではない。風景写真の紹介は本来2017でやる予定でしたが、あのページ数でしたのでできませんでした。2018は三鉄の開通から風景写真まで、2017でやり残したことを全部詰め込みました。原価率はついに150%を越え、作者としてはなかなか頭が痛い作品ですが、これにて私が伝えられることは終わりです。是非受け止めて頂ければと思います。