2018年1月の日記

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2018年1月1日(月曜日)

ご挨拶

 明けましておめでとうございます。
 旧年中は大変お世話になりました。今年も旧年同様よろしくお願いいたします。

 という更新を1月14日にやっています。新年早々休日出勤でしたので、ようやくちゃんとした休日です。
 次からは毎年恒例の目標ですね。

一年の計は元旦にあり

2017年の目標 大反省大会

写真集の発行
 お察しの通り無事達成することが出来ました。頒布数は一昨年とほぼ同程度ですね。
 また今回は一昨年の国会図書館、岩手県立図書館に加えて大槌町立図書館にも寄贈しました。正直、寄贈は自己満足の所もありますし、資料・史料として残す価値があるかどうかは分かりませんが、それは後世の人が判断することです。最初に残さなければ未来にも残らないので。
情報の更新
 サイトの中でも古くなっている部分を新しい情報に差し替えていくという目標でしたが達成できませんでした。この目標は今年も継続していきたいと思います。
イベント参加方法を考える
 一昨年は年4回のイベントに参加しました〜と書いていますが、去年も4回参加しました。COMITIA2回、はなけっと、CRUSH!と東京2回、岩手2回と個人的にはバランスがいいイベント配分だったと思います。

2018年の目標

小説の新刊発行
 まずはじめに。RsSin-ensではありません。3年ぶりの小説新刊をReSin-ensで始められる勇気がないので、リハビリ的に短編を一つ仕上げる予定です。まだ構想段階ですが年内に発行したいです。本来なら6月の「はなけっと」にあわせたいところですが、5ヶ月で書き切れる自信が無いです…。
写真集の発行
 2016の後書きで次は2018としていましたが予定を変更します。2015・2016・2017の3巻で一通り終わりという形にしたいと思います。
情報の更新
 去年に引き続きの目標です。日記ページでテーブルレイアウトが残っている部分(この間1ページ更新してみましたが、とてもとても面倒でした………)と用語集のページですね。日記ページは新レイアウトへ変更、用語集は登場人物事典としての機能をあてたいです。

 目標について捕捉します。
 昨年末、「はなけっと2」の開催が6月と決定しました。第一回はなけっとの時点で新刊は出そろっているので第2回はこのままでは新刊無しになります。写真集は到底間に合わないので何か小説を一本書き上げたいところですが、ReSin-ensはさらに間に合いません(第3巻は13ヶ月かかった)。そこで以前からうっすらとした構想しかなかった小説をこのタイミングで書き上げようと考えています。短めの中編(60ページとか)を想定していますがまだプロットすらできあがっていないのでペーストしてはかなり厳しいというのが本音です。
 まずこの中編を6月に発行します。そして私事ですが9月に資格試験があるので原稿作業は一旦やめてそちらに時間を割きます。
 その後、10月か11月に開催される秋のCOMITIAに写真集2017を発行できたらと思います。編集期間が短いので場合によっては来年の2月までずれ込む可能性もあるのですが…。

 今年は、小説を書くことができるかという自分への試練を課したような状況ですね。頑張ります。

2018年1月12日(金曜日)

クローズアップ現代プラス

 今日、NHKのクローズアップ東北にて放送された「災害復興 新しい街は問いかける〜三陸 津波被災地からの報告」の内容が事実誤認だらけでどうしようもない完成度で、Twitterではリアルタイムでつっこみを入れていたのですが、少し経って落ち着いたので一つひとつつっこみを入れていこうと思います(19日執筆)。

 まず、番組の構成としては次のような感じでした。

 最後についてはNHK東北の番組審議会でも現状をまとめるだけではなくもう一歩踏み込んで欲しかったといった意見が出ていて、同じ事を考えている人はいるんだなと思いました。

中心部(町方地区)の空き地が目立つ

 町方地区で空き地が目立つのは事実です。
 一方で、区画整理&盛り土を行った町方、安渡、赤浜、吉里吉里の4地区の中で中心部である町方地区が一番低いことについては触れていません。

大槌町内の地区別空き地率(中心市街地の見える化(第3回公表)などから作成)
民有地区画数 再建画地数 再建率 空き地率
(1-再建率)
計画人口に対する
想定人口の充足率
町方 510 217 42% 58% 54%
安渡 100 43 43% 47% 65%
赤浜 110 55 50% 50% 84%
吉里吉里 121 92 73% 27% 45%

 冒頭から番組の内容を否定しますが、4地区の空き地率にこれだけの差がある中で、町方地区の空き地率の高さについて何らかの答えを見いだすのであれば、4地区の違いを切り口にするべきです。番組としては工事の遅れや法律の問題を空き地率の高さの原因としていましたが、それでは説明できないのです。

工事の遅れ

 2012年11月頃から地区別に「復興まちづくり懇親会」が開催されました。その時に示されたスケジュールによると、町方地区の第1工区の造成終了は2015年4月となっていました。この時点の予定は工事業者との契約も行われていない中での予定ですので、あくまでも期待的観測によるものと考えられます。そもそも町方地区においては施工管理や工事の発注支援を都市再生機構(UR)が担当していくことになりますが、その都市再生機構との協定締結は2013年3月1日であり、この時点ではその協定締結が終わっていないため、工事に関しては何ら予想できない状態であったと考えられます。
 都市再生機構との協定締結も完了し、懇親会で出された意見を反映した上で作成された最初の事業計画は2013年3月に認可され、いよいよ本格的に復興事業が始まります。

 その後、2013年10月から数ヶ月にわたって行われた個別面談会において、末広町から県道の南側1ブロックまでは2016年度中(2016年3月まで)、本町・大町は2017年度中(2017年3月まで)、上町は2018年度中(2018年3月まで)に完成予定であると改めて示されました。今後、町方地区の工事はこのスケジュールに沿って進むことになります。
 末広町の北半分までは当初の予定どおりでしたが、他地区の盛り土工事と輻輳したり、土中から天然由来のヒ素が見つかったりなどして盛り土工事が遅れ、末広町の南半分から県道南側1ブロックに関してはおよそ4ヶ月〜6ヶ月遅れとなり、県道南側1ブロックが終わったのは2016年10月3日でした。しかし、その後は順調に推移し、2017年11月30日をもって宅地造成終了となり、最終的には4ヶ月前倒しとなりました。
 住民が思い描く復興までのスケジュールと、提示され、実施された復興工事のスケジュールにずれがある事は確かでしょう。最初の宅地引き渡しは2016年2月15日と、発災からまもなく5年というタイミングでした。「5年」という月日は確かに遅いと思います。5年よりは4年がいいですし、4年よりは3年がいいに決まっています。住民にとっては早ければ早いに越したことはないのですから。
 その一方で、個別面談会において示されたスケジュール通りに概ね進んだことは紛れもない事実であり、一言で「工事の遅れ」とは言い表せないと思います。

 「工事の遅れ」について別の角度でも検証しましょう。同じ大槌町内で盛り土と区画整理を行っている吉里吉里地区は、町方地区よりも半年早く宅地引き渡しが完了しました。その吉里吉里地区の空き地率は27%であり、町方地区の58%とくらべて30%も低くなっています工事が半年早いだけでこれほどまでに差が出るでしょうか。また町方と現場完成がほぼ同時期である赤浜地区の空き地率は50%となっており、大槌町内の地区を比較するだけでも空き地率と工事スケジュールとの間に強い関係性を見いだすのは難しいと考えます。もちろん、数年単位で遅延した場合の話は別です。

 なお、2018年3月21日の毎日新聞「区画整理の進捗に大差 土地利用促進へマッチングも」に掲載された数字(2018年2月1日時点の宅地引き渡し戸数)を元に算出すると、区画整理事業における宅地引き渡し率は、野田村(12.9ha)100%、宮古市(42.8ha)98%、大槌町(52.7ha)87%、山田町(44.6ha)39%、大船渡市(33.8ha)35%、釜石市(109.6ha)33%、陸前高田市(298.5ha)15%となっています。大槌町は他の市町との比較では工事が順調に進んでいる地区のため、今回このような問題化が表面化したと言えます。釜石市でも空き地率が問題となっており、大槌町に追従する形で空き地バンクの実施を決定しました。

平時の法律を非常時に適応したこと

 東京大学の教授が「区画整理は都市の再開発が目的の法律」などと発言していますが、正しい説明とは言えません。日本における区画整理は関東大震災からの復興や戦災復興を皮切りにしているからです。両方とも都市部において使われたため、都市部の再開発とも言えますが、事の起こりは復興事業のために整備された法律なのです。
 そのため、施行者に対して強力な権限を与えている一方で、住民主体の審議会や学識経験者などによる評価員がそれを評価する制度設計になっているのです。(そもそも10年とか20年かかるのが当たり前の区画整理事業を5年で終わらせたのですがそれは………。)

土地の再配置が定まらないと着工できない→再配置のためには町の買い取りが終わっていなければならない→そのため町の買い取りには期限が設定されており、迷っている人にはその期限は早すぎた→ゆえに未利用地が残った

 町の買い取りは防集団地や災害公営住宅の戸数(アンケート結果を基に設定)から逆算された面積がベースになっています。希望者全ての土地を買い取るのが理想かもしれませんが、町としても目的が定まらない土地を所有していても意味がありません。
 ですので、ひとまず締め切りまで土地の買い取りを行い、予定の面積に達しなかった場合は締め切りを延長という想定で動いていましたが、買取希望者が殺到したため、当初予定していた締め切りで買い取りは終了しました。
 そもそも、買い取りの予算は決められており、締め切りが早かろうが遅かろうが予算が尽きた段階で終了せざるを得ないため、区画整理事業と土地の買収には関連がないのです。

※土地の再配置が定まらないと着工できないというのは平時における区画整理事業での話であり、大槌町をはじめとする多くの自治体では、再配置が定まる前に着工することに同意するという同意書を取得し、早期着工にこぎ着けています。

 買収面積を増やして町が土地活用していくという方向で空き地を減らすという事であれば、津波復興拠点事業のエリアを地区内にもっと割り当てるべきだったのでしょう。津波復興拠点も買収事業とセットで成り立っていますので、これを町方地区に組み入れれば、災害公営や防集団地の他に津波復興拠点としても買い取りすることができたからです。
 しかしこれは今だからこそ言えることであって、事業当初にはこのような結末は予期できなかったでしょう。

 買取面積の設定と買い取った土地の利活用は町の腕の見せ所であり、法制度や区画整理法の課題とは言い切れないと思います。

もっといい方法があったのではないか

 大槌町の復興の初期から携わってる貴方(教授)にそれをいわれたくなry

 土地区画整理事業はあくまでも宅地整備のために行われる事業であって、空き地の利用を促す事業ではありません。むしろ、上下水道、道路整備、宅地造成など、都市開発において必要なインフラ整備を一括で行うことができる極めて強力で大量の実績のある事業であり、復興という側面で見たとき、これほど強力な事業は他にはありません。

 空き地が生まれた理由の精査が必要でしょう。
 工事の遅れは原因の一つと考えて間違いないでしょうが、借家や借地、テナントなどの土地所有者以外の住民やお店に対する手立て、新規産業や住民の誘致など、区画整理事業で面倒を見ることができない人や物、発災前から始まっていた過疎化への対応などは十分だったでしょうか

 発展と実りのある議論を望みます。
 あと復興事業への取材は都市整備課とか復興局長に聞いた方が良かったと思いますよ?

初出: 2018年01月01日
更新: 2018年01月14日
著作: 鈴響雪冬
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