この文章は10月20日に書いていたものの、「イベントが開催すらされていないのに水を差すのはどうか」という判断で公開を見送ったものに対して、イベントが終了した今、実際にイベントに参加した感想も踏まえて修正を加え、公開するものです。
10月30日から11月1日にかけて行われた、岩手県庁入魂のIngressイベント、「いわて・ぐるっと・Ingress IGI★200+100」(以後:IGI)は各地で盛り上がりを見せて………あれ? そうでもない?
ということで、参加した身分としては、非常に楽しく過ごさせてもらったのですが、なぜその前段階でいまいち盛り上がらなかったのかを、一人のエージェント(プレイヤー)として考えてみました。文句を言うだけはアンフェアというのが信条ですので、こうした方がいいのではという提案付きですが、基本的には、参加した結果、こういう部分に不満があったという感想文です。
「内部の事情も知らないくせに」と思われる関係各者もいるでしょうけど、そもそもイベントに参加する人は内部の事情とか知ったこっちゃ無いですからね。
本来ならイベント終了時に配られたアンケートに書いてもよかったのですが、こんな話をだらだら書いても仕方が無いので、アンケートの方には「もっとイベントが楽しそうに見える情報発信をして欲しい」といった事を書かせてもらいました。
私の中ではこれが結論です。具体的にどういうところがよくないと考えているかは、次から書いていきます。
今回のイベントは、岩手県庁ウェブサイトの「ゲームノミクス研究会」のページで主に広報活動をしていましたが、この「ゲームノミクス研究会のページ」はたったの1ページしか用意されておらず、これまでの活動や開催したイベントなど、ゲームノミクス研究会が関わったイベントが全てこの1ページに集約されており、今回のイベント情報も同様に掲載されていました。
このようなページを、ゲームノミクス研究会は「イベントの概要」として、各地で紹介して歩いていました。
イベント専用サイトを作ってしまうのが理想型ですが、それが(予算、人員、技術力の都合で)できないとしても、情報を整理することはできるはずです。本来であれば、「『岩手県庁Ingress活用研究会』とは?」だとか、過去のイベントである「ポータル探して盛岡街歩き」だとか、「岩手県庁Ingress活用研究会活動報告」といった諸々の項目は、それぞれが1ページとしてコンテンツが成立するものであり、ページを分離した方がいいでしょう。そもそも、イベントの情報を見に来た人にとって、それらはどうでもいい情報です。
今回のIGIも1ページとして独立し、そのページの中で概要などを紹介するべきです。むしろ、現在アクティブなイベントであるIGIは、開催概要や開催エリア、バスツアーや併設するイベントなど、全てを1ページずつに分割して、それぞれの内容の密度を上げていくべきだと思います。
もし私がページの管理を任されたら、このような形にページを分離します。
個人的には、大項目だけではなく中項目もページとして独立させたいところですね。複数ページにまたがっているIGIは、イベント終了後に1ページに整理しなおして過去のイベントの下に移動するという管理手法が腑に落ちます。
IGIに関する情報は上で紹介したページの中で、大項目では6項目にわたって紹介されているのですが、この項目は単純に時系列であり、イベントの中身ごとに分かれているわけではありません。またその6項目はそれぞれ独立したPDFで情報が用意されており、この時点で気が滅入るのですが、最終版とも言える第3弾のPDFでも全ての情報に触れていないため、それ以前のPDFを確認する必要があります。
情報を小出しに出していくというのは、イベントの情報を出し続けるという意味で有用だと思いますが、小出しにした情報がそれぞれ独立しているのは、一連の情報として使い物になりません。
HTMLであれば該当の部分を修正する、PDF(やって欲しくないけど)であれば、常に完全版のPDFを用意するなどして、その1ページまたは1ファイルを見れば、全ての最新情報がそろう状態にする必要があります。
※ここの段落は、お役所のウェブサイトからPDFを撲滅したいと常日頃から言っている人間である事を加味した上でご覧下さい(笑)。
このページの担当者に伺いたいのは「なぜPDFで配信したか」です。ただなんとなくWordや一太郎で作ったからそれをPDFに変換しただけですとか言い出したら、それはもうため息しか出ません。
WWWの世界では、プラットフォームに依存しない描写が求められている、だとか、様式のようにフォーマットが決まっている、といった場合はPDFを用いるべきでしょうけど、基本的にはHTML(またはそれに類する物)で提供するべきです。そこをあえてPDFで提供したという事は、確固たる信念があったに違いありません。
たとえば、PDFをダウンロードしてもらえば、オフライン環境でも閲覧できるのが便利なんだ! とか。
まあ、無いでしょうけど。
PDFって、作り手としては便利なんです。OSもブラウザも気にすることなく、PDF一つ提供すればほとんどの環境で閲覧できますし、最近のWordや一太郎はデフォルトでPDF書き出しに対応していますから。
県庁が使っているCMS(たぶんCMSで管理してるよね)が使い物にならないほど酷くてサイトを更新するのが面倒なのか、単純にお役所仕事(ここではウェブ上での情報提供とか言いながら、内部で使っているWordやExcel、PDFファイルを貼り付けるだけのお仕事、を指す)なのかはわかりませんが、PDFに頼りすぎているのは、情報の提供手段としては下策だと思います。
そもそも、スマフォやタブレットを使うゲームなのに、それらの環境では利用しづらいPDFで情報を発信している事に疑問を抱かないのでしょうか。
県庁が提供するIGIの唯一の情報源であるPDFが、文章主体でまとめられ、それらを補足する図や表などがほとんどなく、わかりやすくまとめようとする意識が感じられません。また、県外の方にアピールするべきイベントにもかかわらず、地図の埋め込みやリンクがなく、地名が羅列されるだけになっています。
本来、最もキャッチーな部分である最初の項目「基本事項」がすでに3分割されていて、最も大事なことである「なにをするか・なにができるか」がさっぱりわかりません。
1基本事項
(1)
1日目は主に沿岸エリア、2日目は主に盛岡市内を会場として設定します。別途、旅行会社からツアーも発売されております。また、指定のポイントで受付を済ませることにより個人で自由に参加することができます。(2)
県内一円において、「指定ミッション」を用意します。指定ミッションのクリア数やイベント期間中のUPV獲得数などにより、一定の基準を達成した方には、いわて観光キャンペーン推進協議会から独自の称号をプレゼントします。一部の称号については、去る6月21日に開催した「ポータル1000超えの街もりおかを歩こう」(Niantic Labs公式Mission Day)において算出したUPVの獲得数に関連するものがあります。従いまして、そのときの参加証をお持ちの方は、今回、忘れずにご持参くださいますようお願いたします。(3)
盛岡市内においては、県主催の「第2回いわて若者文化祭」とのコラボレーションにより「ミッションメダル原画デザイン展」を開催しますので、ぜひお立ち寄りください。10月13日まで展示作品を受け付けておりますので、当研究会のホームページ等で出品要領をご確認いただき、ふるって作品をお送りくだるようお願いします。
この部分、私ならこう書きます。
IGIってなに?
県内ほぼ全域に用意した30にも及ぶIGIオリジナルのミッションをクリアしながら、普段は訪れる機会のない三陸沿岸や岩手県の観光を楽しもう(ついでにUPVを稼ごう)、というミッションデイスタイルのイベントです!
個人や友達と一緒にミッションをクリアするだけでもいいですが、それらのミッションをガイドと共に巡る一泊二日のバスツアーや、全国のミッションクリエイターから募ったミッションメダルの原画を展示しますので、奮ってご参加下さい!
閑話休題。
先のPDFの2番、「参加の受付と参加証」の項目では、受付場所が文字で書かれ、詳細な位置はGoogle+ページなどの情報を確認して下さいとなっています。ですが、Google+のページへのリンクは提供されておらず、そもそもPDFが掲載された当時、Google+には受付場所が記載されていませんでした。PDFでもHTMLでも、最低限GoogleMAPへの外部リンクを設定するぐらいの配慮は最低限必要だと思います。
同様のことが各項目に言えます。特に6番の「指定ミッション」に至っては、18項目全てが文字のみで表現されており、具体的な位置やコースなどは一切図示されていません。このような状態では、県外から参加する人は、まず地名を地図で調べて、コースを自分で引かなくては行けません。
今回のイベントは、Ingressを使って人を動かすイベントであり、「観光」である事を考えれば、自ずと提供するべき情報が見えてきたはずです。そして、情報の受け手が一般の人である事を考えれば、まるで県庁の内部で使う実施要項を模したPDFが求められていないことは自明の理です。
「ポータル大量発生感謝!ハック&キャンドルin盛岡」のトークセッションで「横須賀のサイトがかっこいい」と言うような、横須賀にあこがれているような発言をしていましたが、サイトのデザインや作り以前に、PDFに頼り切った(しかも本当に求めれた情報が書かれていない)情報提供を見直すべきではないでしょうか。
幸いにも、今年は様々なイベントが開催され、色々なところでイベント向けのサイトやページが作られましたので、それを見て勉強して欲しいです。
同じ県庁の職員とか家族にこのPDFみせて、「参加したい?」ってアンケートを採ってみたら、どういう結果が返ってくるか考えてみて欲しいです。
そもそも、このPDFは凄く手間がかかっているように思うのですが、Webベースで配信していたらもっと楽だったんじゃないかと思います。
Google+にてゲームノミクス研究会は「受付場所に応じたイベントページを4つ作りましたので、受付予定の場所で参加の意思表示をして下さい」と発言しましたが、その投稿の中に、4つのイベントページへのリンクは提供されていませんでした。そして別の方がその発言を補足コメント付きで再共有(Twitterでいう引用リツイート)していました。しかしGoogle+の特性上、コメント付き再共有(Twitterでいう引用リツイート)を再共有すると、コメントは切り捨てられて、元の記事だけ再共有されるため、その情報を広げることはできません。
これは上の方で触れた、文章だけで紹介してリンクを提供しないのと同じ事であり、情報の受け手の使い勝手という部分を全く考えていないと言えるでしょう。
このような不完全な情報は、情報を取りまとめて再放流してくれる各種ニュースサイトや有志の負担を増やすほかに、そのまま再放流されることで、不完全な情報のまま拡散されてしまいます。発信する情報がどのように使われるか、今一度よく考えた方がいいと思います。
ちなみに、IGI終了後に行われた国体×Ingressのアンケートでも全く同じ事をやってます…。
これらの積み重ねにより、IGIが「よくわからないイベント」になってしまい、面白そうに見えないという最大の問題へ繋がります。
私自身がIGIをかみ砕いて紹介した文章が「わかりやすい」と好評でしたが、部外者の解説でようやくこのイベントの概要が伝わるという状況が、公式情報のできの悪さを示していると思います。私自身、この文章を作るために、複数のPDFを読みながら作っているのですが、非常にわかりづらかったですと、大事なことなので二回書いておきます。
今回のことから、次のような結論を導きます。
「ゲーム」というコンテンツとしては先進性のあるものを扱っている上に、研究会として本気でゲームノミクスに取り組んでいくのであれば、情報の提供もエレガントにわかりやすく行う事を意識してほしいです。一言で言えば、センスを磨けという事です。そこまでいかなくても、「どうすればわかりやすいか」を意識して提供するべきでしょう。こういう情報は煙に巻いて書く必要は無いんですよ?(
IGIの目玉とも言えるバスツアーですが、立ち寄り先の紹介だけで、立ち寄り先でどんな楽しみがあるかわからないため、1万6000円というリアルな金額と、見ず知らずの他人と行動するという不安が先に立ち、ツアーの魅力が十分に発信できていないという欠点があると思います。
たとえばAコースでは大槌町の復興現場見学、橋野鉄鉱の見学、Bコースでは一関と陸前高田へ立ち寄ることになっていますが、それぞれどのような見学(ガイドがつくのか、現地を歩くのか)ができるのか、なんらかのアトラクションはあるのか、地元で何かイベントは開催されているのか、などの情報が全く記載されていません。
さて、イベント終了後にゲームノミクス研究会の代表である保和衛さんはこのように書いています。
私自身、少し忘れていました。たとえば、かつてのイベントでガイド付き街歩きが一番人気だったこと、「イベントの時に美味しいものが食べられるところを教えてほしい」と要望があったこと、そして何よりもIngressが人と人のコミュニケーションを狙いとしていること・・・。
確かに、私の記憶が正しければ、ポータル探しも、ハック&キャンドルも、ガイド付きツアーは真っ先に定員に到達していたように思います。
実は、催行されたBコースでは(当初から予定されていたかどうかはともかく)各地でガイドがついていました。釜石に至っては保さん自身がガイドを務めました。ですが、ガイドがつくかどうかは事前に一切わかりませんでした。このバスツアーは、蓋を開けてみれば、ガイドがつく、おいしい物が食べられる、コミュニケーションができるという全ての要素を満たしていましたが、それが事前情報からは一切伝わってこなかったのです。
IGI一日目夜のXFMで、「ツアー参加者が多すぎると裁ききれないから、今回は適正人数だった」という話があり、大人数になるとそれはそれで大変ですが、その時は班体制にするなどの別の回避策もあると思うので、バスツアーに限らず、こういった「おいしい情報」は参加の動機付けに直結するので、どんどん配信してもらいたいです。Ingress的には、想定されるUPVとか書いてもよかったと思うんですよ。
応募要項が曖昧でわかりづらいと指摘されていましたが、その通りだと思います。
著作権に関係する部分もそうですが、個人的には様式が図示されていなかったというのは逆に凄いと思います。様々な作品募集要項を見てきましたけど、様式が決まっているタイプで、その様式が図示されていないというのは珍しいと思います。応募の例が一つでもあれば情報としては十分だったと思います。実際、展示されていた作品の中にはA3二枚で提出された作品もいくつか見受けられ、様式がうまく伝わっていないことがわかります。
また、肝心の応募要項に回りくどい表現があり、書式がよくわかりません。
たとえば、
(1)A3判の台紙を用い、左半分のエリアに作品画像ファイルを直接印刷するか、A4判以内の大きさの用紙に作品画像ファイルを印刷したものを貼り付けてください。
(2)右半分のエリアには、次の事項を記載してください。体裁は自由ですが、事務局で定めた様式(Wordファイル)を研究会のHP
からダウンロードして記入し、貼り付けることも可能です。記載例もHPに掲載します。【記載頂きたい事項】
ミッション名、作品の作成者(エージェント名やニックネームで可、共同の場合は複数記載も可)、ミッション作成者(別にいる場合のみ)、ミッションの所在する都道府県及び市町村名、ミッションの概要、アピールポイント(デザインの解説、込めた思い、ミッションの特徴、苦労した点、地元のPR、全国のエージェントへのメッセージなど自由に記載)
という部分。私なら次のように書きます。
A3版の用紙を横長になるように置き、左半分にメダルのデザイン原画、右半分に下記の事項をお書き下さい。
ミッション名、作品の作成者(エージェント名やニックネームで可、共同の場合は複数記載も可)、ミッション作成者(別にいる場合のみ)、ミッションの所在する都道府県及び市町村名、ミッションの概要、アピールポイント(デザインの解説、込めた思い、ミッションの特徴、苦労した点、地元のPR、全国のエージェントへのメッセージなど)
※A4を2枚貼り合わせてA3にした形でも応募できます
※左側にメダルのデザイン、右側にミッションの詳細という様式を守って頂ければ、表や図など、表現方法は問いません。研究会が用意する表をそのまま利用して頂いてもOKです。
(レイアウトの例を画像で貼り付ける)
Ingressをデザインという側面から切り込むというのはこれまでに無かった試みで非常によかったと思います。Ingressではゲーム内でなにかしらの功績を挙げた人が注目されやすい部分がありますが、グッズを作ったり、メダルを作ったり、写真を提供する人もいるので、そういった方々にスポットライトを向けると、面白い化学反応があるのではないかと思います。次はポータル写真展とかどうでしょうか。
些細なことなんですけど、ミッションメダル原画デザイン展の作品応募が足りなくて応援お願いしますという投稿に対して、質問がついているのに、気づいているのかいないのか、回答してないんですよね。気づいていないとしたら、Google+ではコメントがついたらメールを送る設定ができるんですけど、その設定をしていないんだろうな、と。
ゲームノミクス研究会のGoogle+の使い方を見ていると、ただただ情報を流すだけで、受け取ろうという意識が希薄なように思えます。SNSはウェブサイトと違って、情報を出すだけではなく受け取るところでもあるというのが私の考えなんですけど、その考えに照らし合わせると、SNSの使い方がなってないなあと。ゲームの特性的に人間関係が問われる側面もあるゲームにおいて、一方的に発信するだけでは、誰も見向きもしてくれないと思います。
SHARPのTwitterアカウントを目指せとまでは言いませんが、キャラクターを決めて、もう少し積極的に活用してもいいのではと思います。
今年の2月14日の日記で、県庁が開催したイベントに対して、私はこういうことを言っています。
もう少しウェブサイトの作りをどうにかできないか。いまは「分かってる人」だけが来るからいいが、今後イベントが一般化していく中で、この様な状態だとやりたい事も、イベントの趣旨も伝わらないのでは? 今は1ページに全ての情報が詰め込まれているが、民間のイベント紹介ページなら、実施概要も参加要項もオプション企画一覧もそれぞれ独立したページになっている事が多いと思う。横須賀市のページがかっこいいというのも分かるけど、それ以前に、Ingressに限らず、こういう役所っぽいページ作りを今後のためにも見直した方がいい。今のところ、こういう泥臭さは評価されているだろうし、私も評価するけど、今後のためにはならないと思う。
結局、この部分が改善されないまま今に至った結果、競合イベントの登場により、求心力が弱いイベントは自然淘汰されていくという感じなんだと思います。ポテンシャルはあるけど、情報発信が下手なために、相対的に求心力が低下していると言えるでしょう。
IGI初日は横須賀のミッションデイと同日開催という、相当に手痛い部分はありましたが、ミッションデイに参加したエージェントが次の日誰一人として盛岡に来ることがなかったというのは、大きな課題だと思います。IGIはミッションデイの時点で開催が判明しており、それは横須賀のミッションデイよりも遙かにスタートは早かったのにもかかわらず、です。
今回、IGIに遠方から参加した方々は、岩手県に対して何らかのつながりがある方がほとんどだったように思いました。それはとてもうれしいことである反面、逆に言えば、そういった人しか来なかったと言えます。その翌月に開催された、宮城県登米市登米町のイベントは交通の便が悪いにもかかわらず、遠方からの参加者も含め、IGIの3倍近い来場がありました。
登米町のイベントの情報配信は、IGIよりも優れていたと思います。もちろん、情報配信だけが全てを決めるわけではありませんが、「楽しそうなイベントに見える」というのは参加の動機付けとしては重要な要素だったでしょう。
IGIはミッションデイ形式を踏襲し、統一的なミッションバッジが提供され、ガイド付きのバスツアーがあり、Ingressをデザインから切り込むという新しい試みもあるなど、非常に意欲的で楽しいイベントでした。ですが、そういったポテンシャルがありながら、それが多くの人に伝わっていない、伝える努力をしていない(ように見える)というのは、自らポテンシャルを殺しているに他なりません。
来年は国体との連動を考えているように見えるゲームノミクス研究会の飛躍を願って、この文章を公開します。
タイトルは紙の名前です。OKで始まるので王子製紙の紙ですね。
この紙は短編集の本文用紙として使っていました。というのも、書籍用紙よりも安価で、色も真っ白ではなく薄いグレーという特徴があるからです。薄いグレーといっても、色上質に良くあるグレーよりももっと薄く、読むのを邪魔しません。価格が安いというメリットも、学生時代から同人活動を続けている私には大きな要素でした。
さて、今現在、短編集の本文用紙は「大王の色上質」(ラベンダー)を使用しています。実は、本文用紙を購入するときに使っているお店である梅原用紙店での「OKプリンス上質エコG100」の取り扱いが、2008年を最後に終わってしまったからなのです。
梅原用紙店は森林循環紙と呼ばれる紙を推しています。これは、リサイクル処理をする段階で大量のCO2を排出する再生紙ではなく、管理した森林で育てた木材を使って紙を作るという、新しい紙の作り方です。
折しも2008年と言えば、年賀はがきなどを始めとした再生紙の古紙含有率偽装問題が問題になった年ですが、それ以降、OKプリンス上質エコG100の取り扱いが終わってしまったのです。
しかしそれから時は流れて2010年、グリーン購入法の基準が見直され、この紙への問い合わせも増えた結果、2011年に取り扱いが復活していたのです。
今からこの用紙に戻るかどうかは、我が家にある色上質の在庫がなくなってから考えればいいことなのですが、その時が来たらとりあえず見積もりを取ることにします。色上質の「ラベンダー」という色も余り気に入っていない部分があり、プリンスの価格次第では、元の紙に戻るという可能性は十分にあると思います。