新渡戸記念館の話題って、左右いろんな意見があるようだけど、至極シンプルにまとめると、土地と展示物は新渡戸家、建物は十和田市という状態で、建物の耐震性に不安があるから建物を取り壊す(記念館を廃止する)ということであれば、借りていた資料は新渡戸家に返すだけでいいよね。
それに対して、新渡戸家が継続的な展示を求めるのであれば、新渡戸家は自分で建物を用意して自分で展示するのが本来のやり方でしょう(つまり今までがおかしかった)。
「貴重な資料だから展示してね! ただし建物は市でよろしく!」というのは普通に考えればどこかおかしいなあと。
民間の所有物を市が建物を用意して展示するという形ですからね。全体のうちのいくつかならわかるけど、8000点全てが民間所有というのはね。
むしろ、いままで第三者からこの構造に対して指摘が無かった方が不思議。
公的施設の耐震性を審査する青森県建築物耐震診断・改修判定委員会が「市の耐震診断は適切に行われた」と判定したことを明らかにした。
新渡戸家の弁護士は耐震診断を行えば済むと言っていて、まあ実際はそうなんでしょうけど、いわゆる旧耐震(1981年以前)のさらに一つ前の1971年の大改正よりもさらに古い1965年の建物に、今の耐震基準を満たしているだけの要素があると思えないんですよね。
※建築基準法の耐震基準は1971年と1981年に大改正されている。1981年以前の耐震基準を旧耐震と呼ぶ
(そもそも、耐震評価が争点になってる時点で、新渡戸家の立場は相当弱いと思う。)
結局、今の新渡戸記念館の構造がおかしいので、こんなややこしい問題になるわけです。
まるでねじれ国会みたい。
今後も永続的に記念館を続けると言うことであれば、
にするか、
にするしか無いと思うのです。
まあ、建物に何かあったときに展示物が壊れたら確実に十和田市の責任になるだろう、そういった事態を避けたいのであれば、権利を一本化するというのは妥当な判断だと思うのです。
その一本化の手法が市と新渡戸家の間でまとまっていない以上、記念館の取り壊し→廃止はしょうが無いかなと。そこが解決しないと、次の記念館は建てられないですしね。
「Ingress×自治体」や「Ingress×諸団体」の手法については日記で何度か書いてきましたが、結論として「自治体はIngressを使った方がいい」と書いたことは一度もありません。むしろ、Ingressが始まってまもなく2年が経つ中で、Ingressに頼りすぎない方がいいと思いつつあります。なぜなら、どんなゲームでもサービス終了はありますし、特にオンラインゲームは運営のさじ加減一つでシステムが様変わりすることがあるため、Ingressに依存しすぎると後々面倒なことになる危険性があるからです。
地方自治体や商工会などは、Ingressを念頭に置くのではなく、まちおこしを念頭に置いてそこにどうやってIngressを当てはめていくか、に頭を切り換えていく必要があると思います。目標さえ間違っていなければ、そこにたどり着くためのルートはIngressだけではないのですから。
先週の土曜日、『Ichinoseki the last Saturday in August~「Ingress」で市街地まち歩き~』(以下、一関LS)に参加してきました。イベントに参加したときの行動や感想は8月29日の日記に譲るとして、イベントが終わった後に気がついたことについて書き残しておきたいと思います。
一関LSが終わり、盛岡で一泊して戻ってきた後、お願いされていたアンケートを記入することにしました。
年代やどこから来ましたかという一般的な質問にさくさくと答えていきます。イベントの感想を記入する欄を書き終え、いよいよ最終設問…というところで、その設問に「これはいい質問だ」と思わずうなってしまいました。
「道路が狭い、視界が悪い、穴が開いているなど、街を歩いて気が付いたことがありましたらご記入ください。
」
地方都市では特に顕著ですが、移動の主体は車です。歩道のことは誰も気にしていないし、歩道に気になる部分があっても、それが当たり前になってしまっていて、忘れ去られているでしょう。または、気づいていたとしても、あきらめているでしょう。
ブロックタイルが剥がれている。グレーチング(網目状の側溝の蓋)の目が粗くてヒールが突き刺さったり、自転車のタイヤが取られたりする。点字ブロック(または点字塗装)が剥がれている。いつも看板がはみ出しておかれている。いつも歩道にはみ出して車を停めている人がいる。上げていけば切りがありません。
そういうときに必要なのが、外の人の目だったり、改めて気づかせるためのきっかけなのです。
自治体にお願いされたり、研究のために都市計画コンサルタントや都市計画家がはじめにやるものの一つとしてフィールドワークがありますが、これの趣旨は、まちの問題やいいところを見つけるために行われます。
先に取り上げた質問は、「町を歩いて気づいたことがありましたら~」となっていましたが、これはフィールドワークの手法の一つである聞き取り調査であり、我々は話者(インフォーマント)としてその質問に答えたことになります。
地元の人にとっては、この質問を見た瞬間に「そういえばあそこが気になってたんだよね」と、普段は気にもかけていないことを思い出すきっかけになり、私のように外から参加した人は、記憶が鮮明なうちに、そのことをまちの人に伝える場所になるのです。
一関LSは、Ingressを使ったよくあるイベントの一つでした。
ですが、あの質問一つで、ただのイベントから、Ingressをまちづくりのツールとして活用した事例になったと思います。
まちおこしを念頭に置いたとき、地元の人には出歩いてもらいたいし、観光客にも来てもらいたい。そのためにはいくつかの手法があるが、その中の一つとして歩きやすさ・回遊のしやすさの向上が必要である。これらを解決するためにまず問題点を洗い出さないと行けない。まちを歩いてもらうためのイベントを開こう。イベントのツールとしてIngressを使えば、ゲーム性を持って楽しく歩く事ができるだろう。よし、Ingressを使ったイベントを開こう。
こういった発想の流れから開催されたイベントというわけでもないとおもいますが、あの設問によって(思わぬものを含めて)一定の成果があったのではないかと思います。
Ingressの開発者でもあるジョン・ハンケは、同僚である川島氏に対して「私は、世界をよくするためには、人が外に出ればいいと思う。もっと外に出て、動いて、人同士でつながったり、身の回りに何があるのかをよく知ること。まず、それが行われることで、世界は変わるんだ
」と言っています。
世界を、とまではいかなくても、まちを変えるために何をすればいいか。それは、まちを知ることなのです。そして現在、Ingressはそのためのツールの一つになりつつあり、一部の自治体はそのことに気づきつつあるように思えます。
さて。
一関市と同じ岩手県の釜石市。
橋野鉄鉱山の世界遺産登録や、ラグビーワールドカップを控えていることから、各種報道でホテルの部屋数が喫緊の課題とされてきました。今年の春、ホテルフォルクローロ(宮沢賢治が作中で使用したエスペラント語で「民話」の意味)が釜石駅前に完成し、ついに震災前と同等の客室数まで戻ったそうです。関係者はさぞ安堵したに違いありません。
ですが、駅前にあるフォルクローロ以外の大型ビジネスホテル(サンルート、ベイシティ、ルートイン)までの歩道は、ブロックタイルは剥がれ、雨が降れば冠水し、歩行者に優しいかと言われたら、市長から口止め料を100万ぐらいもらえたら口をつぐむかもしれませんが、100万円もらえる様子もないので、今のところは優しくないと断言しましょう。
橋野鉄鉱山のガイドを養成している事に触れたNHKのニュースで、「釜石は観光に力を入れてこなかった」、「おもてなしの心が必要だ」と指摘されていたと思います。
観光へ力を入れたいという釜石市の思惑は、果たしてどこまで観光客に寄り添っているのか。
観光客やワールドカップ以前に、地元の住民が苦労していることにどこまで気づいているか、気づくための努力をしているか。
私の目にはどれもイマイチのように映ります。
釜石市に限らず、どこの自治体、どこの住民も、まちを変えるために、今一度、自分の住んでいるところを見つめてみませんか?
もし出不精と言うことであれば、Ingressがお勧めです。
20日にタブレットをタッチパネルの方から道路の上に落としてしまい、画面が表示されるものの操作を受け付けない状態になってしまったのですが、最近発売されているタブレットに、魅力的な製品がなかったので、斜め上の発想と言う事で、Nexus7(2013)の中古品をソフマップで購入しました。
さて、ようやく届いたというところで、とりあえずOSを5.1.1まで上げてIngressをインストールして、街を歩いてみます。
「あれ? なんかGPSの反応が凄く悪いよ?」
たまたまその日は雲が厚い日だったのでGPS信号が弱かったのかなと思ったのですが、二日経っても三日経ってもGPSが改善しません。なんとなく嫌な予感がしたので、GPS
TESTというGPS信号の状態を確認するアプリをインストールして起動すると………。
あ、だめだ、これ。
そこから先は怒濤の展開で、
うん。なんか無駄にAndroidのインストールとかに詳しくなった気がします。
ちなみに、最終的な落ちは、ヨドバシで全く新しいタブレットをポチりましたとさ。