9月の日記

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2011年9月6日 (火曜日)

QSK(急にしょっぱいものが食べたくなったので)

 時々無性にあるものが食べたくなったりすることってあると思いますけど、ここ数日無性にラーメンが食べたいのです。無意識のうちにGoogleで一風堂(博多ラーメンのお店)の所在地を調べ始めたりと、だんだん行動に出るようになってきました。
 なので、衝動を抑えるというわけではないのですが、急にしょっぱいものが食べたい気持ちが爆発したので、夜中にコンビニに駆け込んでこんなにカロリーの高いものを…

 なお、この日は原稿はあまり進みませんでしたとさ。

2011年9月8日 (木曜日)

本棚再構築

現状

 捨てられない性格というか、捨てるのが嫌なので、収納スペースを拡張することで生きながらえている私ですが、拡張の仕方が酷かった故に、部屋がごちゃごちゃしていたのもまた事実です。
 しかし、部屋の広さ自体は変わらないものの、折角引っ越したので、これを機会に少し真面目に部屋を作っていこうと考えています。
 私の部屋で一番のネックになっているのはやっぱり本でしょう。漫画や小説、資料に同人誌、それら大量の本は引っ越しの時もそうですが、普段生活をする上でその量が問題になっています。そして、さらに問題になっているのが、その収納方法。無秩序に増えたメタルラックによって何とか部屋にものを収めることに成功していますが、収まり方がよろしくないのです。

【サムネイル】改善前の本棚の写真。一見シンプルに見えるが、大きさの合わないメタルラックが統一性の無さを産んでいる。 テレビ周辺のメタルラックの配置はこんな感じです。実はこれでも引っ越す前に比べれば結構まともになった方なのです。前の部屋はきちんとした収納スペースがなかったので、溢れたものをこのメタルラックの上に乱雑に積み重ねていたのです。左側の棚に収まっているピンクの背の英和辞典が逆さまの時点でもはややる気0ですね。

 と、言うことで、心のより所となる部屋を作るべく、インテリアに力を入れることにしました。インテリアと言っても、飾り付けではなく、基本的な部屋の配置だったりものの収め方といったものがメインになっていくと思います。
 インテリアを考える上で、私の部屋の場合はやはり本棚をどうにかするべきでしょう。視覚的にも質量的にも部屋の印象を決めるのはここでしょうから。

本棚の選定

 そうと決まれば真っ先に考えることはどんな本棚がいいかと言うこと。実家は親子揃って本をたくさん持っていることもあり本棚が幾つもあるのですが、どれも今ひとつです。しかし、今はインターネットがありますから、本棚について情報を集めてみるとこんな商品に辿り着くことができました
 全ての棚板が移動できるというのは本棚にとって最大のメリットだと思います。ということで、他にも幾つか検討しましたが、このラックを今の部屋に合わせてオーダーメイドで注文していくことにしました。

早速組み立て!

 商品が届いたので早速組み立てます。最終的に3台購入する予定ですが、金銭的な理由もあり、ひとまず2台注文してみました。
 オプション(500円)で棚板を1.5センチ刻みで設置できるように穴を増やしてもらいました。届いた時の写真がないのはワクワクしてさっさと開封してしまったからです。あしからず。
 早速、全ての棚板を移動できるようにする特殊な板受けを設置してみます。確かにこれは頑丈そうですね…。
 板受けにねじをつけ、実際に板を置いてみたところの写真。金属製のピンを打ち込むだけの板受けと違って、見ただけで頑丈そうなのがわかります。実際、ピンを入れるだけの棚は、棚が曲がるのもそうですが、ピンを受け止める穴が重みで広がって、ピンがすっぽ抜けることに破損も結構あるんですよね。あと、本棚そのものが横方向に膨張して、ピンが健在でも棚が落ちてきたりとか…。

 さくさくと組み立てて、写真を撮りつつでも45分で1台目が完成してしまいました。早速メタルラックを取り除いて新しい本棚を入れてみます。すごくすっきりしていますね。1枚目の写真と比べてみてもすごくいい感じです。本が溢れてしまって、本棚の上に乗っているのは、新しい本棚は今まで置いていたメタルラックに比べて幅が狭い(=収納量が少ない)からです。これはもう一台買った時に解消する予定ですので、今しばらく我慢ですね。

早速組み立て! その2

 1台目が順調でしたので、このまま2台目に移ります。こちらはテレビ台を兼ねているので、プレステを置いても問題がないようにと、オプションで配線を通す穴を開けていただいています
 組み立て自体は1台目と変わらないので製作工程は省きます。

なんということでしょう!

【サムネイル】改善後の本棚の写真。大きさが統一され、本も綺麗に収まっている。 今までメタルラックが置いてあった場所に2台の本棚を収めてみました。テレビの下に置いてあった黒い家電(LDプレイヤー)はスペースの都合で取り除いてしまいましたが、それを考慮しても印象ががらりと変わっていると思います。
 改めてこうしてみると、位置関係や大きさがほとんど変化していないのにもかかわらず、印象は変わるものですね。
 メタルラックは一見シンプルに見えてしまいますが、棚板のトラス構造(三角の部分)の自己主張が結構強いことがわかりますね。ぱっと見た時のごちゃごちゃした感じが大分薄れたと思います。
 もっとわかりやすい写真もあるのですが、それはもう1台を買って設置した時にでも一緒に公開しようと思います。

おまけ

 怒濤の配置転換により解雇されたメタルラック達はどこに行ったのでしょうか。おまけコーナーではそんなメタルラックにスポットを当ててみようと思います。

 あれ? これはこれでなかなか…。
 ということで、処分するつもりでいたのですが、このまま活用することにしました。

おまけ その2

 さて、実はこの一連の流れ、8月25日の出来事なのですが、コミティアなどもありこの時期にずれ込んでしまいました。それでもあえて日記にまとめた理由は、明後日、3台目の本棚が届くからだったりします。こうご期待!

 本棚が到着することで新たにメタルラックが1台余るので、ここで今一度全てのメタルラックをバラして、1から構築し直すことにしました。

本日のまとめ

大きな方の本棚(写真では奥の方)
  • 基本: 奥行き31×高さ117
  • 幅: 70センチ
  • 棚板: 耐荷重タイプ(オプション)×3枚(1.5センチピッチ・オプション)
  • 金額: 12,900円
小さな方の本棚(写真では手前の方)
  • 基本: 奥行き31×高さ60
  • 幅: 90センチ
  • 棚板: 耐荷重タイプ(オプション)×1枚(1.5センチピッチ・オプション)
  • 加工: 配線用穴(オプション)
  • 金額: 8,500円

 充実の性能でこの値段なら、安いものじゃないかな?

2011年9月12日 (月曜日)

本棚再構築 その2

前回までのあらすじ

本棚が届いたよ

 注文していた本棚が届きました。これで本棚関連は全部で揃ったことになります。今回は前回よりもたくさん写真を撮ったのですが、行程そのものは全く変わっていないので省略(なんて無駄な…)します。

【サムネイル】 茶色の本棚が3台並んだ写真 前回と同じようなアングルから撮影してみました。溢れていた本もすっきり(といっても入りきっていませんが)収納できていて、大分綺麗になったと思います。
 もっと少ないと思っていた建築系の資料が思う以上に多く、テレビの下のラックのスペースに収まりきらなかったので、別の場所にスペースを確保する予定です。それが終わったらテレビの下のスペースは原画集とかコミケのカタログなんかを収納しておければいいのかなと思ってみたり。
 この辺の割り振りは別のところで作っている収納スペースとのかねあい次第でしょうか。

 なお、次回の予定ですが、今度はパソコン周辺を弄る予定です。ちなみに現在はこんな感じ。机を買い換える予定なので、置き場所の無くなるプリンターやパソコン本体の位置関係に悩んでいますが、ほぼ9割形は見えています。
 一段落するのは何ヶ月先になるのでしょうか…。

本日のまとめ

一番手前の本棚
  • 基本: 奥行き31×高さ117
  • 幅: 70センチ
  • 棚板: 耐荷重タイプ(オプション)×3枚(1.5センチピッチ・オプション)
  • 金額: 12,900円
本棚の改装に要した費用
  • 本棚1: 12,900円
  • 本棚2: 8,500円
  • 本棚3: 12,900円(本棚1と同じ仕様)

 合計3万4300円ですかっ。まあ、いい買い物だったんじゃないかな。

 なお、全ての本棚は「オーダー収納スタイル」の「マルチオーダーラック」を使用しています。
 この商品、実際は別の会社で制作されていて(ようはOEM)、他の通販サイトや東急ハンズでも注文することができるのですが、ここのサイトから注文すると、選べる色が増えたり、配線用の穴を開けることができるのでお奨めです。

2011年9月13日 (火曜日)

新しいことをするためには古いものを捨てなければならない。
と言うわけでもない。

 断捨離®(商標登録、ここ大事)という言葉が提唱されていますけど、少し関連したことでも。

 百均とは便利なもので、ワンコイン(税抜き)である程度の雑貨品を買いそろえることができます。一部の商品はシリーズ化されていて、似たようなデザインのものを取りそろえることもできます。しかし、何度も利用したことがある方はご存じの通り、同じ型のものを、同じ色でそろえること、特に何年も前に購入した商品と色も形も同じものをそろえることは中々難しいと思います。
 私が百均で長い間購入し続けていたものと言えばCDラックですが、やはり同じ色をそろえるのは困難で、青に黄色に緑とよりどりみどりでした。いまそのCDラックは玄関に袋積みにされて燃やせないゴミに出されるのを待っている状態ですが、これを全て破棄して新しいCDラックに収めるというのはなかなか大きな決断でした。

 日本のお正月は年神様を迎える行事ですが、大掃除から始まる埃を払い、新しい神を迎えるという一連の流れは、掃除と言うより身辺整理にも通じるものがあるのではないでしょうか。
 リフォームと大きく出なくても、部屋にあるものを片付け、新しいものを迎える、この流れは何百年も続いてきたお正月という文化にも通じるものがあります。

 次々と新しいものを迎え、古いものをいつまでも持ち続けていては、部屋は一杯になってしまいます。新しいことをなすためには古いものを断たなければならないのです。

 と言っても、我々日本人には難しいでしょう。
 ヨーロッパと日本の大きな違いは、古いものに対するものの見方があります。ここ数十年でその考え方は変質しているようにも思えますが、ヨーロッパの建築史からそれを紐解いてみましょう。

 酷く強引に解説すると、ヨーロッパの建築は過去の否定から始まります。今の様式ださくない? 昔の方がイイのあったじゃんという軽い会話かどうかは知りませんが、往々にして様式が切り替わるとがらっとその形が変化します。新古典主義やゴシック・リヴァイヴァル、ネオ・ルネサンスなんかは今の様式ではなく、もっと古い様式の方がよかったと現在を否定して過去を掘り起こすような流れでしたし、ヨーロッパの歴史というのは平行する二本の線を行ったり来たりしていることが多いのです。
 それに対して日本は、過去の様式を認めつつ、新しい様式を生み出します。有り体な言葉で表現すれば「古き良き」ですね。中国人が自国の建築文化を学ぼうとした時、日本にやってくると言いますが、それは古代中国の建築様式を未だに日本が持っている(当時の物も存在しているし、物はなくても様式は残っている)のもあるでしょう。
 日本人、日本の文化というのは引き継ぎの文化なのです。そう言った文化が今の日本人にも未だに根付いている(と信じたい)ので、多くの日本人はものを処分することをためらうでしょう。

 そういう日本人の特長を生かした物の処分方法として、「いる物/要らない物」ではなく、「いる物/譲る物」と分類すると、仕分けが捗るようです。
 往々にして日本人は「もったいない」を口にするため、処分するのをためらうわけですが、処分ではなく譲る(または売る)と考えれば、片付けも捗るのではないでしょうか。


 蛇足ですけど、そう言った意味で、中古市場というのは最初の制作者に金銭をもたらさないという問題さえ解決すれば、今以上に発展するのではないでしょうか。
 やがてその流れが「家」にまで押し寄せた時、ヨーロッパ諸国の木造住宅の平均寿命より圧倒的に短い日本の木造建築の寿命も延びていくのではないか、そう考えてしまいます。

 日本の住宅って、構造的には問題ないのに、20年そこらで建て替えてしまいますからね。不動産の価値評価も20年経てば0円(ヨーロッパやアメリカは価値が上がっていく)ですし、20年で壊されるならと業者も手抜きで工事しますからね。
 日本人の抱く「夢のマイホーム」なんて言うのは、現在の社会システム的には非常にあほらしい発想なのです。

 スクラップアンドビルドという発想が、ストックアンドビルドに変わる日は訪れるのでしょうか。

2011年9月20日 (火曜日)

「ReSin-ens 遼なる風、彩りの音、肌を掠める颯」執筆日記

 ここ数ヶ月の執筆状況をExcelで管理していて、締め切りから求められる理想とする進捗率や現在の進捗率をグラフ化しています。その一端が先日からトップページにつけた進捗率グラフなのですが、既に倍近くの差が付いており、目標とする10月中頃完成はほど遠い現状になっています。
 しかし、10月のコミティアへの新刊持ち込みが絶望的になったとしてもこのペースは維持して原稿は書いていきますので、もうしばらくお待ち下さい。ひとまず、コミティアへの持ち込みの可否は今月末にこのスペースやトップページでアナウンスする予定です。

 ひとまず現状を把握しようと、12月末で原稿を仕上げるペースで書いたらどうなるかと言うのも求めてみたのですが、現在のペースがちょうど12月末完成ペースなんですね…。中々うまくいかない物です。

 さて、前回本文を紹介してから一ヶ月ほど経ってしまいましたので、また本文の一部を紹介してみます。

音瀬シナリオ 第22章(予定)より

 オーブンレンジからケーキ屋さんの匂いが漂ってきていた。新河流の商店街を歩いている時の匂い。中央の広場を通り過ぎ、最初の交差点を右に曲がった時に漂ってくる匂い。ショコラの扉を開く前に一層強く漂ってくる匂い。
 卵にバター、グラニュー糖に薄力粉、それぞれがオーブンレンジの中で溶け合い、食べてごらん? と語りかけてくる。オーブンレンジの音もその声を囃【はや】し立てている。
「なんかケーキっぽい」
 なんて言えばいいかわからなかったけど、とにかくケーキっぽい。スポンジと生クリームだけなのに、これだけでケーキという感じがひしひしと伝わってくる。そしてその匂いは、右腕にじわじわと染み込んできて、内側からこりをほぐしていく。オーブンレンジから伝わってくる熱に反応したのか、すっと汗が流れ、腕を伝っていった。
「爽やかね」
 クラブや部活に入ったことはないけど、料理クラブはこんな感じなのかな。
 オーブンレンジが甲高い音を一度だけ鳴らし、静かになる。それを合図に、ミトンを穿き【身に着け】扉を開くと、音が聞こえてきそうな勢いで周囲に香りをまき散らした。
「なんかそれっぽいかも」
 トレイを引き出し、スポンジの入った焼き型を調理台に移す。ふかふかと焼き上がったそれは、テキストの写真のようにふくらんで―――。
「あれ?」
 あまりふくらんでいない。熱いのを覚悟して指でつついてみると、今まで何度も食べてきたケーキのスポンジとは違う弾力が指先に返ってくる。
「だ、大丈夫」
 と信じたい。このショートケーキは練習で本番はもう少し難しいのを作ることにしているのに、こんなところで躓いているわけにはいかない。

 若干本編から脱線しているように見えますが、大事なシーンです。どういう場面かはこうご期待。

居元シナリオ 第20章(予定)より

「あのクッキー、おいしかったです」
「それ、いろんなところで言われるんだけど、おいしかったらしいな」
「あんなにおいしいクッキーは滅多に出会えないですからね。手作りですよね、あれは」
「ああ。クラスの人が作ってたよ。店長の俺に無許可で」
 クッキーにつけられた名前の通り、愛ではなく哀を丹念に練り混ぜて。
「あれ無許可だったのですか?」
「最初から手作りクッキーはあったけど、俺の知らない間に上から別の名前を貼り付けたらしい」
「えーと、確か…」
「「ウェイターになれなかった俺の執念がこもった哀のクッキー」」
 二人の声がぴたりと重なり、自然と笑い声が漏れた。
「ほんと、なにやってるんだか」
 今度は溜息混じりの笑い声がこぼれ落ちる。
 しかし、文化祭期間中で一番売れたメニューなのは確かで、それ“だけ”は俺も認めざるを得なかった。
「それにしても、文化祭から三週間以上経ったのに、未だにそう言う感想がもらえるとは思わなかったよ」
「居元先輩達の出展はすごくよかったですから。飾り付けもそうですけど、本物の喫茶店と言っても遜色ないぐらい美味しかったですし」
 肘をついたまま両手を挙げ胸元で指同士をからめながらそう言った。
「ありがとう」
「あたし、文化祭がこんなに楽しいものだと思っていませんでしたし、来年もすごく楽しみです」
「遼風の中学校って文化祭は無かったのか?」
 名前は違うかもしれないが、どこの学校にも文化祭のようなイベントはあると思っていたが、案外そうでもないらしい。
「いえ、文化祭はきちんとありました。ただ…」
 とたんに弱くなる声。目尻も、口元も、肩も、全身がしょげていくのがはっきりと見て取れた。
「あまり、楽しくはなかったですね」
 俺から外れた視線は図書館の窓を通りすぎて、既に日の落ちたであろう地平へと向かっていく。その目はどこか遠く、猫が突然立ち止まって虚空を見上げる時のような目に似ていた。

 2巻まで読んでいただいている方はご存じの通り(と言っても忘れていそうですが…)、居元シナリオは音瀬シナリオと比べて大分進行が遅いため、2巻の段階ではまだ彩音がほとんど出てきていません。ですので3巻も前半は文化祭の話を引っ張らざるを得ないのです。
 ま、ここからですけど!

 音瀬の方は22章で居元の方は20章というのにも理由があります。音瀬のイベントは元々21章の予定だったのですが、物語の進行を見直して22に章に移動したため、音瀬の方だけ異様に進んでいるように見えます。

初出: 2011年9月1日
更新: 2011年10月1日
著作: 鈴響雪冬
Copyright © 2011 SUZUHIBIKI Yuki

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