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電子コミュニケーションのコミュニケーションとしての特徴

 電子コミュニケーションシステム(以下ECS)を利用した電子コミュニケーションは、情報交換を円滑に進め、その情報や内容は社会的立場や国際間の時差、距離を超越し共有することができ、それらを手軽に楽しむことができる、といった特徴を持っている。そして、このコミュニケーションには大きな可能性がある。以下、このことについて論じる。

 ECSは『端末』と『通信網』を使い、処理される。端末を利用すれば誰でも発信者、受信者になることができる。そして、端末同士の通信速度は今や光の速さに到達しようとしている。端末は、パーソナルスペースを無視し、目の前に実際の人間がいないことによる安心感、不安感を与える。そのことにより、利用者は相手を罵倒したり、自分を偽ったりすることができる。また、いつでも接続、切断をすることができ、自分の好きな時間に利用することができる。たとえ相手が寝ていても、メッセージを発信することができる。ECSはWebネットワークを通じ、世界中と情報を共有したり送受信することができる。異文化間でのコミュニケーションが容易だと言うことがわかる。また、ネットワークには距離も存在しない。

 近年、画像や動画といったマルチメディアを利用する情報が増えてきたが、その大部分は未だにテキストを主体としている。これは、情報のチャンネルが少ないことを示す。故に、受信者側は少ない情報(チャンネル)によって、情報の信憑性や発信者を判断することになる。また、ECSによって提供される情報やコミュニケーションは、一部の人を情報傷害へと追いやる危険性を持っている。現に、盲目の人はECSを利用し、コミュニケーションをする機会が増えたが、画像や動画といった情報をスクリーンリーダーによって読みとることはできない。近年急激に発達したECSだからこそ、まだ需要に供給が追いついていない部分が多い。

 しかし、ECSを使ったコミュニケーションは、端末を持てば、誰でも利用できる。そして、その向こう側には世界中の人がいる。部屋から一歩も出ることなく、人はコミュニケーションをとることができる。体が不自由でコミュニケーションをとることが困難な人も手軽に会話を楽しむことができる。『引きこもり』の人も、インターネットを介してコミュニケーションをとっていることが多い。人と触れ合うことが怖い人も手軽に楽しむことができるのだ。
 電子コミュニケーションは新しい一つの選択肢となるだろう。技術やハードウェアの問題などもある。法律の規制もまだ甘い。しかし、単なる通信から始まった電子コミュニケーションは、今や対話も実現するという大いなる可能性を秘めている。その可能性が最大の特徴である。

作成: 2004年2月7日
公開: 2004年2月22日
著作: 鈴響 雪冬
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