満月の夜、モビイ・ディックが

不思議な二人の関係を楽しみたい貴方へ…

お風呂上がりの一冊

今回紹介する本は、
『満月の夜、モビイ・ディックが』
という作品です。

前回紹介した、『世界の中心で愛を叫ぶ』と同じ作者の本で、ジャンルは恋愛です。
雰囲気は一気に変わります。
大学生の主人公は少女と出会う。ただ、その少女は主人公にとってただの女でしかなかった。
その直後現れる不思議な女性…。主人公の心は完全にとらえられる。
言葉を交わし、カラダを重ね、二人はつきあっていく。
とある事件をおこし、抗争に巻き込まれる主人公は、友人とその少女とともに家を飛び出した。
その途中で巻き起こる一つの事件。
主人公は成長し、彼女も又成長するのだろうか。
そして、二人の愛の行方は…私たち読者にゆだねられた。

内容的には恋愛で、世界観もふつうなのですが、どことなく不思議な雰囲気に包まれています。
ヒロインの子の深層心理を読み切る事が出来ないほどでしたが…。
奥行きが深く、未来が私たちに提示される形の小説なので、読んでいて楽しいものがあります。
ヒロインがなぜ、あのような行動に及んだのか…主人公はどうしたのか?
いろいろな謎が奥底で流れる、純情な心を持つ恋愛小説です。
読んでみてはいかがでしょうか?

情報

著者名: 片山泰一
出版社: 小学館
タイトル: 満月の夜、モビイ・ディックが
ISBN: ISBN-4-09-386114-5
価格: 1300+税
初版: 2002年12月10日

初出: 2003年10月24日
Copyright © Suzuhibiki Yuki

Fediverseに共有