空の彼方へ… ~Wing of Wind~

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三代目

期間: 2002年2月13日~2003年11月16日

空の向こう…そこには何があるんだろうか…
宇宙…?
そんなちっぽけなものじゃない
もっと大きい何かがある…
あるものはみんな違う
でも、何かがあると信じている
そして、そこを目指して飛び続ける
幸せ…喜び…夢…希望…全てを持ち、飛びつづける
さぁ…貴方も飛び立ってみませんか?
無限の空へ…
そんな貴方に送る…この場所
さぁ…飛びたて! 空の彼方へ!
風の翼を持って…
貴方の貴方自身のための何かを見つけるために!

四代目

期間: 2003年11月17日~2003年11月25日

人はなぜ空を見上げるのだろうか?
人はなぜ空を自由に舞いたいと幾千年の間考え続けたのだろうか?
そこには未知の世界があるからだろうか?
我々の理解を超えたものがあるからだろうか?

わからない。
でも…そこに何かがあるから…あると信じているから人は空を見上げる。
もしかしたら…そこには…幸せがあるのかもしれない。喜びがあるかもしれない…。
夢? 希望? 永遠? 失った何か?
貴方も飛び立ってみないか? 私たちと一緒に…。
そんな貴方が空へと旅立つための羅針盤…。
『空の彼方へ… ~Wing of Wind~』
さぁ…飛び立て! 空の彼方へ!
風の翼を持って…
貴方の貴方自身のための…何かを見つけるために…。

五代目 “風の翼を広げて”

期間: 2003年11月26日~2004年4月18日

ふ、と、空を見上げると、雨の粒の一つが頬に当たった。
思わず目を瞑ってしまう。そして、また、上を見上げる。
薄暗い雲が空を覆い、そこから地を目指して降り注ぐ幾億もの光の粒。
地上で音を発し、波紋を広げ、流れ…私の知らないところにたどり着き、また空へと還っていく。
私は、いま、一つの命の流れを………微分して…その一瞬のきらめきを見ている。
そう…長い時の流れの一部を取り出して………極限まで短くして…その一瞬の時を見ている。
雨の一生のほんの一部を…。

私の一生を見ているのは誰?
ねぇ、私はどうしてここにいるの?
ねぇ…私がするべき事ってなんなの?
ねぇ…君は知ってるの? ねぇ…おしえて…よ………。
私は何処を目指せばいいの?
君は今、地上を目指しているんだよね?
そして空を目指すんだよね。
じゃあ…私は何処を目指せばいいの? ねぇ…黙ってないで教えてよ………。
お願いだから…。

次第に強くなる雨。周りの人が傘を広げていく。
私の周りを避けるように通っていく。
ずぶぬれになった制服は重くて…それだけで気だるいのに………
私はずっとそこから動けなかった…。
自分が何処を目指していいか………わからなかったから………。

人は何かを求めて空を目指す…空を見上げる………。
きっと…そこには何かががあるから…。
空を目指す貴方への羅針盤…空の彼方へ…Wing of Wind…。
私たちと共に行きましょう…空の彼方へ…風の翼を広げて…

七代目“水たまりの向こうの空”

期間: 2004年9月3日

「空を見上げようよ」なんて人間はよく言ったものだ。
その言葉を聞くたびに私はショックを受ける。
あの人達にとって『空』っていうものは自分の上にしかないものなんだな、って。
そう思うと、可哀想でしょうがない。
だってほら…こうして足元を見ても確実に空はある。

雨の中で傘もささずに立ちすくんでいた私。
どこを目指していいかわからなかったから。
自分が何をしたいかもわからなかったから。
雨がやんで、空が晴れても…私はまだ…そこにいた。
水たまりに映る青空は何時も見ていた空と違って、どうしてかすがすがしい。

涙の後に見る空…。水の中にある空…。
そんな二つのものが重なっているからなのかも知れない。

都会を埋め尽くす人とアスファルトとコンクリート。
そのどこまでも無彩色の世界にある唯一の色…青い色…。

真っ黒に埋め尽くされた自分の心。
前も見えないし、後ろも見えない。
でも、その中に一つ、光があったら…きっとそこに向かって歩いていけるかも。
ね、水たまりさん♪

ぴちゃんとひとつ音をならし、私は水たまりを越えた。
うん、いけるかも♪
アスファルトの上にある一つの色のように、私の心にも光が差した。
きっと、見つかるから。
私の欲しいものは、あの水たまりの向こうにあるから。
だからね、一緒に行こう?
空の彼方へ。

四周年特別版 “此処は未だ目的地への分岐点”

期間: 2005年10月15日

手に風を抱いて
足に力を込めて
頭に夢を描いて
胸に希望を抱きしめて
背中の羽根に風を迎え入れて
天の原を目指して飛び立って
もう四年という月日が流れた

子供の頃に見上げた蒼はあんなに遠くて
あんなに大きくて
あんなに玲瓏としていたのに
大人になってから見上げた蒼は確実に近づいたのに
こんなに小さくて
こんなにくすんでいた

だから 忘れかけたあの色を見るために僕は飛び立った

まだ 辿り着けない思い出の色
でも 何時か巡り会える随想の色
それは 勿忘草のように深く青色で
何時までも 記憶に残り続けて
僕を 手招きしている

旅の途中で出会った少女と手を繋ぎ 終着駅を見つめる

いこうか?
うん

此処は未だ目的地への分岐点
天の海はもっと遠くにある
だから、僕達は羽ばたき続ける
遠い遠い………遠い…空の彼方を目指して

初出: 不明
更新: 2005年10月16日
制作: 鈴響雪冬
Copyright © 2005 Suzuhibiki-Yuki

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