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ここでは「文章修行家さんに40の短文描写お題」で配布している『文章修行家さんに40の短文描写お題』を元にした短編の小説を掲載しています。
どんなに小さくて、短くて、弱々しい言葉にも、ちゃんと言霊はあるんだよ。
お題の趣旨に添って、連作にはせず、65文字以内で、場面の描写をすることとします。
気分転換にのんびりと書いていければと考えています。
無秩序で、誇りもなく、はしたない様相で、他愛のない暴露話を聞こうと記者が会見場に詰めかける。別に世界が変わるわけでもないのに。
「可憐で、愛らしくて、端麗で、しおらしくて、清楚だね」
彼女が笑った。
「ごめん、うそ」
彼女が笑った。
膝が抜けるという意味を初めて知った。立ち上がることすら困難な自室のドアの前。空虚な部屋と一枚の手紙。それが僕の卒業だった。
猫を追いかけていたら知らない街にたどり着いていた。猫を見失ったのは残念だけど、今度は僕が猫になる番だ。
森羅万象は学び終えた。ノーベル賞も最年少で二つも手にした。
そんな僕が今一番欲しい知識は、君が怒っている理由だ。
ズルズル。
「ごちそうさま」
コリコリ。
「またくるよ」
シャキシャキ。
「いらっしゃい!」
西暦8653年。ここは木星のレストラン。
彼女がいつもため息をつく私の書斎。
一言で言うと、雑然、奔放、自由。
一言で言えないぐらい汚い。でも「らしいね」と言ってくれる。
人以外なにもないような電車の中、節電のためと言って開けられた窓から風が入り込む。頬を撫でるそれは、正面の高校生より柔らかかった。