掌編小説

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フラれたけど、私は元気です

 ゆっくりと時間は流れる…。
 本当にゆっくり? と聞かれると、早いような気もする。
 そんなの、わからないよ。
 その日、その時、その場所、その人…。
 全て…違うから…。
 少なくとも、私にとって長かった。
 そして…短かった。
 私にはこの人しかいないって思ってた。
 でも、そのひとは永遠の人じゃなかった。
 私達…やっぱり上手く行かなかったのかな?
 このまま続けてもダメだったのかな?
 ねっ…教えてよ。
 ………………………。
 わからないよね?
 いつも君が座ってた机。
 まだ…その主は来ていない。
 そっと撫でた指先が熱を帯びる。
 君と同じ景色を見て見たくて掛けてみた椅子。
 こうやって…空を眺めてたんだね。
 いつも…いつも…授業中…。
 …。
 未練が無いといったら嘘になる。
 私にとって君はそぉゆう人だった。
 けどフラれた。
 家にかえって、魂抜けたかのように、ベッドに倒れこんじゃったけどネ。
 泣いて泣いていーーーっぱい泣いて…。
 色々考えた。
 時間が解決してくれるのを待っていたんだよ。
 会いたくて、会いたくて仕方なかったけど。
 ずっとときが過ぎるのを待った。
 そしたら自然と明るくなれたんだ。
 うん、私ってこんなもんだって納得した。
 今でも忘れてはいないんだよね、好きっていう感情はないんだけど。
 だからね、こうしてここに来てるんだから。
 ばっさり髪も切ってスッキリして…。
 私は今は元気。
 一人になってから一人で出かけることが多くなった。
 何時も後ろだった自転車だって、今は自分でこぐ。
 そのときに何時も思い出すんだ。
 一人なんだ…。
 昔は君とだったって。
 自転車で走ってるとカップルがやたら目につくんだよねぇ。
 それもラブラブが多いんだよ。
 嫌味なぐらいね。
 でもそんな時、すれ違いざま、追い抜きざまに
「何時までも幸せにネ」って心の中で言ってあげる。
 はじめはダメだったよ。
 通りすぎるのが辛くて…いっつも、目、そらしてたけど、それじゃあダメだって気がついた。
 少しでも前に進まなきゃねって。
 勇気をだして心の中でそういったら、急に自分でもわからないけど、自然に笑顔になったんだ。
 あっ、これが私か…って。
 そっ、私は今でも元気です。
 辛くても、何時かは終わるもん。
 それが人間だもん。
 ビシッと音を立てて机をたたいた。
「後悔させちゃる。今に見てろよっ」
 そして言わせてやる。
 『見違えるようになった』って…。
 そしたら言い返してやる♪
「交際はお断りします」って、笑顔で。
 君の笑顔が見たくて、一生懸命だった自分をねぎらってあげる♪
『お疲れ様っ!』
 そして、
「また、頑張ろうっ!」

 ゆっくりと彼のいた教室を後にした私だった。

初出: 2003年7月21日
更新: 2004年12月14日
原作: 鈴響 雪冬
著者: 鈴響 雪冬
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