一つの情報は他の多くの情報に埋もれ、流れていく。全国紙や全国版のニュース、まとめサイトでは衝撃的な見出しだけが一人歩きし、その真意には触れられない。
どれだけの人が今の姿を知ることができるのでしょうか。
これは、浪江町中心部のありのままを撮影した写真集です。
2017年3月31日、中心市街地の避難指示が解除された。それから1年と半年。
前半では駅前、表通り、それらの夜の景色など、現在の浪江町の中心部の景色を収録。
かつて2万人が住んでいた浪江町には2018年10月末時点で853人が暮らしている。
空き家解体、新築の建物、夜道を照らすお店など、胎動するその姿が見えてくる。
後半ではそれらにスポットを当てた写真を収録。
2018年4月15日、日曜日。
最初は興味本位だった。有志が開催する、位置情報ゲーム「Ingress」を活用した「街歩き」に参加するためだった。
駅から降りたって目の前に広がる光景に違和感を覚える。大槌町に初めて訪れたときとは違う違和感。
建物はたくさんある。なのに人が居ない。
すれ違うのは防犯パトロールをする車と一般車両。歩いている人は皆無。
無人の廃墟の中に生活の気配が微かに漏れ出ている、そんな光景だった。
2018年10月19日、金曜日。20日、土曜日。
今度は腰を据えて見つめよう思った。夜の光景、朝の光景を見るために。
相変わらず人は少なく、すれ違うのは防犯パトロール、一般車両、工事車両。
だが、建物の解体は少しずつ進み、建築中の家や店が姿を見せつつあった。
灯りは少なく、人影も少ない。
しかし、以前よりも確かに、人の生活を感じられた。
これは、少しずつ胎動を始める浪江町の、ある日の光景を切り取った写真集である。
福島県浪江町が東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)と福島第一原子力発電所事故で傷つきながらも前進しようとしているその姿を切り取った写真集です。
2018年4月15日(日曜日)、2018年10月19日(金曜日)、20日(土曜日)の三日間で撮影した写真50枚(表紙を含めて52枚)を収録。
駅前、シャッター街、住居、放射線、夜、新しい動きといったテーマに沿って写真を選定しました。
既刊の大槌町の復興記録写真集とは違い、復興の様子を追ったものではなく、その時の姿を収めた写真集です。
また、駅前周辺の中心市街地のみに絞った写真集です。
A4・28ページ・オールカラー・800円
ジャンル | 情報・評論(写真集) | |
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発行日 | 2018年11月25日(COMITIA126) | |
仕様 | 頒布価格 | 紙の本:800円 電子版:720円 |
大きさ | A4縦 | |
ページ数 | 28ページ | |
作者 | 写真 | 鈴響雪冬 |
文章 | 鈴響雪冬 | |
装幀 | 鈴響雪冬 | |
印刷・製本 | 表紙 | 4色フルカラー |
本文 | 4色フルカラー | |
印刷・製本 | 株式会社グラフィック | |
印刷方式 | オンデマンド印刷 | |
製本方式 | 並製本・中綴じ |
この写真集は個人製作の同人誌です。浪江町、各種施工業者の業務や職員とは一切関係ありません。業務の妨げとなりますので、各所への問い合わせ等はおやめ下さい。
問い合わせについては当サイトのメールフォームよりお願いします。
2019年2月17日に完売しました。紙の本の再販予定はありません。
BOOTHはPDFファイル、BOOK☆WALKERはEPUBによる配信です。各ストアによる違いは「通販・ダウンロード販売」をご覧ください。
この作品の電子版は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大する、引用することなどはできません。また見開きでの閲覧を前提としているページが含まれるため、タブレットやPCなど、大きな画面での閲覧を推奨しています。
この同人誌は以下の図書館で閲覧や貸し出しができます。開架場所は2019年2月28日時点の情報です。最新の情報は各図書館のOPACをご利用下さい。
「浪江町 2018年ある日の光景」は、「震災記録を図書館に」に賛同し、福島県立図書館に寄贈を行っています。閲覧、貸出を承っておりますのでお気軽にご利用下さい。
既知の誤字脱字はありません。
既知の誤字脱字はありません。
初版発行当時の記載において情報が不足していると感じた部分があるため、下記のように表現を改めました。
ページ | 誤 | 正 |
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5ページ 下段 |
国道114号線(富岡街道)の様子。開いているお店はほとんどない。正面の店はのれんのようなものが破けていることからも、定休日というよりは休業しているように見える。 | 国道114号線(富岡街道)の様子。開いているお店はほとんどない。正面の店、長岡家(昭和3年創業)は浪江の銘菓「小石饅頭」を製造していた。一時は休業したものの、2014年12月28日より移転先の会津若松市で営業を再開した。 |