6月の日記

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2015年6月6日(土曜日)

奥入瀬渓流

 地元の人ほど行かないというのは結構あると思いますけど、もっと厳密に言うと「ちょっと地元の人ほど行かない」になると思います。本当に地元なら空気のように毎日触れ合ってますからね。青森県人の全員が三内丸山遺跡に行くわけじゃないですしね。
 さて、十和田・八甲田周辺を代表する観光スポット「奥入瀬渓流」は、私にとっては通路という認識で、通ることはあっても降りて歩いてみるというのはほとんど無かったと思います。でもまあ、たまにはこんなのもあっていいよね。

葉っぱの隙間から覗く川の流れ
α5100(ILCE5100) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
5sec, F11, ISO100, 59mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 普段はトリミング上等、その他編集上等というスタンスの私ですけど、これはJPEG撮って出しに近い(RAWに対して周辺減光・歪曲修正、色収差除去を施したのみ)です。
 三脚を設置してじっくりアングルを決めるのも結構楽しいですね。こういうのをやると水準器付きの微動雲台が欲しくなります。

奥入瀬渓流最後の急峻な流れが美しい。
α5100(ILCE5100) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
5sec, F11, ISO250, 57mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

2015年6月13日(土曜日)

一週間がかりの計画 in 横須賀・猿島

書き出し(Ingressを含めた前書きに興味ない人はすっ飛ばして下さい)

 Ingressというゲームをやっているのは日記でも何回か触れていますけど、そんなIngressを自治体として早くから活用している岩手県と横須賀市のコラボレーションミッションがあります。(詳細は岩手県庁ゲームノミクス研究会(旧岩手県庁Ingress活用研究会)内の「岩手×横須賀 友情の架け橋ミッション」参照)
 そのミッションは、岩手県(盛岡市)と横須賀市にそれぞれ存在する米内光政にまつわるポータル(ゲーム内の拠点。Ingressはポータルのある場所に実際に行くことから始まる)を巡るという壮大なミッションです。Ingressのミッション(指定されたポータルを巡るといったクエストがIngressには無数にある)は一般的に数分から数十分程度で終わるものが多く、移動距離もほぼ徒歩か自転車で完結するものが多いのですが、これは盛岡市と横須賀市を股に掛けた壮大なものです。類似のミッションに「日本6大ドームツアー」という、名前で察して下さいというミッションや「四国88ヵ所巡り」というこれもまた名前でお察し下さいというミッションがありますが、「岩手×横須賀 友情の架け橋ミッション」も大規模ミッションの一つだと思います。

 さて、そんなIngressでは5月から6月にかけて「ペルセポリス」というイベントが開催されていて、国内では6月20日に仙台で開催されることになっています。その翌日、東北の各地で「Mission Day」というイベントが別途開催されるのですが、私はそれの盛岡に参加する予定です。
 さてここで盛岡というキーワードが出てきましたが、折角盛岡に行くのなら、事前に横須賀に行っておけば夢の架け橋ミッションを終わらせることができるんじゃないかという答えに行き着き、さらには、どうせ横須賀に行くなら前々から行きたいと思っていた猿島にも行こうということで、勢い余って猿島まで行ってきました。Ingress的にも横須賀・猿島はいい所ですしね

 猿島は縄文時代から人が住んだ形跡があるという島ですが、幕末から第二次世界大戦にかけては防衛拠点としても使われた島です。いわゆる(お)台場ですね。台場としての歴史と東京湾内の最大の自然島が組み合わさって、レンガ・石垣・苔という一部の人にはとても人気のあるスポットだと思います。

猿島へ

 三笠桟橋から猿島行きの船に乗ること僅か10分、猿島へ到着です。海水浴場として整備されていることもあって結構お客さんが多い印象です。遊泳は7月からのようで海で泳いでいる人はいませんでしたけど、浜辺ではバーベキューが至るところで行われていました。
 桟橋から海水浴場までの間だけは台場というイメージが全然わかないぐらい綺麗で、看板がなかったら普通のビーチにも見えますと思いきゃこんなのがごろんと置いてあったり。何となくエンジンっぽいですね。

 そんなエントランス部分を抜け、いよいよ心臓部へ向かいます

鬱蒼とした緑のなかに突如として現れるオレンジ色のレンガ。
α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/60sec, F5.6, ISO200, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 猿島と言えばまずはここだと思います。兵舎で兵士が中で寝泊まりしていたようです。レンガはフランドル積み(フランス積みは誤訳)ですね。日本では数少ないのでこうやって見られるのは希少かもしれません。
 それにしても苔が素晴らしい…!
 前の写真で奥の方に写っている煉瓦造り部分は弾薬庫ですけど、そのレンガ積み部分をアップにして一枚。長手と小口が交互に現れる様はまさにフランドル積みですね。

苔に覆われた石垣と樹木でできたトンネルの向こうにレンガ積みのトンネルが見えてくる。
α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/60sec, F5.6, ISO2000, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 兵舎と弾薬庫を抜けると煉瓦造りのトンネルが見えてきました。苔と木漏れ日が何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
 トンネルの中は真っ暗。幾つか横穴があり、砲台や弾薬庫に通じる階段があります。

苔に覆われた石垣と樹木でできたトンネルの向こうにレンガ積みのトンネルが見えてくる。
α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/60sec, F6.3, ISO2000, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 暗く長いトンネルを抜けると一瞬開けた場所に出ます。開けたと言っても苔やら樹木やらで種類の違うトンネルの中を通って居る気分になりますね。

 自然島ということだけあって、島内にはいろんな植物が見られますけど、咲いている紫陽花も品種改良されたセイヨウアジサイではなくガクアジサイですね。写真では分かりづらいですけど、ガクアジサイの中でも比較的花が大きいように感じました。
 しばらく歩いていると島の北側にある砲台跡に出ました。久しぶりに海を見て「そうか、ここは島だった」と改めて認識します。桟橋が南側なので、南から北へ抜けた格好ですね。

砲台が設置されていた跡地(かろうじて土台コンクリートが見える)を木々が取り囲む
α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/60sec, F5.6, ISO160, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 元々は砲台が設置されていた場所も、今では木々が覆い尽くしています。土台と思われる円盤状のコンクリートだけが当時の面影を残しているように思えます。

 いくつかあるレンガのトンネルの一つ。表面をモルタルのような物で化粧をしていたのか、所々白く残っていますね。それにしてもこれだけ細かいレンガでこれだけ大きなアーチ空間を作れるというのは驚きです。よっぽど精度が高いのでしょう。

辺り一面緑だらけのように見えて、石垣や木漏れ日がアクセントを加えている
α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/60sec, F5.6, ISO3200, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 さて、最初の通路に戻ってきました。本当に苔と石垣と緑という感じです。木漏れ日が石垣の一部を照らし出していてとても幻想的です。同じ通路を上から見てみるとまさに原生林という感じです。こういう自然が人工物を侵食するというか駆逐する風景ってなぜか美しく思えるんですよね。自然すごいなー(小並感)。

 元来た道を戻っていきます。石畳はいかにも整備したという感じですが、土とそれに立ち並ぶ木々はまさに自然ですね

 途中途中でIngressをしながらもぐるっと一周回って一時間半ぐらいでした。
 ガイドツアーも組まれていて、そちらに参加すると普段は入れないところも入れるようですので、興味がある方はガイドツアーに参加した方が解説付きでじっくり回ることができるでしょう。ただし、団体での移動になるので、写真を撮るのは(人が映り込まないようにするという意味で)難しくなりそうですね。ガイドツアーで一周回って、もう一周じっくり回るというのもありだと思います。

 ということで、グッバイ猿島

猿島の写真の所感

 最初は広角から中望遠(35mm判換算で24-105mm)のレンズをつけていたのですが、中に入ってこれは超広角の方がいいとすぐにレンズを取り替えました。気がついてみたら全て超広角レンズでの撮影になっていましたけどね。
 この日記を書き始める前、たまたま目にしたのですが、SONYのカメラには1/60s病とも言うべき、超広角レンズをつけても絞り優先だとシャッター速度が1/60sより遅くならないという欠点があるようで、日記用に写真を整理していて実感することができました。こういう場面だと絞りとシャッター速度を手動で設定して、ISO感度だけカメラ任せの方が良さそうですね。

2015年6月16日(火曜日)

フィルター

 カメラのレンズの前には各種フィルターを取り付けることができるのもレンズ交換式カメラの魅力ですけど(コンデジでも専用のアタッチメントがあったりしますけどね)、同じ効果のフィルターでも各社から出ているほか、一つの会社の中でも(主に値段が)違う製品がたくさん出ています。
 例えば、レンズに入ってくる光の量を調整するNDフィルター(減光フィルター)は、Kenkoというメーカーの中だけでもこれだけの種類があります。

 効果としては全て同じで、レンズに入ってくる光の量を1/8にするフィルターですが、なぜか3種類もあります。一般的に値段が高くなればなるほど、フィルターの枠が薄くなったり、写真写りに対する悪影響が少なかったりといった事が言われていますが、いまいち違いが分かりづらいです(メーカーも積極的に比較したがらないし、比較記事を書く人も多くない)。
 商品の紹介文も全ての商品に「ニュートラル性がきわめて高く、色再現性に優れた高精度のニュートラルグレー(中性灰色)フィルター」と書かれていますね。何となくPROとPRO1DはPRO1Dのほうが枠が薄いように見えますが、PRO1DとZetaの違いはいまいちよく分かりません。ちなみにPRO1DとZetaの枠は同じ厚みです。

 ですが今回たまたまZetaとPRO1DのND8を同時に購入したのでちょっと興味本位で見比べてみたら、明らかに色が違う。PRO1DとZetaを比べると、Zetaのほうがニュートラルグレーと言える色になっていて、PRO1Dは青みがかっています。これはもう、反射を防ぐコーティングの品質とかそれ以前に、これだけ色が違うのは商品としてどうなんだろうと思ってしまうレベルですね。

 ちなみにPLフィルターはMARUMIのEXUSとKenkoのZetaを持っていますけど、EXUSの方がコンマ5ミリほど枠が薄い上に透過率が高いように思えます。MARUMIのEXUSは防汚コーティングが秀逸なので使い勝手がいいのですが、反射防止コーティングの質がそんなに高くないように思えます。ただ同じ効果のフィルターでEXUSとZetaを比べたことはないので、これについては具体的に言えることはありません。
 某匿名掲示板のフィルター総合スレとか見に行くと面白いことがわかるかもね。

2015年6月20日(土曜日)

ミッションデイの前日から、ミッションは始まっている

いざ行かん、盛岡へ

 仙台でペルセポリスが始まる頃、盛岡行きの電車に乗りました。当日の朝出発しても十分間に合う中での前日出発の理由は「岩手県×横須賀市 友情の架け橋ミッション」である「(YKSK)岩手×横須賀 友情の架け橋ミッション」をクリアするため、そしてもう一つ、こちらが最大の理由なのですが、「前日入りして飲む」という目的があったからです。
 「岩手県×横須賀市 友情の架け橋ミッション」には横須賀から始まるパターンのミッションと岩手県から始まるパターンのミッションがあるのですが、今回プレイしたのは横須賀スタートです。元々一週間前に東京に行く用事があったので、横須賀側からスタートして、一週間寝かせて岩手側をクリアして終了という流れのため、クリアまで7日かかっています。そのうち6日は何もしてませんけど………。(横須賀(猿島)に行ったときの日記はこちらをどうぞ。)
 ちなみに、ミッションクリアだけが目的なら、岩手側のポータルはミッションデイの会場までの道の中にある都合上、前日入りする必要は全くありませんので、いかに飲むためだけに前日入りしたかおわかり頂けると思います。私がIngressを続けているのは、「Ingressで疲れた体で飲むビールが最高においしいから」なので、しょうがないですね。

 盛岡へ向けての移動中、夏の間だけ運航されているSL銀河といい具合にすれ違ったので一枚。運行開始の去年は中々予約が取れないほど好評だったようですけど、今年はどうでしょうか。SL銀河は通常の電車よりも時間がかかってしまうこともあって、終点の釜石まで行かずに遠野で折り返してしまう人が結構いるようなので、上手く考えないとですね。

友情の架け橋ミッションの終焉

 電車が鹿に衝突した関係で30分ほど遅れて盛岡に到着です。腹が減っては戦はできぬということで、駅のそばにあるぴょんぴょん舎遅めのお昼を取ります。考えてみれば、(少なくとも岩手県内のローソンでは)じゃじゃ麺を売っているのでそういうのは食べたことがありますけど、お店で食べるのは初めてでした。ちなみに私はショウガとラー油を入れるタイプです。
 この後歩くことを考えていつもよりゆっくりと食事を取り、いよいよ夢の架け橋ミッションを終わらせるために盛岡八幡宮へと向かいます。

 横須賀のポータルを一通り巡った後の、次のポータルまで残り508kmという表示もついにここまで来ました。総移動距離はともかく、ポータル間の距離なら、どこかの空港にあった気がする**空港→**空港ミッションだとか、「日本6大ドームツアー」等と双璧をなす長距離ミッションですね。

 盛岡市内のポータルはシールドでがちがちという事はほとんど無いので、適当にバースターを打ちながら白くなったポータルに一輪挿ししつつ盛岡八幡宮へ。盛岡で何度かプレイしているのでUPCには目をつむり、通り道を緑に染めることだけを考えながら向かいます。ゲームを始めたばかりのプレイヤーでもポータルを自分の物にしやすい環境なので、Ingressを始める環境としては凄くいいと思うんですよね。田舎ほどシールドでがちがちのイメージがありますけど、田舎ほどシールドで固めない方が青と緑、お互いに楽しいんじゃないかなーと思います。

 ぽんぽこ市の準備が始まりつつある盛岡八幡町通りを抜けつつ、残り二つのポータルのうち一つをHack、そして盛岡八幡宮内のポータルをハックして、無事に「(YKSK)岩手×横須賀 友情の架け橋ミッション」をクリア。岩手→横須賀コースをプレイするかどうかは不明です…。まあ、盛岡に行く機会は多いので、その後気合いを出して横須賀に行くだけですよ(震え声)。

木漏れ日の中に立つ米内光政の銅像
α5100(ILCE5100) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/80sec, F8.0, ISO250, 61mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 ミッション攻略記念で気合いを入れて一枚。構図はすぐ決まったのですが、水平を見極めるのに苦労したので、この1枚のために10分ぐらいかかってます…。

 6月の晦日には全国の神社で「夏越しの大祓」が開かれますけど、盛岡八幡宮でもその準備が進んでいました(盛岡八幡宮では28日のようです)。半年に一度の行事ですし、据え茅の輪くぐらぬのは漢の恥ということで、「水無月の 夏越しの祓 する人は ちとせの命 のぶというふなり」という和歌を口ずさみながらくぐりぬけ、一通りのお参りを済ませました。
 お参りと写真撮影が終わった後はX8とR8をがっつり稼ぐことにします。ミッションデイ用のミッションがすでに用意されており、6人ほどクリアした形跡がありますが、ここはぐっとこらえて、それ以外にもたくさんある既存のミッションをクリアしていきます。
 一通り満足したら、前回の「ポータル大量発生感謝!ハック&キャンドルin盛岡」で訪れたものの、夜遅くて写真を撮ることが出来なかった十六羅漢へ。相変わらず、XMあふれ出る感半端ない光景です。十六羅漢ってポータルとしては一つだけの申請なんですけど、16体全部ポータル申請したらいいのに…と、地元エージェントに丸投げしておきます。誰かよろしく!

真のミッション、ベアレンビール

 日も傾いてきたので十六羅漢を出発し、知らない道でもないのでのんびりと歩きながら、盛岡駅北西にある材木町へ向かいます。
 道中、エリアの半分が青になっていた岩手公園を公園らしく緑色に染めていたら、今回の目標の一つであるLevel10になりました! 盛岡ありがとう!

 材木町の「いーはとーぶアベニュー」ではこの季節、「よ市」が開催されている事もあって、結構な人が歩いていました。土曜日のみの開催なので、ペルセポリスに参加してから盛岡に来た人や当日の朝移動した方はこの光景が見られなかったと思うととても残念なので、どうぞもう一度盛岡へ
 材木町は町並みとしても結構きれいです。明日の日記でも触れるつもりですけど、盛岡市内は町並みがきれいなスポットが点在していて、材木町もその中の一つですね。そんな材木町の写真を何枚か撮りつつ、また、「よ市」でどんな物が売られているか観察しつつ、目的のお店へ向かいます。

樽生限定(瓶詰め販売無し)のドライスタウト
α5100(ILCE5100) + SEL24F18Z(Vario-Tessar T* E 24mm F1.8 ZA)
1/60sec, F2.2, ISO3200, 36mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 ということで、かんぱーい!

 岩手の地ビールと言えば銀河高原ビールが全国区で有名ですけど、宮守のわさびビールとか盛岡のベアレンビールも外せません。特にベアレンビールは本場のドイツ仕込みなので、そっち方面のビールが好きな人にはお勧めです。(ちなみに写真のビールはドイツではなくイギリス式のドライスタウトです。)
 そして、そんなベアレンビール直営のお店が材木町の中にあるのです。

 うましうまし

 この日は盛岡駅前でホテルをとれなかったので、ホテルへ向かう電車の時間と相談しつつ、カウンター席でビールと食べ物を食べていたら、あっという間に2時間半が経っていました。この電車を逃すと次の電車は1時間後なので本日はここで終了。ちょうどこの日は「川守稲荷神社・荒神神社例大祭」が開催されていたので、そんな花火を横目に見ながら、ホテルへ向かうために盛岡駅へ移動しました。

2015年6月21日(土曜日)

ミッションデイ in 盛岡

 前日から盛岡入り(横須賀市との夢の架け橋ミッションクリアなど)しているので、その分のレポートはこちらへどうぞ

最初の出会い、そして会場へ

 盛岡駅のロッカーに荷物を預けようとロッカーの扉を開けたタイミングで、隣のロッカーの前にも荷物を入れようとした人がやってきました。しかし、ここでちょっとした問題が。盛岡駅のロッカーは、事前にお金を入れないと扉が開かないタイプなので、自分が持っている荷物が入るかどうかを事前に確認できないんですよね。入ると思ってお金を入れて扉を開けて実際に入れようとしたら入らないということもあるのです。
 既に私は荷物を入れるためにお金を入れていたので、扉を開けながら「試してみます?」と、初めて相手の方を見て―――あ、このひと、同陣営(緑/エンライテンド)だ…。特にIngressに関するやり取りはしなかった(私は端から見たら普通の観光客ですしね)のですけど、改めて周囲を見渡すと、服とか小物とかで青とか緑が分かるという人が結構いるんですよね。多分参加者の1/3ぐらいはそういった小物を身に着けていて、素直に感心しました。

 途中のドトールで一杯珈琲を飲んで、いよいよ盛岡八幡宮へ向かいます。
 「ぽんぽこ市」開催のためか朝から賑やかです。盛岡八幡宮とその通り道である盛岡八幡町通には去年と今年で5回ぐらい来ているのですけど、今回が一番活気があったように思います。


α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/250sec, F9.0, ISO100, 15mm(35mm equivalent focal length) + HDR±1.00EV
Development in Adobe_Lightroom, Edit in Adobe_Photoshop

 とりあえずいつもの構図で一枚。境内も中々賑やかです。
 Ingressとしても、昨日まではP8の宝庫だった盛岡八幡宮のポータル群もたびたび中立化を繰り返すなど、中々賑やかな状態です。

 受付を済ませてUPVを登録。スタート時は1955です。多分昨日だけで40ぐらい既に増えているんですけど、今回はUPVではなくミッションクリアでの報告を予定しているので気にしません。UPVはむしろUPV2000でゴールドメダルをとるのが狙いです。

八幡町

 諸注意を聞いていよいよ出発です。ここで盛岡八幡宮のミッションを済また人が大半だと思うのですが、時間があれば最後にプレイすると言うことでひとまず「ぽんぽこ市」で賑わう八幡町へ向かいます。いつもは車(タクシーが結構多い気がします)が走り抜ける盛岡八幡町通に人が溢れているのは中々いい景色です。盛岡八幡宮から見ると若干下り坂になっているようですね。
 今、手元に資料がないのできちんと確認はしていないのですけど、この道路は盛岡城のある方角に真っ直ぐ伸びているので、昔は盛岡城の天守を見ることができたのではないかと思います。そうだとしたら城下町の構造形態の代表例ですね。考えてみると盛岡八幡宮の拝殿・本殿の向きも、一般的な神社に多く見られる南向きや東向きではなく、北西の方向にある盛岡城の方を向いているので、ある程度意図を持って作られたと思います。

 ところで、「ぽんぽこ市」の名前の由来って、ミッションメダルにもなっていることから、あそこの狸が由来になっているという認識でいいのかな。

中ノ橋通り

 八幡町を終えて進路を右に取り、盛岡バスセンターへ向かいます。
 盛岡バスセンターは建設当時としては(存在が)画期的なバスターミナルですが、建物全体の老朽化(昭和35(1960)年竣工)や現在の耐震基準を満たしていない事から、今後何らかの対応が必要になるでしょう。本当に立て直しするとなると、今のうちに写真を撮っておいた方がいいかもしれませんね。


α5100(ILCE5100) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/200sec, F9.0, ISO250, 56mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 ということで一枚。このロゴマークがかっこいいんですよね…。

 ミッションを進めるために盛岡バスセンターから北西へ向けて移動します。そして登場するのが、盛岡市内でも屈指の名建築(だと思う)岩手銀行中ノ橋支店(旧盛岡銀行本店)が見えてきます。


α5100(ILCE5100) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/160sec, F9.0, ISO100, 24mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 辰野金吾と葛西萬司による共同設計で、辰野金吾の代表作である東京駅よりもこちらの方が先に完成しています。
 つい最近まで銀行として使われていたのですが今は使われていません。東京駅やバスセンターもそうですが、やっぱり建築を残すなら使いながら残して欲しいと思います。赤レンガ倉庫のように、建築資産として活用できればいいのですが…。
 ちなみに、同じミッションの中に含まれていた「盛岡信用金庫本店」も葛西萬司による設計だったりします。盛岡市内には氏の設計した建物が今でも残っていますね。

 このエリアは新しい古いを問わずお洒落な建物が集まっているように思いました。例えば「紅茶の店しゅん」とかは今回気になった建物の一つですね。

紺屋町

 日本全国の城下町に類似の名前がありますが、ここも御多分に漏れず染物屋が並んでいたエリアでしょう。


α5100(ILCE5100) + SEL1670Z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
1/100sec, F9.0, ISO100, 33mm(35mm equivalent focal length) + HDR±1.00EV
Development in Adobe_Lightroom, Edit in Adobe_Photoshop

 紺屋町の代表的な古建築「茣蓙九」。(保存建築指定の看板に読み仮名を振っておいてもらえると助かります…。)
 その他にも南部絞りの草紫堂やミッションにも含まれている物見櫓とかはなかなかいい建物だと思います。
 ミッションの終わりにある旧井弥商店なんかもいい雰囲気の建築ですけど、保存状態に一抹の不安が…。どこの自治体でもそうですけど、保存したいけど修繕するだけのお金がないという状態でしょうか。こればっかりは難しい問題ですけど、これだけいい建築が揃ってるので、なんとか頑張って欲しいですね。

幕間 自然が多い

 県庁の前の大通りに並木道というのは定番の構成のように思えますけど、並木道を含まずとも盛岡県庁の周辺は群を抜いて緑が多いように思います。

 紺屋町のミッションを終えて桜山神社へ向かう途中に中津川を渡るのですが、その時に渡った上ノ橋から一枚。右手に見えるのは中央病院跡地を活用した公園だそうです。

 県庁前の並木道と内丸公園をセットで。中心部にこれだけ緑があるというのはなかなか凄いことだと思います。

三ツ石神社・寺町通り

 桜山ミッション、石割桜ミッションをクリアして、今回の最終目標である三ツ石神社方面へ向かいます。中心部から少し離れた場所ではありますけど、この方面はいままで一度も行ったことがないのでUPVも期待できます。多分Ingressがなかったら行くことがなかったと思う場所なので、ゲームの力って凄いなーと今更ながらに思います。


α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/200sec, F10, ISO100, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 小本街道へ出ると風景が一変します。高いビルは無くなり、電線地中化の恩恵を受けて視野が一気に広がります。電柱がある風景が嫌いというわけでもないですけど、こういう風景は空が広くて好きですね。

 小本街道へ来たので早速ミッションスタート…というところでもう一つの目標であるExplorerの金を獲得。ありがとう盛岡! スタートが1955なのでここまでのUPVは45という事になりますね。何度も来ている盛岡でもこれだけUPVが稼げるというのは、ポータルが増え続けていることもありますけど、今回のイベントのおかげで行ったことがないところに行っているという事が分かります。

 三ツ石神社は後回しにして、(ミッション的に)一番奥にある報恩寺へ行きます。


α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/100sec, F9.0, ISO100, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 か、かっこいい…!
 アップでもう一枚。これだけの斗狭(組物)は中々見たことがないですね…。
 寺門だけ見て帰ってしまうのはもったいないので、中に入ってみました。これもまた渋い…! この渋さを体験しなかった人はとてももったいないので、是非もう一度盛岡へ!

 報恩寺を堪能した後は、いよいよ三ツ石神社へ向かいます
 岩手県の県名の由来に触れることができたのはもちろんのこと、盛岡さんさ踊りの由来も知ることができて思わぬ発見がありました。

帰り道 リアルXM補充

 本日最後のミッションである「三ツ石神社・寺町通り」を終えた頃には13時50分になっていました。急いで県庁前の大通りに戻り、たまたま目の前に来ていた盛岡バスセンター行きのバスに乗って移動時間を短縮します。盛岡バスセンターから盛岡八幡町通へ戻り、リアルXMを補充しながら盛岡八幡宮へ戻ります。
 それにしても大きな焼き鳥(400円)です。ビールをおいてあるお店もあったのですが、日曜日は休肝日と決めているので泣く泣く素通りしました。

ミッションデイを終えて

 懇談会に参加した方だけで考えると県外からの参加者が半分以上ということで、これは結構凄いことだなーと思う一方、ペルセポリスがなかったらこの割合はどうなっていたのかなと。ハックアンドキャンドルの時の参加者は160人でしたけど、県内出身の方の割合が多かったので、多分それと同じぐらいなのでしょう。
 ただ、単純に人数だけでは計れないのが面白いところで、この日記もそうですけど、体験記や旅行記のようなものに影響を受けて、Ingressのプレイヤーはもちろんのこと、純粋に街に興味を持った人が訪れる可能性はあると思います。もちろん、写真を見て満足してしまう人もいるでしょうけど。
 しかし、確実に言えることが一つあって、Ingressのために何度か盛岡に行ったことが何度かある私でも、今回のイベントがなかったら行かなかったエリアやイベント(ぽんぽこ市)があったので、ミッションデイを開催してもらって本当にありがとうございましたと、締めの言葉として添えておきます。

 今回の成果はこんな感じ。

「ミッションデイ in 盛岡」について

 もしかしたらIngressを使ったイベントを手伝う機会があるかもしれないので、備忘録的に所感をちょっとだけ書いておこうと思います。

 「ミッションデイ in 盛岡」用のミッションのメダルは写真を用いた物になっているのですが、私としてはこれは凄く好きです。
 デザイン的なミッションメダルももちろん好きですけど、遠征したときの想い出としては写真の方が後々「こういうミッションだったなー」と思い返しやすいような気がします。
 名所を巡った後のポータルキーを持ち帰ってもいいのですが、ポータルキーはインベントリの制限もあってよほどの物じゃ無い限りは溶かしてしまうことが多いのですが、ミッションメダルはエージェントプロフィール画面に残り続けるので、写真の方がいいかなーと思います。
 もちろん、イラストはイラストで可愛いメダルもたくさんあって、どっちがいい・悪いではないです。自治体の名前を思い出せないのですが、地元出身のイラストレーターが作ったというあのメダルとか全種類集めたいですしね。もう、同じミッションでメダル違いVerを作るしか…。
 欲を言えばミッションの説明文にミッションそのものの説明文だけではなく、簡単な歴史的背景が書いてあるとグッドだと思います。(ミッションを作った事がある人は分かると思いますが、ミッションのクリア報酬であるメダルはアップデートすれば反映されますが、説明文はクリアした同時のまま残り続けるのが残念です。)

 あと、Ingressを観光・地域振興にからめるときに重要になるのが、それをやる側がIngressを好きだということだと思います。これだけIngressを使ったイベントが話題になってくると、Ingressの上澄みだけをもらおうとする所も出てくると思うんですけど、やっぱりそういったイベントを運営する側はIngressを好きであって欲しいのです。
 それは例えばイベントで使われるミッションの質に現れるでしょうし、運営の方法にも必ず現れてきます。そう言う意味では岩手県庁のゲームノミクス研究会はIngressが好きだというのがよく伝わってきますし、そういった人が作るイベント・ミッションはやってみるとやっぱり楽しいのです。
 これから続く自治体や団体は「Ingressを使おう」ではなく、「Ingressを楽しんでもらおう」という視点でのイベント運営を期待したいです。

最後に

 それでは最後に一枚、自称Ingress写真部として、今回のお気に入りの写真を載せておこうと思います。


α5100(ILCE5100) + SEL1018(E 10-18mm F4 OSS)
1/320sec, F9.0, ISO100, 15mm(35mm equivalent focal length)
Development in Adobe_Lightroom

 ………それにしても、カメラとレンズ、モバイルバッテリーなどの重装備を持った状態でのIngressは中々大変です…。

初出: 2015年06月06日
更新: 2015年06月21日
著作: 鈴響雪冬
Copyright © 2015 SUZUHIBIKI Yuki

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