(2003年6月の日記を元に再編成)
DTMを初めてから既に6年以上が経ち、今までに色々なWebサイトを見てきた。
本当に沢山のDTMerがいて、色々なWebサイトがあった。
表現方法も多種多様で、面白いサイトも多い。
だが…DTMのページを作って大体半年ぐらい経つとわかるのではないだろうか。
『感想がこない』ということに。
大手のサイトならまだしも、マイナーなサイト(このサイトも含む)への感想が来る確立は0に近い。
殆どの管理人さんはこれにショックを受けたのではないだろうか?
『感想がこないので当Webページを閉鎖します』という文章を見ることが増えてきた。
しかし、ここで聞いてみたい。
『貴方達は、本当に感想を得るために努力してきたのだろうか?』
私という客観的立場から見れば殆どの管理人はそう思えない。
それいぜんに、『貴方達は感想を得るためにそのページを作った』のであろうか?
本当の目的は、そこなのだろうか?
もし、仮にそうならば、感想をもらうために努力をしたのだろうか?
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インターネットという世界中を結ぶ巨大なネットワーク上には沢山のDTMサイトがある。
貴方のページもそのひとつであろうか。
貴方のページにたどり着く道は幾億とあるだろう。
そんな中、一人のお客さんが貴方のページに来るという確立は相当低いと想像がつく。
そして、貴方の曲をDLする確立はもっと下がる。
それは何故だろうか?
『貴方と同じようなことをしている人は沢山いる』から。
単曲のレア度とかそう言う問題ではない。
DTMというひとつのカテゴリーにおいて、同じようなことをしている人は沢山いる。
仮に貴方が素晴らしいデータを作り上げたとしよう。
でも、素晴らしいデータなんて探せば出てくるもの。
つまり『普通』なのである。
それに、素晴らしいデータを作ったとしても、貴方のページに人がいなければ意味が無い。
■
そもそも感想って非常に書きにくい部分がある。
脳内に思い浮かんだ感情をそのまま文章にするのである。
これが小説に対する感想ならばすぐ浮かぶであろうか?
『文字というメディアは『悲しい』『うれしい』といった直接的な感想を思い浮かべやすい』からだ。
では音楽はどうだろうか。
音楽の感想を文字に置き換えることは非常に難しいのではないだろうか?
『曲を聴いて、この曲『いい!』と思っても、それを文章にするのは難しい』ではないだろうか?
いい!という感情…それすなわち、なんであろうか?
いい!という感情は人それぞれであるため、それをわかりやすく伝えることになる。
そこに至るプロセスが難しいから、音楽の感想は書きにくいのだ。
現に、DTMをやっている私ですら音楽の感想を書くことには苦労する。
■
インターネット事情の変化により、インターネット進出者は飛躍的に伸びた。
YahooBBなどの先進事業会社の進出をはじめ、料金の値下げなどもあり、日本はDSL使用人口世界1だ。
インターネットは、もはや、
『パソコンを使いこなした人達のためのネットワーク』ではなく、
『社会の縮図としたネットワーク』になっている。
それが何を意味するか…。
『貴方のページに来る人は特定不可能』ということにある。
よっぽどジャンルが偏っていない限りは、殆ど全ての年齢層の人が訪れる。
そして、ここが最大の問題である。
『インターネット初心者が貴方のページに来る確立が増える』
彼らには以下のようなステータスがある
・一回で興味が無いと判断し、もう来ない
・掲示板などのコミュニティーツールになれていない
・Webページという雰囲気になれていない
・そもそも感想なんて書いたことが無い
なんとなく伝わっていただけただろうか?
つまりは、『コミュニケーションが下手』なのである。
まして今の世の中。
お隣さんの顔すら知らない時代において、ネットワーク上でコミュニケーションが上手く図れるとは思えない。
なぜなら、なれていないから…。
人と会話することになれていないから。
近年まれに見るインターネットの発達により、敷居が低くなり、
今では小学校からネットを授業の一貫に取り入れている。
低年齢化が進む中、マナーを忘れ、そして、暴走行為に動く人もいる。
昔のネットといえば、パソコンを使いこなしたエキスパート達が、
パソコン通信を駆使して、文字通信を繰り広げ、BBSをにぎわせていた。
感想を書く人の人口が以前と同じとするならば、割合は確実に減ってきているだろう。
アクセス数の割りに感想が来ない…それは、ここに起因する。
■
音楽というジャンルは非常に敷板がたかい。
聞くだけならまだしも、感想を書きこむということに関しては…。
さらに、DTMという特性上、『ファイル』に関する知識が不可欠となる。
■
まず、貴方のサイトのデザインはわかりやすいだろうか?
音楽をダウンロードするために幾度と無くクリックを必要としないであろうか?
『長編恋愛小説同盟』の『こんな小説サイトに出会いたい』に『2~3クリックで読める』という項目があった。
どうやら、2~3クリックが目安のようだ。
ダウンロードページにたどり着いたら次である。
曲が見つかりやすいだろうか?
説明文ばかりだと、どれが目的のファイルかわからない…。
表を無理に使うことは無い。
ただ、見やすさを追求してください。
■
DTMは特性上、『圧縮』に対する知識が不可欠だ。
『解凍が出来ない』と『ファイルが再生できない』の二つである。
某掲示板にてこんな会話を見た
『DLしたファイルが再生できないのです』
特別にファイルへの直リンを許可しているページ先での掲示板である。
とうぜん、私の曲への質問なのだが、私が発見したときはすでに管理人さんが答えていました。
(ありがとうございます)
つまり、どんなに素晴らしい曲が合ったとしても、ダウンロードしたとしても、
『解凍できないと意味が無い』のである。
解凍にかんしては、私はZIPを進める。
WinMEからは標準対応のZIP拡張子ならば、圧縮という概念を無視して解凍が出来る。
さらに、LZHをお勧めする。
日本で一番普及率が高いLZHならば、開設サイトも多く、面倒な設定は殆どいらない。
容量を削るためとはいえ、RARやCABはやめたほうが言いともう。
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ファイルが再生できない…つまりはCodecの問題だ。
普及率世界1のMP3ならまだしも、『OSで標準再生できないフォーマット』はやめたほうがいいのは明らかだ。
導入が面倒なのである。
そうか? と思った人は多いだろう。
ではよくよく考えてみよう。
・見たことが無い拡張子にぶち当たる。
1:捨てる
2:検索エンジン→該当ソフトを再生できるプレイヤーのDL→再生
さて…どっちをとるか?
何が言いたいか…。
より多くの人に再生してもらいたいのなら、MP3を使いなさいということだ。
音質…そんなのは無視してほしい。
感想をもらうためにはまず聞いてもらうことが不可欠なのだから。
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より多くの人に聞いてもらったならば、今度は感想を書きやすい環境を提供することになる。
まずは貴方のページにお聞きします。
・フレームを使っている
・フレームを使っていない
フレームを使っていない方は要注意です。
全てのページから、全てのコンテンツへのリンクがありますか?
一度TOPページに戻ってこないとだめというパターンではありませんか?
ただでさえ書きこみにくい感想ならば、そこに至るステップを極限まで減らさなくてはいけません。
理想としてはクリックひとつで感想を書きこめる環境。
BBSや一言フォームなどである。
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まずは、雰囲気である。
一番重要であり、一番作ることが難しいものである。
掲示板においては、表示される全てのスレッドが雰囲気を作る。
雰囲気を作るためには相当の根気が要る。
BBSを管理できない人はBBSを経てないほうがましなのかもしれない…。
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感想を書きたくても掲示板がわからなければ意味が無い…。
掲示板は見やすく配置。
DLページから1~2クリック以内に移動できることが望ましい。
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掲示板に、『はじめまして』という書き込みがあったとしよう。
これだけで、新しい人がどれだけ書き込みやすいか貴方は想像できるだろうか?
それに対する貴方のレスによってどれだけの人がいい管理人さんだと判断するだろうか。
初めての方にはやさしく接しましょう(著しくネチケットを守っていない人は速攻遮断)
掲示板を感想をもらうための手段とするならば、掲示板の雰囲気を維持することが大切である。
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メールという手段もある。
掲示板に書きこみにくいことも送ることができる。
では聞こう
・メール
・メールフォーム
どちらが手軽だろうか?
メールフォームだろう。
クリックひとつで送信。
設定次第では自分のアドレスがばれることも無い。
これほどまで匿名性に優れ書きこみやすいものは他には無い。
メールでもかまわない。
ただ…最近あるのだが
『ウイルス対策のため、リンクをはずしています』
という言葉。
どれだけ面倒だか考えたことがあるだろうか?
クリックひとつのメールフォームと違い
・メーラーの起動→新規作成→アドレスをコピー張りつけ→本文を書く→送信
長いではないだろうか?
リンクならば、
・本文を書く→送信
である。
せめてメールにはリンクを張ってほしい…。
ウイルス対策…?
そんなのは、
<a href="#" onclick="var a=('lto:'+'suzuhibiki');var
b='sound.design.co.jp';location.href=('mai'+a+'@'+b);">
で乗り切ってほしい(ぉ
ウイルス対策をしたい、でも、リンクを張りたいという方にはお勧めである。
IE6.0、NN7.1、Operaでは動作するはずだ。
具体的説明は趣旨から外れるのでカット。
タグを解析するか、HTML入門ページに移動してください。
メールフォームもレンタルCGIで手軽に借りることが出来る。
■
ここで感想をもらうための具体的対策を述べるわけではない。
それを模索するのが管理人の仕事だから。
感想が来ないからといって愚痴ってはいけない。
その愚痴は読んだ人にとって不快になるものだから。
感想が来なくても黙っている。
がんばってページを運営する。
何時の日か感想が来る。
DTMサイトを経営していない人に対して、ここで言わせていただく。
実際、かなり感想は来ないです。
私のところに届く感想は、2002年では、
・メール2通ほど
・掲示板10件ほど
となっていました。
私のサイトは一年あたり、1万人の人が利用します。
12/10000
この確立を把握してください。
1000人来て1人の人が感想を残していくのです。
月にすれば、一ヶ月1件です。
一ヶ月900人近くの人が利用します。
そのうち半分が常連だとして450人の人が訪れます。
つまり、そう言うことなのです。
DTMというサイトは非常に感想がもらいにくいのです。
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結局、感想を書くのはその人の自由なのだ。
権利なのだ。
貴方のWebサイトを国とするならば、住人の権利である。
『感想をくれ』といった命令は存在しない。
感想をもらうならば、
その確立を極限まであげる努力をすることだ。
曲のレベルを上げることを筆頭に、
ユザーに対していかにわかりやすいページを作り、いかに書きこみやすい環境を提供するか…それが重要なのである。
感想が来ない…それは、ユザー意識の問題だけではなく、管理人自身やWebサイト自体の問題でもある。
2003年9月19日記述
鈴響雪冬